
「一生懸命がんばれ!」って、みなさんも一度は言われたことがありますよね。
運動会のかけっこのとき、テストの前、習い事の発表会…いろんな場面で使われる言葉ですよね。
でも、ちょっと待ってください。
「一生懸命」の「一生」って、生まれてから死ぬまでのこと?
「懸命」って、いったいどういう意味なんだろう?
そう考えると、なんだか気になってきませんか?
実は、この言葉にはとっても面白い歴史が隠されているんです。
しかも、もともとは「一生懸命」じゃなくて、別の漢字が使われていたって知っていましたか?
今回は、みなさんがよく使う「一生懸命」という言葉の意味や由来を、一緒に探っていきましょう。
読み終わったら、きっと「へぇ〜、そうだったんだ!」と誰かに話したくなりますよ。
一生懸命の意味は「全力で取り組むこと」

まずは結論からお伝えしますね。
一生懸命の意味は、「命がけで、全力で物事に取り組むこと」です。
もう少しやさしく言うと、「自分の持っている力を残らず全部出して、精一杯がんばること」という意味なんですね。
たとえば、テストで100点を取りたいときに、遊びたい気持ちをがまんして勉強に集中することも一生懸命です。
サッカーの試合で、最後の1秒まであきらめずにボールを追いかけることも一生懸命ですよね。
つまり、「できる限りの努力をする」ということを表す言葉なんです。
ここでいう「命がけ」というのは、本当に命を失うという意味ではありません。
「命をかけるくらいの覚悟で、全身全霊で取り組む」という強い気持ちを表しているんですね。
ちなみに、「一生懸命」には「必死さ」「真剣さ」「切迫感」といったニュアンスも含まれています。
ただ「がんばる」と言うよりも、もっと強い気持ちが伝わる言葉なんですよ。
「一生懸命」は、何かに真剣に向き合うときに使う、とてもすてきな言葉なんですよ。
一生懸命の由来は武士の時代にあった

さて、ここからが本当に面白いところです。
「一生懸命」という言葉、実はもともと「一所懸命」と書いていたんです。
「一生」じゃなくて「一所」だったんですね。
「えっ、なんで漢字が変わったの?」って思いますよね。
その秘密を解き明かすために、今から約800年前の日本にタイムスリップしてみましょう。
「一所懸命」は武士が土地を守る言葉だった
時は鎌倉時代。
日本には「武士」と呼ばれる人たちがいました。
武士たちにとって、自分の「領地(りょうち)」、つまり自分が持っている土地はとっても大切なものでした。
この土地があるから、お米を作ったり、家族を養ったりできるんですね。
だから武士たちは、「この土地だけは絶対に守る!命をかけてでも守り抜く!」という強い気持ちを持っていました。
この「一つの所(場所)に命を懸ける」という意味で、「一所懸命」という言葉が生まれたんです。
「一所」というのは、主君(しゅくん)から賜ったひとつの領地・所領のことを指していました。
その土地は、家の存続をかけた先祖代々の大切な場所だったんですね。
文字通り、「一つの場所(一所)に懸けた命」という切実な状況が背景にあったんです。
「懸命」ってどういう意味?
「懸命」という漢字を分けてみましょう。
「懸」という字は、「かける」「ぶらさがる」という意味があります。
「命」はもちろん「いのち」ですよね。
つまり「懸命」は、「命をかける」「命がけ」という意味なんです。
武士たちは本当に命がけで土地を守っていたんですね。
戦いになれば、自分の命を失うかもしれない。
それでも大切な土地と家族を守るために戦う。
そんな武士たちの覚悟が、「一所懸命」という言葉に込められているんです。
昔の辞書では、この土地のことを「死活にかかわるほど重視した土地」と説明しています。
つまり、生活の糧・家の名誉・一族の運命がすべてかかった土地だったんですね。
なぜ「一所」が「一生」に変わったの?
では、どうして「一所懸命」が「一生懸命」に変わったのでしょうか?
これには、いくつかの理由があると言われています。
理由その1:読み方が似ていたから
「一所懸命」と「一生懸命」、声に出して読んでみてください。
「一所懸命」は「いっしょけんめい」、「一生懸命」は「いっしょうけんめい」と読みますよね。
「いっしょ」という発音が、「いっしょう」と長く伸びて聞こえたり、聞き間違えられたりしたんですね。
そうやって、だんだん「一生」という漢字が当てられるようになったと考えられています。
理由その2:意味がぴったりだったから
「一生」という言葉には、「生まれてから死ぬまで」という意味があります。
「一生懸命」と書くと、「一生(人生をかけて)命がけでがんばる」という意味に感じられますよね。
この意味のほうが、「土地を守る」という具体的な意味よりも、もっと広くいろんな場面で使えます。
勉強をがんばるとき、スポーツをがんばるとき、どんなときでも使えるんですね。
だから、時代が変わるにつれて「一生懸命」のほうがよく使われるようになったんです。
理由その3:武士の時代が終わったから
江戸時代になると、武家社会から町人が主役の貨幣経済へと変わっていきました。
土地を命がけで守る必要も、だんだんなくなってきたんですね。
すると、「一所(一つの場所)」という言葉の意味がピンとこなくなってきました。
その代わりに、「命がけ」「必死」「切迫した状態」という抽象的な意味だけが残っていったんです。
そして明治時代になると、武士という身分自体がなくなりました。
「一所」という言葉よりも、「一生」という言葉のほうがわかりやすくなったんですね。
ちなみに、江戸時代の浄瑠璃(じょうるり)という芝居の台本には、すでに「一生懸命」という表記が使われていたそうですよ。
今はどっちが正しいの?
「じゃあ、一所懸命と一生懸命、どっちを使えばいいの?」
そう思いますよね。
答えは、「どちらも正しい」です。
今の日本語では、両方とも使ってOKなんですよ。
ただ、普段の会話や作文では「一生懸命」を使うことが多いですね。
教科書や新聞、ウェブサイトでも「一生懸命」が一般的な表記になっています。
「一所懸命」は、歴史の本や、言葉の由来を語るとき、または武士の精神を伝えたいときに使われることがあります。
「一つのことに集中して全力を尽くす」というニュアンスを強調したいときにも、「一所懸命」が使われることがありますよ。
どちらを使っても間違いではないので、安心してくださいね。
一生懸命を使った楽しい例文を紹介
さて、一生懸命の意味と由来がわかったところで、実際にどう使うか見ていきましょう。
学校生活、おうちでの日常、家族との会話の3つの場面で、例文を紹介しますね。
学校生活で使える例文
学校では、一生懸命を使う場面がたくさんありますよね。
例文1:授業参観の日
「今日の授業参観、お母さんが見に来るから一生懸命手を挙げたんだ。でも先生、全然当ててくれなかったよ…」
あるあるですよね。
いつもより張り切って手を挙げるのに、なぜか当たらない。
でも、その気持ちはちゃんとお母さんに届いていますよ。
例文2:体育のマラソン
「マラソン大会で一生懸命走ったら、ゴールした後に足がガクガクになっちゃった」
全力を出し切った証拠ですね。
足がガクガクするほどがんばったなんて、すごいことですよ。
例文3:そうじの時間
「隣のクラスの先生が見ていたから、一生懸命ぞうきんがけしたら、いつもの3倍疲れた」
人に見られていると、ついがんばっちゃいますよね。
でもそのおかげで、教室がピカピカになったはずですよ。
おうちでの日常で使える例文
おうちでも、一生懸命を使う場面はありますよね。
例文1:宿題タイム
「算数の宿題、一生懸命考えたけど、やっぱりわからない。お父さん、教えて〜」
自分で考えてからヘルプを求める。
それって、とても大事なことですよね。
一生懸命考えた後なら、教えてもらったことがしっかり頭に入りますよ。
例文2:お手伝いの場面
「一生懸命お皿を洗ったのに、お母さんに『泡が残ってるよ』って言われちゃった」
がんばったのに指摘されると、ちょっとがっかりしますよね。
でも、次はもっと上手にできるようになりますよ。
一生懸命やったことは、必ず力になっています。
例文3:ゲームの場面
「弟と対戦ゲームをして、一生懸命やったのに負けちゃった。弟、いつの間にか強くなってる…」
悔しいですよね。
でも、弟さんも一生懸命練習したんでしょうね。
次は負けないように、またがんばりましょう。
家族との会話で使える例文
家族と話すときにも、一生懸命は自然に使えますよ。
例文1:夕食の会話
「今日ね、発表会で一生懸命セリフを言ったら、みんなに拍手してもらえたんだよ」
緊張したけど、がんばって良かったですよね。
こういう報告を聞くと、家族もうれしい気持ちになりますよ。
例文2:おじいちゃん・おばあちゃんへ
「おばあちゃん、私ね、テストで一生懸命勉強したから、100点取れたよ!」
おじいちゃんやおばあちゃんに報告するときって、なんだかうれしいですよね。
きっと「すごいねぇ」って、たくさんほめてもらえますよ。
例文3:ペットとの会話
「うちの犬、ボールを取ってくるのを一生懸命練習してるんだ。でもまだボールを持ったまま逃げちゃうんだよね」
ペットも一生懸命がんばっているんですね。
ちょっとおとぼけなところも、かわいいですよね。
一生懸命と似た言葉も覚えておこう
一生懸命と似た意味の言葉もいくつかあります。
一緒に覚えておくと、表現の幅が広がりますよ。
全力(ぜんりょく)
「全力」は、持っている力を全部出すことです。
「全力で走る」「全力で応援する」などと使いますね。
一生懸命よりも、シンプルでスポーツでよく使われる言葉です。
精一杯(せいいっぱい)
「精一杯」は、できる限りの努力をすることです。
「精一杯がんばります」「精一杯の笑顔で」などと使います。
一生懸命とほぼ同じ意味で使えますよ。
必死(ひっし)
「必死」は、死ぬ覚悟でがんばることです。
「必死に逃げる」「必死で守る」などと使います。
一生懸命よりも、もっと切羽詰まった感じがしますね。
懸命(けんめい)
「懸命」は、命をかけるほど真剣に取り組むことです。
「懸命に働く」「懸命に生きる」などと使います。
「一生」をつけなくても使える言葉なんですね。
一心不乱(いっしんふらん)
「一心不乱」は、一つのことに心を集中して、他のことに気を取られないことです。
「一心不乱に本を読む」「一心不乱に練習する」などと使います。
一生懸命と似ていますが、特に「集中している」というニュアンスが強い言葉ですよ。
粉骨砕身(ふんこつさいしん)
「粉骨砕身」は、骨を粉にし身を砕くほど力を尽くすことです。
「粉骨砕身で働く」「粉骨砕身の努力」などと使います。
一生懸命よりも、もっと大げさで力強い表現ですね。
大人の人がスピーチで使ったりする、かっこいい言葉ですよ。
一生懸命の反対の意味の言葉は?
一生懸命の反対の意味も知っておきましょう。
反対の言葉を知ると、一生懸命の意味がもっとはっきりわかりますよ。
手抜き(てぬき)
「手抜き」は、やるべきことをちゃんとやらないことです。
「手抜き工事」「手抜き料理」などと使われますね。
一生懸命の反対で、あまり良くない意味で使われます。
いい加減(いいかげん)
「いい加減」は、適当にやること、真剣にやらないことです。
「いい加減な仕事」「いい加減にして」などと使います。
一生懸命にやらないときに使われる言葉ですね。
だらだら
「だらだら」は、やる気がなく、のろのろしている様子です。
「だらだら過ごす」「だらだら歩く」などと使います。
一生懸命の反対で、集中していない感じがしますね。
一生懸命にまつわる豆知識
ここで、一生懸命にまつわるちょっとした豆知識を紹介しますね。
知っていると、ちょっと自慢できるかもしれませんよ。
「一所懸命」の土地を「一所懸命の地」と呼んだ
昔の武士たちは、命をかけて守る土地のことを「一所懸命の地」と呼んでいました。
この土地は、先祖代々受け継がれてきた大切なものだったんですね。
だから、どんなことがあっても手放さないという強い気持ちがあったんです。
英語では何て言う?
一生懸命を英語で言うと、いくつかの表現があります。
「try hard」(トライ ハード)は「がんばって挑戦する」という意味です。
「do one's best」(ドゥー ワンズ ベスト)は「最善を尽くす」という意味ですね。
「with all one's might」(ウィズ オール ワンズ マイト)は「全力で」という意味です。
英語の授業で使ってみると、先生に「おっ、知ってるね」と思われるかもしれませんよ。
スポーツの応援でよく聞く言葉
野球やサッカーの応援で、「一生懸命がんばれー!」という声をよく聞きますよね。
選手たちに「全力を出して!」というエールを送っているんですね。
応援する側も、一生懸命声を出しているんですよ。
日常会話での感覚
ちなみに、日常会話では「一生懸命」は「めちゃくちゃがんばる」「全力でやる」くらいの感覚で使われています。
昔の武士のように本当に命をかけているわけではないけれど、それくらいの気持ちでがんばるときに使う言葉なんですね。
一生懸命のまとめ
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
最後に、一生懸命についておさらいしておきましょう。
一生懸命の意味
一生懸命の意味は、「命がけで、全力で物事に取り組むこと」です。
自分の持っている力を全部出して、精一杯がんばることを表しています。
一生懸命の由来
もともとは「一所懸命」と書いていました。
鎌倉時代の武士たちが、自分の土地を命がけで守るという意味で使っていた言葉です。
「一所」は「一つの場所(土地)」、「懸命」は「命をかける」という意味なんですね。
時代が変わるにつれて、「一所」が「一生」に変わり、今では「一生懸命」が一般的になりました。
一生懸命の使い方
一生懸命は、何かを全力でがんばるときに使います。
「一生懸命勉強する」「一生懸命走る」「一生懸命練習する」など、いろんな場面で使えますよ。
明日から使ってみよう
さて、一生懸命という言葉について、たくさんのことがわかりましたね。
昔の武士たちが土地を命がけで守ったことから生まれた言葉だなんて、ちょっとかっこいいですよね。
今度、何かをがんばるときに「一生懸命やるぞ!」と思ったら、鎌倉時代の武士のことを思い出してみてください。
きっと、もっと力が湧いてくるかもしれませんよ。
そして、お友達や家族に「一生懸命って、昔は一所懸命って書いたんだよ」と教えてあげてくださいね。
「えっ、そうなの?」って驚かれること間違いなしです。
言葉の由来を知ると、その言葉がもっと好きになりますよね。
これからも、いろんな言葉の「へぇ〜」を見つけていきましょう。
今日も一生懸命、読んでくれてありがとうございました。
明日からも、一生懸命いろんなことに挑戦してみてくださいね。