
テレビを見ているとき、あるいは街を歩いているとき。「このイベントは、老若男女(ろうにゃくなんにょ)にお楽しみいただけます」なんていうポスターを見かけたことはありませんか。
ニュース番組のアナウンサーさんが「老若男女を問わず、たくさんの人が訪れています」と流暢にお話ししているのを聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
この四字熟語、ひらがなで書くと「ろうにゃくなんにょ」となります。
なんだか早口言葉のようで、三回続けて言おうとすると、舌を噛んでしまいそうになりますよね。
「ろうにゃくなんにょ、ろうにゃくなんにょ、ろうにゃくなんにょ…ああっ、言えない」と、おうちでチャレンジして笑い合った経験がある人もいるかもしれませんね。
漢字をよく見てみると、「老い」「若い」「男」「女」という、とても馴染みのある四つの文字が並んでいます。
それぞれの漢字の意味はすぐにわかるのに、いざ声に出して読もうとすると、なぜか急に難しく感じてしまう、とても不思議な言葉ですよね。
「どうしてこんなに読みにくいのかな?」
「おじいちゃんやおばあちゃん、若い人たちだけのことを指すのかな。赤ちゃんは仲間外れなの?」
そんなふうに、疑問が次々と湧いてくるかもしれませんね。
これって気になりますよね。実は多くの人が同じように感じているんですね。
大人の人でさえ、正しい読み方や本当の意味を少し勘違いしていることがあるくらい、奥が深い言葉なのです。
今回は、この言葉について、本当はどんな人たちのことを指しているのか、そしてどうしてこんな不思議な読み方をするのかを、たっぷりと解説していきます。
小学生の皆さんにも分かりやすく、そしておうちの人も一緒に「へぇ〜」と驚いていただけるような楽しいお話をたくさん用意しました。
言葉の謎を解き明かす冒険の旅に、私たちも一緒に出発してみましょう。
きっと、日本語のことがもっともっと好きになるはずですよ。
老若男女は「赤ちゃんからお年寄りまで、すべての人」のこと

この言葉は、一言でいうと「年齢や性別に関係なく、世の中のあらゆる人すべて」という意味なんですね。
まずは、この四つの漢字が持っている意味を、一つ一つパズルを解くように丁寧に見ていきましょう。
最初の「老」という漢字は、おじいちゃんやおばあちゃんのような、お年寄りの方を表しています。
長い人生を歩んできた、経験豊かな方々のことですね。
次に「若」という漢字は、若い人たちのことを表しています。
中学生や高校生、大学生、そして元気いっぱいに働く若い大人の方々などですね。
三つ目の「男」は男の人を表し、四つ目の「女」は女の人を表しています。
これらを全部くっつけてみると、「お年寄りも、若い人も、男の人も、女の人も」という意味になりますよね。
でも、ここで鋭い小学生の皆さんなら、一つの疑問に気がつくかもしれません。
「あれ。お年寄りと若い人、男の人と女の人はいるけれど、僕たちみたいな子どもや、生まれたばかりの赤ちゃんはどうなるの。仲間外れなのかな」と。
そんなふうに不思議に思うのは、とっても素晴らしい気づきですよね。
でも、安心してくださいね。
この言葉には、漢字には直接書かれていなくても、子どもや未成年を含めた、あらゆる年齢の人という意味がしっかりと包み込まれているんですね。
実は、この言葉には年齢制限の上限も下限もないという無限の広がりを持つ事実があるのです。
「0歳の小さな赤ちゃんから、100歳を超えるような長寿のお年寄りまで、そして男の人も女の人も、どちらでもない人も、誰も彼も全員」という、とても広くて大きな意味を持っているのですね。
まるで、大きな風呂敷で世の中のすべての人を優しく包み込んでしまうような、とても温かい言葉なんですね。
だからこそ、テレビのコマーシャルやお店の宣伝などでよく使われるのです。
「この新しいテーマパークは、老若男女が楽しめる場所です」と言えば、「ああ、おじいちゃんもおばあちゃんも、お父さんもお母さんも、そして僕たち子どもも、みーんな一緒に遊びに行けるんだな」ということが、一言でパッと伝わりますよね。
みんなにおいでよ、みんなで楽しもうよ、と呼びかけるときの、とても素敵な魔法の言葉なのかもしれませんね。
なぜこんなに読みにくいの?漢字の読み方に隠された秘密

意味はとても分かりやすくて優しい言葉なのに、どうしてこんなにも読みにくい発音になったのでしょうか。
「もっと言いやすい読み方にすればよかったのに」と思う人もいるかもしれませんね。
実は、ここには日本の言葉が歩んできた歴史の秘密が深く関わっているんですね。
私たちが普段使っている漢字の読み方には、時代ごとに少しずつ変化してきたドラマがあるんです。
タイムマシンに乗って、1000年以上も前の時代へ少しだけお出かけしてみましょう。
そこには、きっと皆さんが驚くような発見が待っているはずですよ。
中国から伝わった「呉音」という古い読み方ルール
私たちが普段、国語の授業で習ったり、本を読んだりするときに使っている漢字は、もともと海を渡って中国から日本に伝わってきたものですよね。
でも、漢字が日本にやってきた時代や、中国のどの地方から伝わってきたかによって、同じ漢字でも読み方が変わってしまうという、不思議なルールがあるんです。
漢字の音読みには、大きく分けて「呉音(ごおん)」という古い読み方と、「漢音(かんおん)」という少し後に伝わった読み方などがあるんですね。
この四字熟語は、仏教が日本に伝わってきた、とても古い時代の「呉音」という読み方ルールを使っているんですね。
実はこれ、聖徳太子の時代からの古い言葉の仲間だと言われているくらい、歴史のあるものなんです。
お寺のお坊さんたちが、お経を読んだり、仏様の大切な教えを人々に広めたりするときに、「みんなが救われますように」という願いを込めて使っていた言葉なんですね。
この「呉音」のルールに従うと、「若」という漢字は「にゃく」と読みます。
コンニャクの「にゃく」と同じ響きですよね。
そして「男」は「なん」、「女」は「にょ」と読みます。
これらを順番に並べると、見事に「ろう・にゃく・なん・にょ」となるわけです。
仏教の教えと一緒に大切に受け継がれてきた歴史があるからこそ、今でもこの特別な読み方が残っているんですね。
大人も間違えやすい?「ろうじゃくだんじょ」はNGなの?
では、もし私たちが普段よく使っている新しいほうのルール、「漢音」でこの四字熟語を読んでみたら、どうなるでしょうか。
一緒に考えてみましょう。
「若」は、若い人という意味の「若年」という言葉があるように、「じゃく」と読みますよね。
「男」は「男性」の「だん」です。
「女」は「女性」の「じょ」ですね。
これらを繋げてみると、「ろうじゃくだんじょ」という読み方になります。
実は、大人の人でもこのようについ読んでしまう人がとても多いんですね。
正しい読み方は早口言葉みたいで言いにくいけれど、「ろうじゃくだんじょ」ならスラスラと言えるから、ついこちらで覚えてしまうのかもしれませんね。
もしかしたら、「ろうにゃくだんじょ」と、半分だけ間違えて混ざってしまうこともあるかもしれません。
しかし、これは辞書でもはっきりと「誤読」とされている事実があるのです。
正しくは、最初から最後までお坊さんたちが使っていた呉音でそろえて、「ろうにゃくなんにょ」と読むのが正解なんですね。
「言いにくいから変えちゃおう」というのは通用しないんです。
言葉には、それぞれ大切に守られてきたルールがあるんですね。
もし、テレビを見ているときにおうちの人が間違えて読んでいたら、「お父さん、それは仏教から来た言葉だから、呉音で読むのが正解なんだよ」と優しく教えてあげてください。
きっと「えっ、そうだったの。すごいね」と驚いて、褒めてくれるかもしれませんね。
学校やおうちで使ってみよう!楽しい使い方と例文
言葉の意味と、どうしてこんな読み方をするのかという秘密がわかったところで、次は実際にどんなふうに使うのかを見ていきましょう。
この四字熟語は、少し長くて難しい印象があるかもしれませんが、普段の生活の中でさりげなく使うと、とても大人っぽくて知的な表現になりますよ。
それに、実は日常生活のあらゆる場面で使える万能な言葉でもあるんです。
小学生の皆さんの身近な生活の場面に合わせて、いくつか楽しい例文を考えてみました。
どれもワクワクするような場面ばかりなので、「自分ならいつ老若男女を使うかな」と想像しながら読んでみてくださいね。
活気あふれる学校生活でのシチュエーション
学校には、1年生から6年生までのたくさんのお友達がいて、若い先生からベテランの先生、給食を作ってくれる調理員さんや、見守りをしてくれる地域の方々まで、本当にたくさんの人がいますよね。
そんな学校の大きな行事や毎日の生活の中で、この言葉は大活躍します。
・大盛り上がりの運動会での放送係
「今年の全校リレーは、1年生から6年生までの代表選手はもちろん、なんと先生たちや応援に来てくれた保護者の方も参加します。まさに老若男女が入り乱れての大熱戦、みなさん応援よろしくお願いします」
このように放送係の人がアナウンスしたらどうでしょうか。
小さな子どもから大人の人まで、みんなが一生懸命にバトンを繋いで走っている様子から、学校生活全体を包み込むような一体感が目に浮かぶように伝わってきますよね。
・図書室での図書委員のおすすめ本コーナー
「今月のおすすめのこの絵本は、絵が可愛いだけじゃなく、お話がとても深いんです。小さな子はもちろん、大人の先生たちが読んでもホロリと感動できる、老若男女を問わずおすすめできる素晴らしい一冊です」
ここで出てきた「問わず」というのは、「関係なく」という意味を持つ「問わず」という言葉です。
セットで使われる一番定番の決まり文句なので、そのまま丸ごと覚えておくと、作文を書くときなどにとっても役立つかもしれませんね。
リラックスしたおうちでの日常シチュエーション
学校からおうちに帰ってからのホッと一息つく時間でも、家族みんなの様子を表すのに使うことができますよ。
家族団らんの時間を思い浮かべてみてくださいね。
・家族みんなでテレビ番組を見ながら
「この日曜日の夕方のアニメって、お父さんもお母さんもクスッと笑えるし、お兄ちゃんも妹も夢中になって見ているよね。本当に老若男女に人気がある、すごい番組なんだね」
家族全員がテレビの前に集まって、同じ画面を見て一緒に笑い合えるのは、とても素敵な時間ですよね。
そんなふうに、世代を超えてみんなの心をギュッと掴んで離さない魅力があるということなんですね。
・お正月やお盆の親戚とのゲーム大会
「この新しく買ったボードゲーム、ルールがとっても簡単でわかりやすいね。これなら、おじいちゃんやおばあちゃん、いとこたちまで、みんなで集まるお正月にはもってこいの遊びだよ」
このように、一つの遊びを通じて家族全員が笑顔になるという素敵な事実を表現するのにもぴったりですよね。
休日のお出かけ・家族旅行のシチュエーション
週末のお出かけや、デパートでのお買い物、長期休みの家族旅行のときなど、家の外に出るとさらにたくさんの人たちとすれ違いますよね。
そんな広い世界の風景を描写するときにも、この言葉は輝きます。
・大人気の遊園地やテーマパークにて
「見て見て。あの新しいアトラクションの列、本当にいろんな人が並んでいるよ。ベビーカーの赤ちゃん連れの家族もいれば、お友達同士の高校生、それに仲良しのおじいちゃんおばあちゃんもいるね。老若男女がここのオープンを心待ちにしていたんだね」
遊園地には、本当にたくさんの人がそれぞれの笑顔を浮かべて歩いていますよね。
みんなが思い思いに楽しんでいる、平和でキラキラした風景を描くのに最適な言葉です。
・大切な人へのプレゼント選びのときに
「お世話になったご近所さんにプレゼントを渡したいんだけど、このタオルなんてどうだろう。肌触りがすごくフワフワで、色も落ち着いたシンプルでおしゃれなデザインだから、誰にあげても喜ばれると思うよ」
この言葉を思い出すと、誰にプレゼントしても間違いなく喜ばれるという安心感を持つことができて、自信を持って選ぶことができるかもしれませんね。
似ている言葉や英語での言い方も知っておこう
意味や歴史、そして楽しい使い方まで、本当にたくさんのことを知ることができましたね。
もう皆さんは、この言葉のマスターと言ってもいいくらいです。
ここで、少しだけおまけの知識をご紹介しますね。
言葉の仲間を知ることで広がる世界があるんですよ。
似ている言葉や、世界での言われ方を知ることで、皆さんの言葉の世界がさらに大きく広がるかもしれませんね。
「すべての人」という考え方は、日本だけでなく世界共通の考え方だということも見えてきますよ。
一緒に、言葉の引き出しを増やして、老若男女のマスターになりましょう。
意味がそっくりな他の四字熟語
日本語には、よく似た意味を持つ親戚のような言葉がいくつかあるんですね。
一つ目は「男女老幼(だんじょろうよう)」という言葉です。
「幼」というのは、幼稚園の幼という字で、幼い子どもという意味ですね。
これは「老若男女」とほとんど同じで、男も女も、お年寄りも子どももすべての人、という意味なんです。
少し変わった読み方がない分、こちらのほうが素直に読みやすいかもしれませんね。
二つ目は「老若貴賤(ろうにゃくきせん)」という言葉です。
「貴賤」というのは、少し難しい漢字ですが、昔の言葉で「身分が高い人と、身分が低い人」という意味なんですね。
つまり、「年齢や、身分の高い低いに関係なく、すべての人」という意味になります。
昔の日本には、お殿様のように身分が高い人と、そうでない人がはっきり分かれていた時代がありました。
だからこそ、このような言葉が生まれたのですね。
言葉の成り立ちから、その言葉が使われていた時代の歴史的背景が反映されているということがわかって、歴史の勉強にも繋がりますよね。
一方で、私たちが今回学んだ言葉は、身分や立場の違いではなく、純粋に性別や年齢の幅広さに注目しているところが、少し違うポイントなんですね。
英語ではどうやって表現するの?
もし皆さんが、外国のお友達とお話しする機会があったとき、この「みんなだよ」という気持ちを英語で伝えたいときはどうすればいいでしょうか。
英語には、日本の四字熟語のように「四つの漢字でピッタリ」という決まった一つの短い単語はないのですが、いくつかの言葉を組み合わせて上手に表現するんですね。
一番よく使われるのは、men and women of all ages (メン・アンド・ウィメン・オブ・オール・エイジズ)という言い方です。
「men and women」は男の人と女の人ですよね。
そして「of all ages」は、すべての年齢の男女という意味になります。
直訳すると「すべての年齢の男女」となり、実は英語圏でも全く同じ意味の構成になっている驚きの事実があるのです。
これなら、海外のお友達に「この日本のアニメ映画は、みんなが楽しめる素晴らしい作品なんだよ」と胸を張って伝えることができそうですよね。
言葉は違っても、伝えたい心は世界共通なのだと思うと、なんだか嬉しくなりますね。
少し面白いカジュアルな言い換え表現
最後に、少しくだけた、面白い言い回しも一つ紹介しますね。
みなさんは「猫も杓子も(ねこもしゃくしも)」という言葉を聞いたことがありますか。
「えっ、猫。杓子(ごはんをよそうしゃもじのようなもの)」と驚くかもしれませんが、これも「誰も彼もみんな、一つ残らず」という意味で使われる言葉なんですね。
「明日はお祭りだから、町内の人は猫も杓子も出かけていくよ」というふうに使います。
でも、こちらは少し冗談っぽく言ったり、親しい人同士でワイワイ話すときに使うことが多い言葉なんです。
ですから、学校の先生や目上の人にお手紙を書くとき、あるいは全校生徒の前で真面目なスピーチをするときなどは、「老若男女」を使うほうが、礼儀正しくて丁寧でふさわしいとされているんです。
これは、使う相手や場所によって言葉を着替えるという大切なマナーなんですね。
同じ「みんな」という意味でも、洋服を着替えるように、使う相手や場所によって言葉を着替えることができると、とても素敵ですよね。
さあ、明日からあなたも言葉の達人です!
ここまで長い旅にお付き合いいただいて、一緒に考えてくださって、本当にありがとうございます。
最初は何気なく見ていたこの四字熟語が、ただの難しい漢字の並びではなくて、とても温かくて、世の中のすべての人を優しく包み込むような素敵な言葉だと感じてもらえたなら、これ以上うれしいことはありません。
昔のお寺のお坊さんたちが、人々の幸せを願って使っていた古い「呉音」という読み方。
それが、いま私たちが生きている現代のテレビのコマーシャルや、スーパーのポスターの中にもしっかり息づいているなんて、1000年以上も前の人々の願いが現代に生きているという感動の事実ですよね。
日本語って、知れば知るほど面白くて、奥が深いと思いませんか。
もし明日、学校に行く途中のポスターや、おうちで見るテレビ番組、あるいは読んでいる本の中で老若男女を見つけたら、ぜひ立ち止まって「あっ」と指を差してみてください。
そして、「あ、これは仏教の言葉から来ていて、呉音で読むんだよ。お年寄りも赤ちゃんも、みんなのことなんだよ」と、お友達や家族に得意げにお話ししてみてくださいね。
人に教えることで、皆さんの知識はもっと確かなものになりますよ。
そして、自分が何かを紹介してお話しするときや、国語の授業で作文を書くときにも、恐れずにぜひ使ってみてください。
「この遊びは年齢や性別を問わず、みんなで楽しめるから一緒にやろうよ」なんて自然に言えたら、周りのお友達も先生も「かっこいい。よく知っているね」ときっと感心してくれるはずですよ。
言葉は、使えば使うほど皆さんの味方になってくれます。
言葉の魔法をたくさん使って、周りのみんなが笑顔になれるような、素敵な毎日を過ごしていきましょうね。
私たちも、皆さんが言葉の達人になるのを応援しています。