四字熟語

八方美人(はっぽうびじん)ってどんな意味?

八方美人(はっぽうびじん)ってどんな意味?

みなさんの周りに、いつもニコニコしていて、誰にでも優しくしてくれるお友達はいませんか?

クラスの誰とでも仲良くお話ししていて、「とってもいい人だなあ」と思う反面、時には「あれ?この前と言っていることが違うかも?」と不思議に感じたことがあるかもしれませんね。

誰とでも仲良くできるのは素晴らしいことですが、みんなに良い顔をしすぎると、少し困ったことになってしまうこともあるんですね。

そんな「誰にでもいい顔をする人」を表す、ちょっぴり不思議な四字熟語があるのをご存知でしょうか。

それが、今回ご紹介する八方美人(はっぽうびじん)という言葉です。

この言葉、漢字だけを見ると「とっても綺麗な人」を想像してしまいますよね。

でも実は、見た目のお話だけではない、もっと深い意味が隠されているんですね。

大人も子どもも、「へぇ〜!そうだったんだ!」と思わず言いたくなるような、言葉の面白いひみつを一緒に探検していきましょう。

きっと、明日から学校やおうちで使ってみたくなるはずですよ。

誰にでもいい顔をする?言葉の本当の意味をチェック!

誰にでもいい顔をする?言葉の本当の意味をチェック!

まずは、この言葉がどんな人を表しているのか、一緒に見ていきましょうね。

辞書を引いてみると、現代では主に誰からも嫌われたくなくて、誰に対しても愛想よく振る舞う人という意味で使われています。

これって、ちょっと気になりますよね。

「誰にでも優しいことって、良いことじゃないの?」と、多くの人が同じように感じているんですね。

もちろん、人に優しくするのはとても素敵なことです。

でも、Aさんには「Aさんの言う通りだね!」と言い、Bさんにも「Bさんの言う通りだね!」と言って、二人の意見が全く違っていたらどうなるでしょうか。

「どっちの味方なの?」と、周りの人が困ってしまいますよね。

このように、自分の本当の気持ちや意見を隠して、周りの人みんなに合わせてしまう人のことを、少しからかったり、注意したりする時に使う言葉なんですね。

「いい人ぶりすぎて、本当は何を考えているのかわからないな」と、ちょっぴり信用されにくくなってしまう状態を表しています。

大人たちの世界でも、「あの人は少し八方美人だよね」なんていうふうに、内緒話で使われることが多いんですよ。

でも、どうして「美人」という漢字が使われているのか、とっても不思議に思いませんか?

次からは、その秘密を解き明かしていきましょう。

どうしてこんな言葉になったの?漢字のひみつと歴史

どうしてこんな言葉になったの?漢字のひみつと歴史

ここからは、言葉のタイムトラベルです。

昔の人がどんな風にこの言葉を作ったのか、その歴史を知ると、もっと言葉が好きになるかもしれませんね。

漢字を一つずつ分解して見ていくと、驚くような事実が隠されているんですよ。

「八方」と「美人」って、それぞれどんな意味?

まずは「八方」という言葉から見ていきましょう。

「八つ」の「方向」と書きますよね。

私たちが普段使っている方向には、「東・西・南・北」の四つがありますよね。

太陽が昇る方向が東、沈む方向が西です。

では、残りの四つはどこでしょうか。

それは、東と北の間にある「北東」や、「北西」「南東」「南西」といった、斜めの方向のことなんですね。

この四つと四つを合わせて、全部で八つの方向になります。

つまり、八方とは、「あらゆる方向」や「すべての方面」「周りのすべての人たち」という意味を表しているんです。

次に「美人」という言葉です。

今では、お顔やスタイルが美しい女の人を「美人」と呼ぶことが多いですよね。

でも、昔の人が使っていた「美人」には、もっと広い意味がありました。

見た目だけではなく、「行いや心が素晴らしい人」「みんなから評判が良い人」という意味も含まれていたんですね。

心がピカピカに磨かれている人のことを、美人と呼んでいたなんて、とっても素敵だと思いませんか?

実は昔は「ほめ言葉」だったって本当?

「すべての方向」と「素晴らしい人」。

この二つをくっつけると、どうなるでしょうか。

そうです、実は昔は「どこから見ても欠点のない、完璧で素晴らしい人」という最高のほめ言葉だったんです。

前を見ても、後ろを見ても、横から見ても、どこから見ても非の打ちどころがない。

そんな完璧な人のことを表す、キラキラした言葉だったんですね。

それがいつの間にか、「どこから見ても」が「誰に対しても」になり、「欠点がない」が「いい顔をする」に変わってしまいました。

「誰にでもいい顔をするなんて、自分の芯がないんじゃない?」と、少しずつ悪い意味で使われるようになってしまったんですね。

言葉の意味が、時代と一緒にガラリと変わってしまうなんて、とっても不思議ですよね。

お隣の国、韓国では今でも大絶賛の言葉!

ここで、もう一つびっくりするようなお話をしましょう。

日本のすぐお隣にある国、韓国のお話です。

実は、韓国語の「パルパンミイン」は、今でもスポーツも勉強もできる完璧な人へのほめ言葉として使われているんですよ。

「パルパンミイン」というのは、韓国語で同じ漢字を読んだ時の発音です。

韓国では、「あの子は勉強もできて、足も速くて、しかも誰にでも優しい!まさにパルパンミインだね!」という風に、大絶賛する時に使うんですって。

同じ漢字を使って、同じように昔の中国から伝わってきた言葉なのに、日本では「誰にでもいい顔をする人」、韓国では「何でもできる完璧な人」と、全く違う使い方になっているんですね。

これには、言葉を研究している大人たちも「へぇ〜!」と驚いてしまうそうです。

国が変われば言葉の意味も変わるなんて、世界って本当に面白いですよね。

なぜ誰にでもいい顔をしてしまうのかな?心のひみつ

さて、意味がわかったところで、少しだけ心のお話をしてみましょう。

どうして人は、みんなに良い顔をしてしまうのでしょうか。

「ずるいから?」それとも「ウソつきだから?」

いいえ、そうではないんですね。

そこには、相手に嫌われたくないという、ちょっぴり怖がる気持ちが隠されていることが多いんです。

誰だって、お友達から嫌われたり、仲間外れにされたりするのは悲しいですよね。

「いやだなぁ」「それは違うと思うな」と本当は思っていても、それを言ってケンカになるくらいなら、相手に合わせてニコニコしておこう。

そんな風に、平和を守るために頑張りすぎてしまう人が、この状態になりやすいんですね。

また、「みんなから好かれたい!」「いい人だと思われたい!」という気持ちが強すぎる時にも、同じような行動をとってしまうことがあります。

ですから、決して意地悪な気持ちでやっているわけではないんですね。

むしろ、周りの人の気持ちに敏感で、とっても優しい心の持ち主なのかもしれませんね。

でも、その優しさが裏目に出てしまって、自分が苦しくなってしまうこともあるんです。

自分の気持ちを我慢しすぎると、心が風船のようにパンパンに膨らんで、いつか破裂してしまうかもしれませんよね。

どんな風に使うの?学校やおうちでの楽しい具体例

言葉の意味や歴史、そして心の秘密までわかったところで、次は実践編です。

私たちの毎日の生活の中で、どんな時にこの言葉が使えるのか、具体的なシーンを思い浮かべてみましょう。

きっと、「あ!こういうことあるある!」と共感できるはずですよ。

学校でのシーン:遊びを決める時に困っちゃう!

まずは、学校の休み時間のシーンです。

今日はとってもいいお天気。放課後、みんなで遊ぶ約束をしています。

元気いっぱいのタケルくんが言いました。

「今日は絶対にドッジボールをしようぜ!新しいボールを持ってきたんだ!」

それを聞いたケンジくんは、笑顔でこう答えます。

「いいね!ドッジボール最高!絶対にやろう!」

でもその直後、足の速いユウタくんがやってきて言いました。

「えー、今日は校庭の端っこで、ケイドロ(鬼ごっこ)をやろうよ!」

するとケンジくんは、ユウタくんに向かっても笑顔で言います。

「それもいいね!ケイドロもすっごく楽しそう!やろうやろう!」

これを見ていた周りの友達は、キョトンとしてしまいます。

「あれ?ケンジくんはドッジボールをやりたいの?それともケイドロがやりたいの?」

いざ放課後になって、ドッジボール組とケイドロ組が分かれた時、ケンジくんはどちらに行っていいかわからず、オロオロしてしまいました。

こんな時、周りのお友達は心の中でこう思うかもしれませんね。

「ケンジくんって、誰にでも合わせる八方美人だから、たまに困っちゃうよね」

ケンジくんはみんなと仲良くしたかっただけなのですが、自分の意見を言わなかったせいで、ちょっぴり信用されなくなってしまうかもしれないんですね。

おうちでのシーン:夜ごはんのメニューで意見が真っ二つ!

次は、おうちでのシーンを見てみましょう。

週末の夕方、お母さんが夜ごはんのメニューを考えてくれています。

お母さんが「今日の夜ごはん、何がいい?」と聞きました。

お肉が大好きな弟は、飛び上がって言いました。

「絶対にハンバーグ!チーズが乗ったやつがいい!」

一方、スパイシーなものが好きなお姉ちゃんは譲りません。

「えー、昨日もお肉だったじゃん。今日は絶対にカレーライスがいい!」

お母さんは困ってしまい、真ん中にいるお兄ちゃんに聞きました。

「お兄ちゃんはどっちがいいと思う?」

お兄ちゃんは、弟にもお姉ちゃんにも怒られたくありません。

そこで、こう答えました。

「うーん、弟の言う通りハンバーグも捨てがたいし、お姉ちゃんの言う通りカレーも食べたいなぁ。どっちでも美味しいから、どっちでもいいよ!」

すると、弟とお姉ちゃんが同時に怒り出しました。

「お兄ちゃん、どっちの味方なの!?はっきりしてよ!」

お母さんもため息をつきながら言います。

「お兄ちゃんは本当に八方美人ね。たまには自分の意見をピシッと言いなさい」

波風を立てないようにしたお兄ちゃんでしたが、結果的にみんなをイライラさせてしまったんですね。

家族でのシーン:お正月のパパは大ピンチ!?

最後は、大人たちの間で起こるちょっぴり面白いシーンです。

お正月、家族みんなでパパの実家(おじいちゃんとおばあちゃんのおうち)に遊びに行きました。

おばあちゃんは、可愛い孫と息子(パパ)が来てくれたので大喜びです。

「たくさんご飯を作ったから、ゆっくりしていってね。明日は水族館に行きましょう!」

パパはニコニコしながら答えます。

「ありがとう、母さん。明日も一日ゆっくりさせてもらうよ」

でも実は、おうちを出る前に、ママとこんな約束をしていたんです。

「明日は夕方から、私の実家(ママのおじいちゃんとおばあちゃんのおうち)にも行く約束だよね?」

「もちろんさ!明日の午後には出発して、向こうでゆっくりしよう!」

パパは、自分のお母さん(おばあちゃん)にも良い顔をして、ママにも良い顔をしてしまったんですね。

夜になって、ママがパパにこっそり言いました。

「ねえ、明日水族館に行ったら、私の実家に行く時間がなくなっちゃうじゃない。どうするの?」

パパは頭を抱えてしまいました。

「しまった…母さんがあまりにも嬉しそうだったから、つい調子を合わせてしまった…」

ママは呆れ顔で言います。

「パパの八方美人なところ、本当に困るわ。明日の朝、ちゃんとお義母さんに説明してよね」

パパのように、みんなを喜ばせようとして誰にでもいい返事をしてしまうと、後で大きなトラブルになってしまうこともあるんですね。

この言葉のすごいところ!見方を変えれば長所になる

さて、ここまで少しネガティブな(悪い)意味での使い方をたくさん見てきました。

「じゃあ、みんなにいい顔をするのは、絶対にダメなことなの?」と思うかもしれませんね。

でも、安心してください。

最近の大人の世界では、この特徴を「すごい能力だ!」と見直す動きもあるんですよ。

実は、場の空気を和ませて、ケンカを防ぐためのすごいコミュニケーション能力だとも言えるんです。

例えば、クラスで違う意見が出て空気がピリピリしている時。

「Aちゃんの意見も一理あるし、Bちゃんの意見も素晴らしいよね」と間に入ってくれる人がいると、ホッとすることはありませんか?

自分の意見ばかりを強く押し付けるのではなく、周りの人の気持ちを考えて行動できるのは、とても大人っぽくて素敵な才能なんですね。

だから、「自分は誰にでもいい顔をしちゃうな…」と悩んでいるお友達がいたら、ぜひこう教えてあげてください。

「それはね、周りの人を大切にできる優しい心の持ち主ってことなんだよ」と。

要するに、バランスが大切なんですね。

普段はみんなと仲良く空気を読みながらも、本当に大切な時、絶対に譲れない時には「私はこう思う!」としっかり意見を言える。

それができたら、昔の人が言っていたような「どこから見ても欠点のない完璧な人」に近づけるのかもしれませんね。

今日のおさらい!これでもう完璧ですね

さあ、今日の言葉の探検はどうでしたか?

たくさんの驚きと発見がありましたよね。

ここで、今日学んだことを短く整理しておきましょう。

まず、八方美人とは、現代では「誰からも嫌われたくなくて、誰にでもいい顔をする人」という意味で使われています。

自分の意見をコロコロ変えてしまうと、周りから「信用できないな」と思われてしまうことがあるので注意が必要でしたね。

でも、歴史を振り返ってみると、昔は「どこから見ても完璧で美しい人」という最高のほめ言葉でした。

お隣の韓国では、今でも完璧な人をほめる言葉として大活躍しているんでしたよね。

そして、みんなにいい顔をしてしまう人の心の中には、「嫌われたくない」「みんなと仲良くしたい」という優しい気持ちが隠されていることもわかりました。

見方を変えれば、「空気が読める」「平和を大切にできる」という素晴らしい長所にもなるんですね。

一つの言葉の中に、歴史や心の色々な秘密が詰まっていて、とっても面白いですよね。

明日からさっそく使ってみよう!言葉のプレゼント

ここまで読んでくれたみなさんは、もうこの言葉の立派な博士です。

明日、学校に行ったら、ぜひお友達や先生に教えてあげてください。

「ねえねえ、八方美人って昔は最高のほめ言葉だったって知ってる?」って、自慢げに話してみてくださいね。

きっと、「えー!そうなの!?」と驚いてくれるはずですよ。

そして、もし自分が「誰にでもいい顔をしてしまって疲れるな」と思った時は、今日の話を思い出してください。

あなたのその行動は、決して悪いことばかりじゃありません。

周りの人を笑顔にしたいという、素敵な思いやりから来ているんです。

ただ、たまには「自分は本当はどうしたいのかな?」と、心の中の自分の声を聞いてあげる時間を作ってみてくださいね。

言葉の意味を知ることは、自分や周りの人の心を理解することに繋がります。

これからも、親子で一緒に、色々な言葉の不思議を探検してみてくださいね。

きっと、毎日の会話がもっともっと楽しくなるはずですよ!