
皆さんは、学校の授業中やおうちでの生活の中で、「どうしてあの子はあんなに上手にできるのに、私はうまくできないんだろう?」と、しょんぼりと落ち込んでしまったことはありませんか?
もしかしたら、あなたのお子さんも、お友達と自分を比べてしまって、苦手なことにぶつかって悩んでいることがあるかもしれませんね。
私たち大人も、子どもの頃は同じように悩んだり、ため息をついたりした経験がきっとあるのではないでしょうか。
でも、どうか安心してくださいね。
実は、みんなが同じことを、同じように完璧にできる必要なんて、まったくないんですね。
一人ひとり、お顔の形や声の高さが違うように、得意なことや好きなこと、そして苦手なことが全然違うのが当たり前なんですよ。
そんな時に思い出してほしい、とっても優しくて素敵な言葉があるんです。
それが、今日一緒に見ていく適材適所(てきざいてきしょ)という四字熟語です。
なんだか漢字が四つも並んでいて、少し難しそうに見えるかもしれませんね。
でも、その中身を知ると、みんなの心をホッと軽くしてくれて、明日からもっと元気に過ごせるようになる魔法のような言葉なんですよ。
今日は、この言葉がどんな意味を持っているのか、そして遠い昔のどんなお話からやってきたのかを、一緒に楽しく探検してみませんか?
きっと、読み終わる頃には、明日から学校のお友達や家族に教えてあげたくなりますよ。
その人の得意なことにぴったりの役割をまかせること

さて、さっそくこの言葉の正体を見ていきましょう。
「適材適所」という言葉には、いったいどんな意味が隠されているのでしょうか。
それは、人それぞれが持っている得意なことや、持ち味を一番生かせる場所を見つけて、その役割をまかせることという意味があるんですね。
言葉の意味をイメージするために、まずはジグソーパズルのピースを想像してみてください。
丸い形をしたピース、カクカクととがったピース、ギザギザのピースなど、本当にいろんな形がありますよね。
丸い形のピースを、四角い穴に無理やり押し込もうとしても、絶対に入りませんよね。
それと同じで、私たち人間にも、一人ひとりに「ぴったりとはまる大好きな場所」があるんです。
もう少しわかりやすく、動物の仲間たちで考えてみましょうか。
お空を飛ぶのが大好きな小鳥さんがいたとします。
そして、海の中をスイスイ泳ぐのが大得意なお魚さんがいたとします。
もし、小鳥さんに「海の中を泳いでみて!」とお願いしたり、お魚さんに「空を飛んでみて!」とお願いしたりしたら、どうなってしまうでしょうか?
きっと、二人とも「そんなの無理だよ〜!」と泣き出してしまうかもしれませんね。
でも、小鳥さんには大空というぴったりの場所があり、お魚さんには広い海というぴったりの場所があります。
人間もそれとまったく同じなんですよ。
絵を描くのが大好きな子が、走るのが早い子と競争して負けてしまっても、それはパズルの形が違うだけのことなんですね。
絵を描くのが好きな子は、大きな画用紙の前に座った時に、誰よりもキラキラと輝くことができます。
それが、その子にとっての「ぴったりの場所」というわけです。
だからこそ、みんなが同じことを完璧にできなくてもいいということを、忘れないでくださいね。
誰かの苦手なことは、もしかしたら他の誰かの得意なことかもしれません。
そうやって、みんなでデコボコを補い合いながら、一番力が発揮できる場所で頑張るのが、適材適所の考え方なんですよ。
これって、とっても優しくて安心できる考え方だと思いませんか?
私たちも、この言葉を知っているだけで、少し心が軽くなりますよね。
昔の人が家を建てるときの「木の使い方」がはじまり

では、この素敵な言葉は、いったいどこで生まれたのでしょうか?
なんだか気になりますよね。
実は、もともとは人間のことをお話しした言葉ではなかったんです。
言葉の中に「材」という漢字が使われていることからも分かるように、昔の人がお家や立派な建物を建てるときの「木材(もくざい)」のお話から始まっているんですね。
約2000年以上も前の中国の古い本にも、この考え方のルーツとなるお話が書かれているそうなんですよ。
そんなに遠い遠い昔の人たちも、今の私たちと同じようなことを考えて悩んだり工夫したりしていたなんて、なんだか不思議でワクワクしてきませんか?
この言葉は、性質がちがう木材を、それぞれに一番合う場所に使うことから生まれました。
大昔から、大工さんたちは山に入って木を切り、それを組み合わせて家を建ててきました。
その大工さんたちのすごい知恵が、四字熟語になって現代の私たちに伝わっているなんて、とってもロマンチックですよね。
ここからは、その大工さんたちの知恵について、もう少しだけ詳しく見ていきましょう。
木にもそれぞれ「得意なこと」がある
皆さんは、森や山に生えている木をじっくりと見たことがありますか?
どっしりと太い木、ひょろっと細い木、見上げるほど高い木、くねくねと曲がっている木。
本当にいろんな姿の木がありますよね。
家を建てる大工さんたちは、この木を見た瞬間に、「あ、この木はここに使おう!」とすぐにひらめくのだそうです。
なぜなら、木の種類によって得意なことと苦手なことがはっきり分かれているからなんですね。
例えば、雨が降って濡れても平気な「水に強い木」があったり、重い屋根をしっかりと支え続ける「力持ちの木」があったりします。
大工さんたちは、お風呂場や台所のような、毎日お水がたくさん使われる場所には、水に強くて腐りにくいヒノキなどの木を使います。
お水に強い木なら、何年経っても丈夫なままお家を守ってくれますからね。
逆に、家の中心になって重い屋根をずっと支え続ける大切な柱には、どっしりとして強くて曲がりにくいマツのような木を使うんですね。
そして、お部屋の壁や天井のような、美しくてまっすぐな板が必要な場所には、スギのような真っ直ぐに育つ木を使います。
このように、家を建てるならどんな木でもいい、というわけではないんですね。
もし間違えて、水に弱い木をお風呂場に使ってしまったり、細くて力がない木を大きな柱に使ってしまったりしたら、どうなるでしょうか。
せっかく建てた素敵なお家が、すぐに傷んでしまったり、グラグラと揺れて壊れてしまったりするかもしれません。
木の持っている「いいところ」をしっかりと見極めて、一番活躍できる場所に置いてあげる。
これが、昔から受け継がれてきた大工さんたちのすごい技なんですよ。
私たちも、お家の中でいろんな木が力を合わせていることを想像すると、なんだかお家全体が温かく感じられますよね。
大工さんの知恵から、人間のお話に変わっていった
さて、この木の性質を見ぬいて一番いい場所に配置する大工さんの技術が、どうして人間のお話に変わっていったのでしょうか?
それは、昔の王様や偉い人たちが、「大工さんが木をうまく使うように、人間もうまく力を発揮できる場所があるはずだ!」と気がついたからなんです。
国をまとめたり、大きなお城を造るような大きなお仕事をしたりする時に、誰にどんなお願いをするかって、とっても大切なことですよね。
もし、計算がとっても得意で本を読むのが大好きな人に、重い石を運ぶ力仕事をお願いしたらどうなるでしょうか。
もしかしたら、すぐに疲れてしまって、うまくできないかもしれません。
逆に、力持ちで元気いっぱい、体を動かすのが大好きな人に、一日中お部屋に座って計算ばかりお願いしたらどうでしょう。
きっと、退屈してしまって、その人の本当の力が発揮できないかもしれませんね。
そこで、昔のリーダーたちは、大工さんが木の性質をじっくり見るのと同じように、人間の性格や才能を見ぬいて、ぴったりの役割をまかせるということを始めました。
「あなたは計算が得意だから、お金の計算をお願いしますね!」
「あなたは力持ちだから、お城の壁を作るリーダーになってください!」
このように、一人ひとりの「得意なこと」を見つけて、それを一番生かせるお仕事をしてもらうことで、みんなが笑顔で元気に働けるようになったんです。
こうして、木のお話から人間のお話へと意味が少しずつ広がっていき、今の適材適所という言葉として、私たちの生活に溶け込んでいったんですね。
モノの扱い方から、人への思いやりへと変わっていくなんて、言葉の歴史って本当に面白くて素敵だと思いませんか?
日常生活の中で使ってみよう!楽しい使い方と例文
ここまで、言葉の意味や成り立ちを一緒に見てきました。
大工さんの知恵や、昔の王様のお話が出てきて、少しワクワクしましたよね。
ここからは、もっと私たちの身近な場所で、この言葉がどんな風に隠れているのかを探してみましょう。
実は、適材適所という言葉は、大人の難しい世界だけのものではありません。
皆さんが毎日過ごしている学校の教室や、温かいおうちの中にも、たくさん隠れているんですよ。
毎日の生活の中で、みんなが笑顔になれる魔法の言葉として、ぜひ覚えて使ってみてくださいね。
苦手なことを無理してやるよりも、得意なことを持ち寄ることで、どんな楽しいことが起こるのか。
さっそく、皆さんの生活によくある3つの場面に分けて見ていきましょう。
きっと、「あ、これって私のことだ!」「この間の出来事と同じだ!」と思う場面が見つかるかもしれませんね。
学校生活編:みんなの得意を生かした係決め
学校では、新しい学期が始まると、クラスのみんなで「係決め」をしますよね。
黒板をピカピカにする係、メダカやウサギの面倒を見る生き物係、図書室の本を整理する係など、いろんなお仕事があります。
この係決めの時間こそが、まさに適材適所を体験する大チャンスなんですよ!
クラスのみんなが自分の得意なことを生かして活躍できるように、話し合って決める時間がとっても大切なんですね。
例えば、おしゃべりが大好きで、いつもみんなを笑わせるのが得意なAくんがいたとします。
そして、絵を描くのがとっても上手で、一人で静かにコツコツ作業するのが大好きなBさんがいたとしますね。
もし、元気なAくんに「静かにポスターの絵を描く係」をお願いして、恥ずかしがり屋のBさんに「みんなの前で大きな声で司会をする係」をお願いしたら、どうなってしまうでしょうか?
きっと、二人とも「ちょっと苦手だなあ」「うまくできるかな…」と困ってしまうかもしれませんね。
絵を描くのが得意な人と、みんなの前で話すのが得意な人はちがうのは、当たり前のことです。
そこで、「Aくんは声が大きいから司会係ね!」「Bさんは絵が上手だからポスター係をお願い!」と決めてみましょう。
すると、二人とも自分の得意なことができるから、とっても楽しそうに、しかも素晴らしい結果を出してくれますよね。
運動会でも同じです。
足が速い人はリレーの選手に、声が大きい人は応援団長に、絵が上手な人はクラスの旗を描く係に。
みんなの力が合わさることで、最高の運動会になりますよね。
こんな時に、「みんなの得意なことが集まって、これってまさに適材適所だね!」と言ってみてはいかがでしょうか。
お友達も「すごい言葉を知ってるね!」とびっくりして、喜んでくれるかもしれませんよ。
おうちでの日常編:家族の役割分担
学校だけでなく、皆さんが毎日過ごしているおうちの中にも、この言葉がぴったりな場面がたくさんありますよ。
家族みんなが一緒に楽しく暮らすためには、おうちの中でやらなければいけないいろんな家事がありますよね。
お料理、お洗濯、お風呂掃除、お部屋の片付け、ペットのごはんのお世話などなど。
これらを、お母さんやお父さん一人だけで全部やろうとすると、とっても大変で疲れてしまいますよね。
そこで、家族みんなが少しずつ自分の得意なことを持ち寄って助け合うことが、とっても大切になってきます。
実は、お母さんもお父さんも、実は苦手な家事があるということを知っていましたか?
お母さんは、冷蔵庫の残り物であっという間に美味しいご飯を作るお料理の魔法使いだけれど、壊れたおもちゃや機械の修理はちょっと苦手かもしれません。
お父さんは、お風呂をキュッキュッと音が出るくらいピカピカに磨くのは大得意だけれど、お料理はあまり作ったことがなくて苦手かもしれませんね。
そして皆さんは、お庭のお花に優しくお水をあげたり、犬のポチのお散歩に行ったりするのが、おうちの中で誰よりも上手かもしれません。
「お母さんが美味しいハンバーグを作ってくれている間に、僕がお風呂掃除をピカピカにしておくよ!」
「私は犬のポチと一緒に遊んで、ご機嫌にしておくね!」
こんな風に、みんなが自分の得意なことや、できることを分担してやることで、おうちの中の用事はもっとスムーズに終わります。
そして何より、みんなの顔が笑顔でいっぱいになりますよね。
夜ご飯を食べながら、「我が家の家事の分担は、完璧な適材適所だね!」なんて、家族みんなで笑い合えたら、とっても温かくて素敵な時間が過ごせそうですね。
家族との会話編:休日のピクニックの準備
お休みの日に、家族みんなで少し遠くの大きな公園へピクニックに行くことになりました。
ピクニックに行く当日の朝って、お弁当を作ったり、レジャーシートを用意したり、持っていくおもちゃを選んだりと、やることがたくさんあって大忙しですよね。
「あれはどこ?」「早く着替えて!」なんて、バタバタしてしまうことも多いかもしれません。
こんな時こそ、みんなの力を合わせる大チャンスです!
お父さんが「よーし、みんなで手分けして準備をしよう!どうやったら一番早く出発できるかな?」と聞いたとします。
ここで皆さんが、それぞれが一番力を発揮できる役割を分担することを提案してみましょう。
「お母さんはお弁当作りが一番上手だから、美味しいサンドイッチをお願い!お父さんは力持ちだから、重い水筒と大きなテントを車に運んでね。私は、みんなで遊ぶフリスビーとボールを忘れずにバッグに詰める係をやるよ!」
このように、それぞれの得意なことに合わせて役割を決めることで、準備の時間をいつもの半分に短縮できるかもしれませんよね。
みんながもたもたせずに、自分の得意なことをパパッとこなしていくことで、あっという間に出発の準備が完了します。
「みんなの得意なことを合わせたから、あっという間に準備が終わったね!まさに適材適所のお手本だね!」と、車の中でお父さんやお母さんに言ってみてください。
きっと、「そんな大人みたいな難しい言葉、どこで覚えたの?」と驚かれるかもしれませんね。
と同時に、「みんなのことをよく見ているんだね」と、皆さんのことをとっても頼もしく思ってくれるはずですよ。
みんなの力が合わさって始まった楽しいピクニックが、もっともっとワクワクする最高のイベントになりそうですね。
今日のまとめ:みんなちがって、みんないい
さて、今日はちょっと不思議で、でもとっても優しい四字熟語のお話を一緒に見てきましたが、いかがでしたか?
最初は見慣れない漢字ばかり並んでいて難しそうに見えたかもしれませんが、中身を知ってみると、とっても身近で温かい言葉だということがわかっていただけたのではないでしょうか。
最後に、もう一度だけおさらいをしてみましょう。
この言葉は、誰もが必ず、自分らしく輝ける場所を持っているということを私たちに教えてくれています。
大昔の大工さんが選んだ木材が、それぞれの得意な場所でお家をしっかりと支えているように、私たち人間も、得意なことを持ち寄って支え合っているんですね。
だから、もし自分にできないことがあったとしても、お友達と比べて落ち込む必要はまったくありません。
なぜなら、世界中の誰もが、たった一つの大切な宝物を持っているからです。
あなたにはあなたの、お友達にはお友達の、お父さんやお母さんにはそれぞれの、素晴らしい力と優しさがあります。
金子みすゞさんという昔の詩人の方も、「みんなちがって、みんないい」という素敵な言葉を残していますよね。
みんなが得意なことも苦手なことも違うからこそ、世界はこんなにも豊かで、助け合える楽しい場所になっているんですね。
そんな優しい気持ちと、大工さんの知恵をギュッと4つの漢字に詰め込んだのが、適材適所という言葉なんですね。
私たちも、この言葉をいつも心のポケットにしまって、毎日をもっとワクワクしながら過ごしていきたいですね。
明日から学校やおうちで使ってみよう
最後まで一緒に読んでいただき、本当にありがとうございます。
この言葉の意味と、そこにある優しい気持ちを知った皆さんは、もうすっかり「言葉の魔法使い」ですね!
明日から、ぜひ身の回りでこの言葉をたくさん使ってみてください。
もし、お友達が何か得意なことをしてクラスの役に立っていたら、「〇〇ちゃん、それすっごく上手だね!まさに適材適所だね!」と元気よく声をかけてみてください。
きっと、言われたお友達は、自分の得意なことを認めてもらえて、とっても嬉しい気持ちになりますよ。
相手の素敵なところを見つけて、それを言葉にして教えてあげることは、とっても素晴らしい心のプレゼントになります。
そして、自分自身の得意なことを見つけた時も、「あ、これって私の得意な場所なのかも!」と自信を持ってくださいね。
言葉一つで、友達や家族を笑顔にすることができるなんて、本当に素敵なことだと思いませんか?
私たち大人は、皆さんが自分だけの素敵な場所を見つけて、太陽のようにキラキラと輝く姿を見るのが、何よりも楽しみなんです。
焦らなくても大丈夫ですよ。
ゆっくり、自分のペースで、あなたにぴったりの場所、あなたが一番楽しく輝ける場所を探していきましょうね。
今日覚えたこの素敵な言葉が、皆さんのこれからの毎日を、もっと楽しく、もっと優しく彩ってくれますように。
さあ、明日はいったいどんな素敵な出会いや発見が待っているでしょうか。
一緒に、ニコニコ笑顔で探しに行きましょう!