四字熟語

喜怒哀楽(きどあいらく)の意味とは?由来・使い方・例文をわかりやすく解説

友達と遊んで楽しかったり、ゲームに負けて悔しくなったり、大切なものをなくして悲しくなったり。

私たちは毎日の生活の中で、いろいろな気持ちを感じています。

そんな人間のさまざまな感情をまとめて表す四字熟語が、「喜怒哀楽(きどあいらく)」です。

この記事では、喜怒哀楽の意味や読み方、四つの漢字の意味、中国の古典に見られる由来、学校や家庭で使える例文を、小学生にもわかりやすく解説します。

目次+

喜怒哀楽(きどあいらく)の意味とは?

喜怒哀楽とは、喜び・怒り・悲しみ・楽しみという四つの感情のこと。また、人間のさまざまな感情をまとめて表す四字熟語です。

読み方は「きどあいらく」です。

例えば、次のような気持ちがあります。

  • 喜び:運動会で優勝してうれしい。
  • 怒り:大切な約束を破られて腹が立つ。
  • 悲しみ:仲のよい友達と離れることになり、寂しくなる。
  • 楽しみ:家族や友達と遊んで楽しい時間を過ごす。

このような心の動きをまとめて「喜怒哀楽」と表現します。

小学生向けにひと言で説明すると?

喜怒哀楽とは、「うれしい・怒る・悲しい・楽しいなど、人が感じるいろいろな気持ち」のことです。

四つの漢字が使われていますが、人間の感情が四種類しかないという意味ではありません。

驚きや不安、恥ずかしさなども含め、人のさまざまな感情を表す言葉です。

喜怒哀楽の四つの漢字にはどんな意味がある?

喜怒哀楽は、それぞれの漢字が異なる感情を表しています。

喜(き)|うれしい気持ち

「喜」は、喜ぶことです。

例えば、目標にしていたことができたり、会いたかった人に会えたりしたときのうれしい気持ちを表します。

「喜ぶ」「喜び」「歓喜(かんき)」などの言葉にも使われます。

怒(ど)|腹が立つ気持ち

「怒」は、怒ることです。

約束を破られたり、不公平な扱いを受けたりすると、怒りを感じることがあります。

「怒る」「怒り」「激怒(げきど)」などの言葉にも使われます。

哀(あい)|悲しい気持ち

「哀」は、悲しむことです。

友達との別れや、大切にしていたものを失ったときなどの悲しい気持ちを表します。

「哀れ(あわれ)」「哀しみ(かなしみ)」「哀愁(あいしゅう)」などの言葉にも使われます。

楽(らく)|楽しい気持ち

「楽」は、楽しむことです。

好きな遊びに夢中になったり、友達と笑い合ったりするときの楽しさを表します。

「楽しい」「楽しみ」「娯楽(ごらく)」などの言葉にも使われます。

なお、「楽」は「らく」「がく」など、言葉によって読み方が変わる漢字です。

「喜」は喜び、「怒」は怒り、「哀」は悲しみ、「楽」は楽しみ。四つを合わせて人間のさまざまな感情を表します。

「喜」と「楽」の違いは?

「喜び」と「楽しみ」は、どちらも明るい気持ちなので、似ているように感じますね。

一般的には、次のように説明できます。

  • 喜:うれしい出来事があったときなどに感じる喜び。
  • 楽:好きなことをしているときなどに感じる楽しさ。

例えば、運動会で優勝して大喜びするのは「喜」、友達と練習する時間を楽しむのは「楽」と考えられます。

ただし、喜びと楽しみは、はっきり分けられるとは限りません。

友達と遊ぶ時間が楽しくて、同時にうれしいと感じることもあります。

喜怒哀楽の由来は中国の古典『中庸』

「喜怒哀楽」という言葉は、中国の古典『中庸(ちゅうよう)』に見られます。

『中庸』は、人としてのあり方や心の持ち方などを説いた、儒教の重要な古典です。

『中庸』には何と書かれている?

『中庸』第一章には、次の一節があります。

「喜怒哀楽之未発、謂之中」

書き下し文では、「喜怒哀楽の未(いま)だ発せざる、これを中と謂(い)う」と読みます。

これは、喜び・怒り・悲しみ・楽しみといった感情が、まだ表れていない状態を「中」と呼ぶ、という意味です。

続く文章では、感情が表れたときに、それが適切で調和のとれた状態であることを「和」と説明しています。

つまり、『中庸』では、感情があること自体を悪いものとはせず、その表れ方について考えているのです。

このように、古くから人間の感情について深く考えられていたことがわかります。

喜怒哀楽の順番には特別な意味がある?

「喜びから怒り、悲しみを経験し、最後に楽しみにたどり着く」という説明を見かけることがあります。

しかし、『中庸』の記述から、そのような人生の順番を表しているとは確認できません。

そのため、四つの漢字の並びに、特定の人生の物語が込められていると断定することはできません。

喜怒哀楽の使い方と例文

喜怒哀楽は、人の感情や、その感情が表れる様子について説明するときに使います。

「喜怒哀楽が豊か」「喜怒哀楽が激しい」「喜怒哀楽を表に出す」などの使い方が代表的です。

学校生活で使える例文

  • 「運動会では、勝った喜びや負けた悔しさなど、さまざまな喜怒哀楽を味わった。」
  • 「学芸会では、登場人物の喜怒哀楽を表情や声で表現した。」
  • 「国語の授業で、物語の登場人物の喜怒哀楽を読み取った。」
  • 「友達は喜怒哀楽が表情によく出るので、うれしいときにはすぐにわかる。」

家庭や日常生活で使える例文

  • 「弟は喜怒哀楽が豊かで、うれしいときは満面の笑みを見せる。」
  • 「家族写真を見返すと、そのときのみんなの喜怒哀楽が思い出される。」
  • 「この映画には、登場人物の喜怒哀楽が丁寧に描かれている。」
  • 「その俳優は、喜怒哀楽を自然な演技で表現していた。」

親子の会話で覚えてみよう

例文1:学校から帰ったとき

子ども:「今日は友達と遊んで楽しかったけど、最後にけんかして悲しくなったよ。」

お母さん:「楽しいことも悲しいこともあったんだね。喜怒哀楽のある一日だったね。」

例文2:映画を見たあと

お父さん:「今日の映画はどうだった?」

子ども:「主人公が笑ったり怒ったり泣いたりして、いろいろな気持ちが伝わってきたよ。」

お父さん:「登場人物の喜怒哀楽がよく描かれた映画だったんだね。」

「喜怒哀楽が激しい」「豊か」「ない」の違いは?

喜怒哀楽は、ほかの言葉と組み合わせることで、感情の表れ方を説明できます。

喜怒哀楽が激しい

「喜怒哀楽が激しい」とは、感情の変化や表れ方が大きいことです。

例えば、喜んでいた人が、ある出来事をきっかけに強く怒ったり、悲しんだりするような様子を表します。

ただし、この言葉は相手を批判するように聞こえる場合もあります。

感情の表れ方だけで、その人の性格のよし悪しを決めつけないようにしましょう。

喜怒哀楽が豊か

「喜怒哀楽が豊か」とは、さまざまな感情を表情や態度などでよく表すことです。

例えば、楽しい場面では笑い、悲しい場面では涙を流すなど、感情を豊かに表現する様子に使えます。

また、「喜怒哀楽が豊かに描かれた物語」のように、作品の表現を説明するときにも使えます。

喜怒哀楽がない

「喜怒哀楽がない」は、表情や態度に感情があまり表れない様子を指して使われることがあります。

しかし、表情が変わらないからといって、感情そのものがないとは限りません。

自分の気持ちを表に出すのが得意な人もいれば、あまり表情に出さない人もいます。

感じ方や表し方には個人差があることを覚えておきましょう。

喜怒哀楽と一喜一憂の違いは?

喜怒哀楽と似た四字熟語に「一喜一憂(いっきいちゆう)」があります。

どちらも感情に関係する言葉ですが、意味は異なります。

喜怒哀楽|さまざまな感情を表す

喜怒哀楽は、喜び・怒り・悲しみ・楽しみなど、人間のさまざまな感情そのものを表します。

例文:「その物語には、登場人物の喜怒哀楽が細かく描かれている。」

一喜一憂|出来事によって気持ちが揺れ動く

一喜一憂は、状況が変わるたびに喜んだり心配したりして、気持ちが揺れ動くことです。

例文:「試合の途中経過に一喜一憂した。」

つまり、喜怒哀楽は感情の種類をまとめた言葉、一喜一憂は出来事によって喜んだり心配したりする様子を表す言葉です。

喜怒哀楽の類語・似た意味の言葉

感情(かんじょう)

喜び・怒り・悲しみなど、心に生まれるさまざまな気持ちのことです。

「喜怒哀楽」と意味が近い言葉ですが、「感情」はより広く使われる一般的な言葉です。

悲喜こもごも(ひきこもごも)

喜びと悲しみが入り交じることです。

例文:「卒業式では、うれしさと寂しさが入り交じり、悲喜こもごもの気持ちになった。」

喜怒哀楽がさまざまな感情全体を表すのに対し、悲喜こもごもは喜びと悲しみが入り交じることに重点があります。

感情の起伏(かんじょうのきふく)

感情が変化することや、その変化の大きさを表す言葉です。

例文:「試合中は感情の起伏が大きくなった。」

喜怒哀楽の反対語はある?

喜怒哀楽は人間のさまざまな感情を表すため、一般的に決まった反対語はありません。

ただし、感情の表れ方が激しい状態と対照的な表現には、次のようなものがあります。

平静(へいせい)

気持ちが落ち着いていて、動揺しないことです。

泰然自若(たいぜんじじゃく)

何が起きても落ち着いていて、動じない様子を表す四字熟語です。

これらは喜怒哀楽そのものの反対語ではなく、感情の表れ方について対照的な意味を持つ言葉です。

喜怒哀楽を英語で表すと?

喜怒哀楽は、英語で「emotions(感情)」や「human emotions(人間の感情)」などと表現できます。

四つの感情をそれぞれ表すなら、次のような英単語があります。

  • 喜び:joy
  • 怒り:anger
  • 悲しみ:sadness
  • 楽しみ:pleasure、enjoyment

例えば、次の英文です。

Everyone experiences different emotions.

意味:「誰もがさまざまな感情を経験します。」

日本語の「喜怒哀楽」と完全に一対一で対応する英単語があるわけではないため、文脈に合わせて表現します。

喜怒哀楽の意味を3択クイズで確認しよう!

問題:「喜怒哀楽」の意味として、最も適切なのはどれでしょう?

  1. どんなときでも感情を表に出さず、落ち着いていること。
  2. 喜び・怒り・悲しみ・楽しみなど、人間のさまざまな感情のこと。
  3. うれしいことがあっても、すぐに悲しい気持ちになること。
答えと解説を見る

正解は②です!

喜怒哀楽は、喜び・怒り・悲しみ・楽しみなど、人間のさまざまな感情をまとめた言葉です。

①は、感情を表に出さず落ち着いている様子なので違います。

③は、出来事によって気持ちが変化する様子を説明していますが、喜怒哀楽そのものの意味ではありません。

喜怒哀楽についてのよくある質問(FAQ)

Q1. 喜怒哀楽は四つの感情だけを表すの?

いいえ。喜び・怒り・悲しみ・楽しみを挙げて、人間のさまざまな感情を表しています。

Q2. 喜怒哀楽の順番に意味はあるの?

『中庸』にも「喜怒哀楽」の順番で登場します。ただし、喜びから怒り、悲しみを経て楽しみに至るという人生の順番を表している根拠は確認できません。

Q3. 喜怒哀楽が豊かな人とはどんな人?

喜びや怒り、悲しみなどの気持ちを、表情や態度などでよく表す人のことです。

Q4. 喜怒哀楽が顔に出ない人は感情がないの?

いいえ。表情に感情が出にくいだけの場合もあります。心の中でどのように感じているかは、表情だけではわかりません。

Q5. 喜怒哀楽はよい意味の言葉?

喜怒哀楽そのものは、よい意味や悪い意味に限定されません。人間のさまざまな感情を表す言葉です。ただし、「喜怒哀楽が激しい」など、使い方によっては相手への批判として受け取られることもあります。

まとめ|喜怒哀楽とは人間のさまざまな感情を表す言葉

喜怒哀楽の意味と使い方を振り返ってみましょう。

  • 読み方は「きどあいらく」。
  • 意味は、喜び・怒り・悲しみ・楽しみなど、人間のさまざまな感情。
  • 四つの漢字がそれぞれ異なる感情を表している。
  • 中国の古典『中庸』第一章に見られる言葉。
  • 「喜怒哀楽が豊か」「喜怒哀楽が激しい」などの形で使う。
  • 「一喜一憂」は、出来事によって喜んだり心配したりすることを表す別の四字熟語。

喜怒哀楽を覚えるポイントは、「人が感じるさまざまな気持ちを、四つの漢字でまとめて表す」ということです。

うれしい日も、悲しい日も、怒ったり楽しんだりする日もあります。

気持ちの表し方は人それぞれですが、さまざまな感情があることを理解すると、自分や周りの人の気持ちを考えるきっかけにもなります。

物語の登場人物の気持ちを説明したいときや、日常の出来事を振り返るときにも、「喜怒哀楽」という言葉を使ってみてください。

参考資料