四字熟語

自画自賛(じがじさん)ってどんな意味?

自画自賛ってどんな意味?

みなさんは、自分で描いた絵や、一生懸命に作った工作を見て、「わあ、これって天才かもしれない!」と思ったことはありませんか?

誰かにほめてもらう前に、あまりにも上手にできたので、自分で自分のことを「すごい!」とほめてしまう。

そんな経験、きっと一度はあるのではないでしょうか。

実は、そんなふうに「自分で自分のことをほめること」を表す、ぴったりの言葉があるんですね。

それが、今回ご紹介する自画自賛じがじさんという四字熟語です。

「聞いたことはあるけれど、本当はどんな意味なんだろう?」と気になりますよね。

この言葉、ただ「自分でほめる」というだけでなく、昔の絵かきさんのちょっと面白いエピソードから生まれた、とても歴史のある言葉なんですよ。

今日は、この言葉の本当の意味や、どうしてこんな漢字を書くのかという秘密、そして明日から学校やおうちですぐに使える楽しい使い方まで、一緒にたっぷりと見ていきましょう。

お父さんやお母さんと一緒に、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

自分で自分をほめちゃうこと!

自分で自分をほめちゃうこと!

それではさっそく、この言葉の意味から見ていきましょう。

辞書を引いてみると、とてもシンプルな答えが返ってきます。

それは、自分で自分のことをほめること、あるいは、自分のしたことや作ったものを「これ、すごくいいでしょ!」と自分で自慢することなんですね。

たとえば、テストで100点を取ったときに「ぼくって本当に頭がいいなあ」と言ったり、お手伝いを上手にできたときに「わたしって本当に気がきくよね」と言ったりすることです。

なんだか、聞いているだけでちょっとニコニコしてしまいますよね。

でも、ここで少しだけ注意したいポイントがあるんです。

この言葉は、ただ「やったー!」と喜ぶだけでなく、少しだけ「自慢しすぎかな?」と思われることもあるという特徴を持っています。

自分ががんばったことを認めてあげるのは、とっても素晴らしいことです。

でも、あまりにもずーっと自分のことばかりほめていると、周りのお友達や家族は「ちょっと言いすぎじゃないかな……?」と疲れてしまうかもしれませんよね。

だからこそ、この言葉は「自分で自分をほめちゃうなんて、ちょっと恥ずかしいけれど、でも言いたい!」というような、すこし照れくさい気持ちを含んで使われることが多いんですね。

「えへへ、自分で言うのもなんだけどさ」といった感じで使うと、相手にも嫌な気持ちをさせずに、あなたのうれしい気持ちが伝わるかもしれません。

言葉って、使うときの気持ちや顔の表情によって、伝わり方がぜんぜん変わってくるから不思議ですよね。

昔の絵かきさんのちょっとしたハプニングから生まれた?

昔の絵かきさんのちょっとしたハプニングから生まれた?

意味がわかったところで、次は「どうしてこんな言葉ができたのか」という秘密に迫ってみましょう。

四字熟語には、それぞれに長い歴史や、面白いストーリーが隠されていることがたくさんあります。

この言葉も、ただ適当に漢字を並べたわけではなく、昔の人のある「行動」から生まれたものなんですよ。

「自画」と「自賛」に分けて考えてみよう

まずは、この四つの漢字を半分に分けて、「自画」と「自賛」にしてみましょう。

「自画」の「自」は「自分」の「自」ですね。

そして「画」は、「絵」や「描くこと」を意味しています。

つまり、「自画」というのは「自分で描いた絵」という意味になります。

ここまでは、とってもわかりやすいですよね。

では、残りの「自賛」はどうでしょうか。

「自」は同じように「自分」ですが、「賛(さん)」という漢字は、普段あまり見かけないかもしれませんね。

実は、この「賛」という言葉に、一番の秘密が隠されているんですね。

「賛」というのは、簡単に言うと絵をほめたたえるための詩や文章のことなんです。

「賛成(さんせい)」や「賛美(さんび)」という言葉にも使われているように、何かに「いいね!」と言ったり、素晴らしいとほめたりする意味が込められています。

「賛(さん)」って一体なに?

ここで、少しだけタイムスリップをして、昔の中国や日本の様子をのぞいてみましょう。

みなさんは、水墨画(すいぼくが)という、墨(すみ)の黒い色だけで描かれたかっこいい絵を見たことがありますか?

ああいった東洋の古い絵には、ただ絵が描いてあるだけでなく、絵の横のあいているスペースに、筆でスラスラと文字が書かれていることがよくあります。

その書かれている文字こそが、「賛」と呼ばれるものなんですね。

実は、昔の中国や日本では、絵のとなりに別の人が「ほめ言葉の詩」を書く文化があったんです。

絵かきさんが素晴らしい絵を描き上げると、それを見た偉い人やお友達、有名な詩人などが、「この絵は本当に美しいですね」「心が洗われるようです」といった感動の気持ちを、きれいな詩や文章にして、直接その絵の紙に書き込んでいました。

現代で言うと、お友達が描いた絵に「最高だね!」というコメントやシールを直接貼ってあげるような感じかもしれませんね。

そうやって、絵を描いた人と、それを見て感動した人が、一つの紙の上でコラボレーションをするのが、昔のとてもオシャレな芸術の楽しみ方だったんです。

ですから、本来「賛」というのは、「自分以外の誰か」が書いてくれるものだったんですね。

誰もほめてくれないなら、自分で書いちゃえ!

ところが、ある時、ちょっとした事件(?)が起きます。

絵かきさんが「最高傑作が描けたぞ!」と大喜びしているのに、まわりに「賛」を書いてくれるようなお友達がいなかったり、だれもその絵の本当のすばらしさに気づいてくれなかったりすることがありました。

「こんなに上手に描けたのに、だれもほめ言葉を書いてくれないなんて、もったいない!」

そう思った絵かきさんは、どうしたでしょうか。

なんと、ほめてくれる人がいないから、自分で自分の絵にほめ言葉を書いたのです。

「私が描いたこの山の絵は、世界で一番美しい!」というように、自分で自分をほめる詩を、絵の横にサラサラと書いてしまいました。

これが、「自分で描いた絵(自画)」に「自分でほめ言葉を書く(自賛)」という行動の始まりです。

まわりの人たちは、それを見て「おいおい、自分で自分の絵をほめてるよ……ちょっと図々しいなあ」と苦笑いしたかもしれませんね。

でも、それくらい自分の作品に自信があったからこそできたことだとも言えます。

この面白くてちょっとおかしなエピソードが広まって、「自分で自分のことをほめること」を指す言葉として、現代まで大切に受け継がれてきたんですね。

歴史の裏側にこんなストーリーがあるなんて、なんだかワクワクしませんか?

間違えやすい漢字に気をつけて

ここで、一つだけ気をつけたいポイントがあります。

それは、漢字の間違いです。

「自分で自分のことをほめる」という意味だからといって、「自我自賛」と書いてしまう人が、大人でも結構いるんですね。

パソコンやスマートフォンで文字を打つときにも、間違って変換されてしまうことがあります。

でも、ここまでの由来のお話を読んでくれたみなさんなら、もう間違えることはありませんよね。

この言葉は「自分の絵(画)」から生まれた言葉ですから、正解は「我が(わが)」ではなく「画(え)」の漢字を使うのが正しいんです。

もし、お友達や家族が「自我自賛」と書いていたら、「実はね、昔の絵かきさんのお話から来ているから、絵という字を書くんだよ」と、やさしく教えてあげてくださいね。

きっと「へえ〜!物知りだね!」と驚かれると思いますよ。

明日から使える!楽しい使い方をシーン別に紹介

さあ、言葉の意味と歴史がわかったところで、今度は実際にどうやって使えばいいのかを見ていきましょう。

言葉は、使って初めて自分のものになります。

今回は、小学生のみなさんが毎日過ごしている「学校」「おうち」、そして「家族との会話」の3つの場面に分けて、楽しくてクスッと笑える例文をご紹介しますね。

どんなふうに使えるか、想像しながら読んでみてください。

学校生活でのシーン(図工やテスト)

学校には、自分ががんばったことをほめたくなる瞬間がたくさんありますよね。

そんなときは、お友達との会話でちょっと面白おかしく使ってみましょう。

図工の時間に傑作ができたとき

図工の時間、粘土をこねて一生懸命に恐竜を作りました。

ツノの形も、ギザギザの歯も、自分が想像していた以上に強そうでかっこよく仕上がりました。

先生に見せる前に、となりのお友達にこう言ってみましょう。

「見て見て! この粘土の恐竜、かっこよすぎて自画自賛しちゃうよ!」

ただ「かっこいいでしょ」と言うよりも、「自分でほめちゃうくらい、うまくできたんだ」という得意げな気持ちが伝わってきませんか?

お友達も「本当だ、すごいね!」と笑顔で返してくれるかもしれませんね。

テストで良い点が取れたとき

ずっと苦手だった算数のテスト。

毎日おうちでドリルをがんばったおかげで、なんと100点を取ることができました。

帰り道、仲良しのお友達にこんな風に話してみましょう。

「今回のテストは、たくさん勉強したからね。我ながら自画自賛したいくらい、がんばったと思うな。」

ここでは、「我ながら(自分でもそう思うけれど)」という言葉を一緒につけているのがポイントです。

少しだけ照れくさそうに言うことで、自慢になりすぎず、「本当にがんばったんだね」と相手も共感してくれやすくなりますよ。

もちろん、あまりに自画自賛ばかりしていると「また言ってるよ〜」とあきれられてしまうかもしれないので、使う回数には気をつけてくださいね。

おうちでの日常シーン(お手伝いやゲーム)

おうちの中にも、チャンスはいっぱい隠れています。

お父さんやお母さんに向かって、自分の成果を可愛らしくアピールしてみましょう。

お料理のお手伝いが大成功したとき

日曜日の朝、お母さんと一緒にオムライスを作ることになりました。

卵を割って、フライパンで上手に包むのはとっても難しいですよね。

でも、今日は破れることもなく、ふんわりきれいな黄色のオムライスが完成しました。

食卓に運んで、お母さんにこう言ってみましょう。

「今日のオムライス、お店で出てくるみたいに上手に焼けて自画自賛だね!」

自分で作ったごはんをニコニコしながらほめている姿を見たら、お母さんも「本当ね、大成功だね!」と、もっとたくさんほめてくれるはずですよ。

お部屋の片付けがカンペキにできたとき

いつもは散らかりっぱなしの自分の部屋。

今日はなぜかやる気が出て、机の上も、おもちゃ箱の中も、ピカピカに片付けました。

キレイになった部屋をぐるっと見渡して、一人でつぶやいてみましょう。

「ピカピカになった机を見て、思わず自画自賛してしまったよ。」

誰も見ていないところで、自分の努力をこっそりほめてあげるのも、この言葉の素敵な使い方です。

自分をほめてあげることで、「次もキレイにしておこう」という気持ちが湧いてくるかもしれませんね。

家族との会話シーン(お父さん・お母さんの場合)

この言葉は、大人の人もよく使います。

お父さんやお母さんが使っているのを観察してみるのも楽しいですよ。

お父さんがお休みの日にDIYをしたとき

お父さんがお休みの日に、ホームセンターで木を買ってきて、小さな本棚を作ってくれました。

ペンキもきれいに塗れて、お父さんは大満足の様子です。

本棚をリビングに置いて、お父さんが得意げに言いました。

「パパの作った本棚、最高だろう? と、お父さんは自画自賛しています。」

そんなお父さんを見て、お母さんが「はいはい、上手ですね」と笑いながら答えている姿が目に浮かびますね。

家族のあたたかい会話の中で、ちょっとした笑いを生み出すスパイスとしても活躍してくれる言葉なんですね。

みなさんも、お父さんやお母さんが何かを自慢げに話しているとき、「あ、それって自画自賛だね!」とツッコミを入れてみるのも面白いかもしれませんよ。

似ている言葉「手前味噌」との違いも知っておこう

ちょっとしたおまけのお話です。

「自分で自分をほめる」という意味で、大人たちがよく使う言葉にもう一つ「手前味噌(てまえみそ)」というものがあります。

これも少し不思議な言葉ですよね。

昔は、お味噌汁に使う「お味噌」を、それぞれの家庭で手作りしていました。

そして、「うちで作ったお味噌が、どこの家よりも一番おいしいよ!」と、みんなが自分の家のお味噌を自慢し合っていたんですね。

そこから、「自分のことや、自分の家族のことを自慢すること」を「手前味噌ですが……」と言うようになりました。

自分の絵をほめるか、自分のお味噌をほめるかの違いですが、どちらも「自分で自分をほめちゃう」という点ではそっくりな仲間なんです。

言葉って、昔の人たちの生活の様子がそのまま残っていて、本当に面白いと思いませんか?

言葉の意味と歴史をおさらいしよう

さて、ここまでいろいろなお話をしてきましたが、いかがでしたか?

最後に、今日学んだ大切なポイントを、もう一度だけ一緒におさらいしておきましょう。

これさえ覚えておけば、もうあなたはこの言葉の達人です!

まず1つ目は、言葉の意味ですね。

自画自賛とは、自分で自分のしたことや作ったものを、自分でほめることでした。

ちょっと自慢したいときや、がんばった自分を認めてあげたいときに使う、便利な言葉です。

2つ目は、言葉の由来と漢字の秘密です。

昔の中国や日本の絵かきさんが、だれもほめ言葉(賛)を書いてくれないから、自分で自分の絵にほめ言葉を書いたという、ちょっとクスッと笑える歴史から生まれた言葉でしたね。

だから、漢字は「自我」ではなく「自画(自分の絵)」と書くのが大正解です。

3つ目は、使い方です。

「自慢ばかりしているといやな気持ちになるお友達もいるかもしれないから、ちょっと照れくさそうに使うのがコツ」というお話をしました。

「〜してしまって、自画自賛だよ」というように、少しだけ控えめに言うと、相手も優しく受け取ってくれますよ。

この3つのポイントをしっかり覚えておけば、もう完璧です。

明日から、自信を持って使えそうな気がしてきませんか?

さあ、明日からちょっとだけ使ってみよう

新しい言葉を知ると、なんだか自分が少し大人になったような気がして、うれしくなりますよね。

四字熟語と聞くと、「漢字ばかりで難しそうだな」「テストのために暗記しなくちゃいけないのかな」と思ってしまう人もいるかもしれません。

でも、今日一緒に見てきたように、言葉の裏側には、昔の人の面白い生活の様子や、「わかるわかる!」と共感できるような人間の気持ちがたくさん詰まっているんです。

「自分で自分をほめたくなっちゃう」という気持ちは、昔の絵かきさんも、今の私たちも、ぜんぜん変わらないんですね。

そう考えると、何百年も前に作られた言葉が、今の私たちとギュッとつながっているような気がしてきませんか?

自分が一生懸命にがんばったことや、上手にできたことを、たまには自分でほめてあげるのは、とっても大切なことです。

適度な自慢は、自分をもっと好きになるための「魔法の言葉」でもあります。

もし、明日学校で図工の作品がうまくできたり、おうちでお片付けがカンペキにできたりしたら、心の中で、あるいは声に出して、こう言ってみてください。

「今日のわたし、すごくがんばったから、自画自賛しちゃおう!」と。

きっと、なんだか心がポカポカして、もっといろんなことに挑戦したくなるはずですよ。

お父さんやお母さんも、お子さんが嬉しそうにこの言葉を使っていたら、「上手に言葉を使えたね! 本当によくできてるね」と、一緒になってたくさんほめてあげてくださいね。

言葉を通じて、家族の笑顔がもっともっと増えることを願っています。

最後まで一緒に読んでくれて、本当にありがとうございました!