四字熟語

我田引水(がでんいんすい)ってどんな意味?

我田引水(がでんいんすい)ってどんな意味?

本を読んだり、テレビを見たりしていると、ふと難しい漢字が四つ並んだ言葉に出会うことってありますよね。

「うわぁ、なんだか難しそう…」と思って、つい読み飛ばしてしまうこともあるかもしれませんね。

でも、ちょっと待ってください!

四字熟語のなかには、昔の人たちの面白い生活の様子や、思わず「へぇ〜!」と声が出てしまうような秘密の物語がたくさん隠されているんですよ。

今日はそのなかから、我田引水(がでんいんすい)という言葉をピックアップしてみたいと思います。

この言葉、もしかしたらパパやママも「聞いたことはあるけれど、うまく子どもに説明できるか自信がないかも…」と思っているかもしれませんね。

安心してくださいね。

この記事では、学校の難しい勉強のようにただ暗記するのではなく、まるでタイムスリップするような気分で、一緒に楽しく言葉の成り立ちを探っていきます。

きっと読み終わるころには、家族みんなで「あ、今のそれってあの言葉だね!」と笑い合えるようになっているはずですよ。

さあ、不思議で面白い言葉の世界へ、一緒に出発しましょう!

自分ばかり得をしようとする考え方のこと

自分ばかり得をしようとする考え方のこと

この四字熟語がどんな意味を持っているのか、まずはズバリ分かりやすくお伝えしますね。

一言でいうと、他人のことを考えず、自分の都合がいいようにばかり物事を考えたり、行動したりすることなんですね。

どうですか?

なんだか、私たちの周りにも似たようなことがありそうですよね。

たとえば、みんなで鬼ごっこをして遊んでいるときに、自分だけが絶対に捕まらないようなズルい特別ルールを作ろうとするお友達はいませんか?

あるいは、おやつを分けるときに「ぼくは今日いっぱい走ったから、一番大きなケーキをもらう権利があるんだ!」なんて、自分にだけ都合のいい言い訳をして独り占めしようとしたり。

そんな風に、まわりの人の気持ちや、みんなで仲良くするための大切なルールを忘れて、自分ばかりが得をしようとする態度のことを表す言葉なんですよ。

「あー、なるほど!わがままとか、自己中心的な考え方のことか!」と気づいた方もいるかもしれませんね。

その通りです。

でも、ただの「わがまま」と少し違う面白いところがあるんです。

それは、ただ「いやだいやだ!」とダダをこねるだけではなくて、もっともらしい理由をくっつけて「だからぼくの考えが正しいんだ!」と無理やり押し通そうとするようなニュアンスが含まれているところなんですね。

これって、大人になってもついついやってしまいがちなことかもしれませんね。

だからこそ、昔の人たちはこの言葉を作って、「自分勝手な理由で周りの人を困らせてはいけないよ」と、みんなに優しく教えてくれていたのかもしれませんね。

なぜ「田んぼ」と「水」なの?言葉のヒミツを探ろう

なぜ「田んぼ」と「水」なの?言葉のヒミツを探ろう

さて、意味はわかりましたが、どうしてこの言葉に「田んぼ」や「水」という漢字が使われているのか、気になりますよね。

ここからは、言葉に隠されたヒミツの物語に迫っていきましょう。

漢字をバラバラにして意味を考えてみよう

実は、漢字を一つずつバラバラにして見ていくと、まるで謎解きパズルのように答えが見えてくるんですよ。

まず「我(が)」という漢字です。

これは「わたし」や「自分の」という意味を持っています。

次に「田(でん)」は、お米を育てる「田んぼ」のことですね。

そして「引水(いんすい)」は、そのまま「お水を引いてくる」という意味になります。

これを全部つなげて読むと、「我が田に水を引く(自分の田んぼに水を引く)」という一つの分かりやすい文章になるんですね。

でも、自分の田んぼに水を引くことの、いったい何がいけないのでしょうか?

それには、昔の日本のお米作りに隠された、とても大事なルールを知る必要があるんですよ。

昔の日本の「お米作り」をのぞいてみよう

四字熟語と聞くと、はるか昔の中国から伝わってきた言葉だと思っている人も多いかもしれませんね。

でも、ここで皆さんにビックリするような秘密をお教えしますね。

実は、この言葉は中国ではなく、お米作りが盛んだった日本で生まれた四字熟語だと言われているんです。

遠い外国の言葉ではなく、とても日本らしい、のどかな田んぼの風景から生まれた言葉だったんですね!

昔の日本の村では、村人たちがみんなで協力して、広い田んぼでお米を育てていました。

美味しいお米をたっぷり育てるために、絶対に欠かせないものがあります。

それが「お水」です。

特に春から夏にかけて、緑色の稲がぐんぐん育つ時期には、田んぼにたっぷりの水が必要になります。

でも、昔は今のように水道の蛇口をひねれば、いつでもジャーッと水が出るわけではありませんよね。

村の近くを流れる大きな川や、山から流れてくる小さな川から、みんなで一生懸命に土を掘って作った水路を通して、順番に大切なお水をもらっていたんです。

もし雨が何日も降らない「日照り」の年だったら、どうなるでしょうか?

水路を流れるお水はちょろちょろと少なくなり、村のみんなが「うちの田んぼの稲が枯れてしまうかもしれない…」とハラハラしてしまいますよね。

夜中にこっそり水路を掘るおじさんのお話

そんな、お水が少なくてみんなが困っているときのお話を、少し頭の中で想像してみましょう。

村には、みんなで決めた大切なルールがありました。

それは「少ないお水は、みんなの田んぼに少しずつ平等に分け合おうね」という約束です。

みんなで少しずつ我慢して、村全体のお米を守ろうとしていたのですね。

ところが、村の中に自分のことしか考えないおじさんがいました。

「みんなで分けるなんて冗談じゃないぞ。うちの田んぼのお米が一番大事に決まっている!」

そう考えたおじさんは、みんながぐっすり寝静まった夜中に、こっそり水路へやってきました。

そして、鍬(くわ)を使って泥をかき分け、水路の流れをせき止めて、自分の田んぼにだけお水がドクドクと流れ込むように勝手に道を変えてしまったのです。

朝になって村人たちが起きてくると、さあ大変です!

他の田んぼはカラカラに乾いてひび割れているのに、そのおじさんの田んぼだけは、お水でタプタプに潤っています。

「なんてことだ!あいつ、自分の田んぼにだけお水を引いて、他の人のことは知らん顔だぞ!」

村人たちは大激怒しました。

「自分だけ助かればいいなんて、ずるすぎるじゃないか!」

この出来事から、みんなの大切なものを自分ひとりで独り占めしようとするずるい行いを、「あいつは我が田に水を引くようなやつだ」と批判するようになったのですね。

みんなで分け合うことの大切さを教えてくれる

このお話を聞いて、みなさんはどう思いましたか?

お水というのは、誰か一人のものではなく、村のみんなが生きていくための大切な「共有のもの」ですよね。

それを一人で勝手に奪ってしまうことは、周りの人をとても悲しませてしまいます。

この言葉はただ「ずるいよ!」と怒っているだけではないような気がします。

「みんなのものは、みんなで仲良く分け合おうね」という、思いやりの心を忘れないでほしいという、昔の人からの温かいメッセージも込められているのかもしれませんね。

田んぼでお米を作ることは減ってしまった現代でも、この「自分さえよければいい」という気持ちは、私たちの心の中にひょっこり顔を出すことがあります。

だからこそ、今でもこの言葉が大切に語り継がれているんですね。

こんなときに出番です!楽しい例文クイズ

それでは、今の私たちの生活のなかで、どんなときにこの言葉が使えるのかを一緒に見ていきましょう。

よくある日常の場面をのぞいてみますね。

学校生活でのエピソード:お掃除の係決め

まずは、小学校でのある日の出来事です。

クラスで、今月のお掃除の係を決める話し合いがありました。

黒板消し、ほうき、ぞうきんがけ、ゴミ捨てなど、いろんな係がありますよね。

本当は、みんなで順番に大変な係を回していくのが公平なルールです。

でも、Aくんは大きな声でこう言いました。

「ぼくはクラスで一番背が高いから、黒板消しの係がぴったりだと思うな!背が低いと上まで届かないでしょ?だからクラスのために、ぼくが黒板消し係をやるべきだよ!」

たしかに、理由はもっともらしく聞こえますね。

でも、実は黒板消し係が一番早く終わって楽だから、Aくんは自分がやりたかっただけなのです。

これを聞いていた先生が、優しく微笑みながら言いました。

「Aくんの言っていることは、少し我田引水かもしれないね。背が届かない子には踏み台もあるし、みんなで協力して順番にやるのがルールだよ。」

自分が楽をしたいという本当の理由を隠して、もっともらしい言い訳をつけて自分の思い通りにしようとする。

まさに、自分の田んぼにだけお水を引き込もうとしている状態ですよね。

おうちでの日常:おやつの時間のきょうだいゲンカ

次は、おうちの中でのお話です。

今日のおやつは、いただきものの美味しくて甘いバウムクーヘンです。

ママが包丁で切り分けようとしたとき、お兄ちゃんが急に立ち上がって真剣な顔で言いました。

「ママ!ぼくは今日、体育で50メートル走を3回も全力で走ったんだよ!それに、算数の難しいテストも頑張ったんだ。だから、妹よりもぼくの方がエネルギーをたくさん使っているから、ぼくの分を一番大きく切るのが正しいと思うな!」

これを聞いた妹はプンプン怒って言い返します。

「ずるい!お兄ちゃん、自分の都合のいいように理由をつけてるだけでしょ?それは我田引水って言うんだよ!おやつはきっちり半分こって決まってるの!」

お兄ちゃんは「うっ…」と言葉に詰まってしまいました。

「ぼくがいかにエネルギーを使ったか」という立派な理由を並べていますが、結局のところは「自分がたくさん食べたい!」という自分の利益だけを考えていますよね。

毎日繰り返されるきょうだいゲンカの中には、こんな風に言葉の勉強になるチャンスがたくさん転がっているのかもしれませんね。

家族の会話:パパとママのテレビ争奪戦

最後は、ちょっと笑えるパパとママの会話を見てみましょう。

休日の夜、リビングのテレビをめぐって静かな戦いが始まろうとしています。

ママは、ずっと楽しみにしていたドラマの最終回をどうしても見たいと思っています。

でも、パパはどうしても生放送のサッカーの試合が見たいようです。

そこでパパは、真面目な顔をしてこんなことを言い出しました。

「ママ、このサッカーの試合はね、ただの遊びで見たいわけじゃないんだよ。チームワークの素晴らしさや、最後まで諦めない強い心を学ぶことができるんだ。これは明日の僕の仕事にも、子どもたちの教育にも絶対に役立つはずだ!だから、今夜はサッカーを見るべきだと思わないかい?」

これにはママもあきれ顔です。

「パパ、そんな大げさなこと言って、ただ自分がサッカーを見たいだけでしょ。仕事にかこつけて我田引水な言い訳をするのはやめてよね。今日は私が絶対にドラマを見る日よ!」

パパも図星を突かれて、思わず苦笑いしてしまいました。

大人は、子どものように「見たい見たい!」とダダをこねる代わりに、少し難しい言葉を使って一生懸命に自分を正当化しようとすることがありますよね。

これも、周りのこと(ママのドラマが見たい気持ち)を無視して、自分の都合(サッカーを見たい)を優先させようとしている立派な例だと言えますね。

似ている言葉も知っておくと便利かも?

ここまで読んで、言葉の意味や使い方がだんだんわかってきたのではないでしょうか?

「自分勝手」や「自己中心(じこちゅうしん)的」「わがまま」といった言葉と、とてもよく似ていますよね。

でも、ただわがままを言うだけじゃなくて、パパやお兄ちゃんのように「強引な理屈をくっつける」ところが一番のポイントなんですね。

こういう風に、無理やり理由をくっつけることを「こじつけ」と呼んだりもします。

似ている言葉の少しの違いを知っておくと、自分の気持ちや周りの状況を説明するのがとっても上手になりますよ。

言葉の引き出しが増えると、毎日のおしゃべりがもっと楽しくなりそうですよね。

おさらい!今日からあなたも言葉の達人

さあ、不思議な四字熟語の世界の探検、いかがだったでしょうか?

ここまでのお話を、最後に少しだけ整理してみましょう。

自分が得をするために、他の人のことを考えずに無理な理由をつけて自分に都合よく振る舞うこと。

これが、今回の言葉が教えてくれる一番大切な意味でしたね。

昔の村人が、お水というみんなの大切な宝物を独り占めしようとしたずるい行動から生まれた、とても日本らしい歴史を持つ言葉でした。

お米作りという昔の日本の生活から、こんなに面白い教訓が生まれていたなんて、なんだか感動してしまいますよね。

私たちが生きている今の世界でも、お水と同じように、みんなで分け合わなければいけない「時間」や「場所」や「チャンス」がたくさんあります。

そんなときに、自分だけの田んぼにお水を引くようなずるいことはしていないかな?と、時々立ち止まって考えてみることが大切ですね。

周りのお友達や家族を思いやる気持ち、みんなの田んぼにもちゃんとお水が届いているかな?と心配できる優しい心を、ずっと大切にしていきたいものです。

今日から皆さんは、この面白い四字熟語の意味と秘密を知っている「言葉の達人」です!

きっと明日から、学校の教室や家族の会話の中で、「あっ、今のそれってあのおじさんが田んぼにお水を引いてるのと同じだ!」と気づく瞬間があるはずですよ。

そんなときは、ぜひ勇気を出して「ちょっと、それって都合が良すぎるよ〜」と、笑顔でツッコミを入れてみてくださいね。

難しいと思っていた言葉も、こうやって物語と一緒に覚えると、ちっとも難しくありませんよね。

言葉を知ることは、周りの人ともっと仲良くなったり、自分の気持ちを上手に伝えたりするための魔法の杖みたいなものです。

これからも、親子で一緒にいろんな言葉の魔法を楽しく探していきましょう!

明日の会話で、この言葉がどんな風に飛び出すか、今からとっても楽しみですね。