
みなさんは「十人十色」(じゅうにんといろ)という言葉を聞いたことがありますか?
学校の先生が使っていたり、お父さんやお母さんが言っていたり、もしかしたらテレビで聞いたことがあるかもしれませんね。
「十人十色って、なんだか数字がたくさん出てくるけど、どういう意味なんだろう?」と思った人もいるのではないでしょうか。
実はこの言葉、私たちの毎日の生活の中で、とっても大切なことを教えてくれる素敵な四字熟語なんですね。
友達と意見が違ったとき、好きな食べ物が家族と違ったとき、「なんで自分だけ違うんだろう」と思ったことはありませんか?
そんなときに知っておくと、心がふわっと軽くなる言葉が、この「十人十色」なんです。
今日は、この「十人十色」という言葉の意味や、どうしてこの漢字が使われているのか、そして学校やおうちで使える楽しい例文まで、一緒に見ていきましょう。
きっと読み終わるころには、「へぇ〜、そうだったんだ!」と思ってもらえるはずですよ。
十人十色の意味は「みんな違ってみんないい」ということ
まずは「十人十色」の意味から見ていきましょうね。
十人十色とは、「10人いれば、10通りの考え方や好みがある」という意味です。
つまり、人はみんなそれぞれ違っていて、同じ考えや好みの人ばかりではないということなんですね。
たとえば、クラスに30人の友達がいたとしましょう。
「好きな給食のメニューは何?」と聞いたら、カレーライスが好きな人、から揚げが好きな人、ラーメンが好きな人、いろいろな答えが返ってきますよね。
これがまさに「十人十色」なんです。
30人いたら、30通りの好きなメニューがあってもおかしくないということですね。
「違い」は悪いことじゃないんです
ここで大切なのは、「違う」ということは悪いことではないということです。
むしろ、みんなが同じ考えや好みだったら、世の中はとってもつまらなくなってしまうかもしれませんね。
絵を描くときのことを想像してみてください。
もし赤い色しかなかったら、どんな絵になるでしょうか?
りんごも太陽も人の顔も、全部赤色になってしまいますよね。
でも、赤や青や黄色や緑など、たくさんの色があるからこそ、美しい絵が描けるんです。
人もそれと同じで、いろいろな考えや好みを持った人がいるからこそ、世の中は楽しくなるんですね。
「十人十色」を一言で言うと
もっとシンプルに言うと、「十人十色」は「みんな違ってみんないい」という意味になります。
詩人の金子みすゞさんが書いた有名な詩「私と小鳥と鈴と」の中にも、「みんなちがって、みんないい」というフレーズがありますよね。
この考え方と「十人十色」は、とてもよく似ているんです。
自分と違う意見の人がいても、「十人十色だから、それでいいんだ」と思えると、心が楽になりますよ。
なぜ「十人」と「十色」なの?漢字の由来を探ってみよう
さて、ここからは「十人十色」という言葉の由来について見ていきましょう。
なぜ「十人」と「十色」という漢字が使われているのか、気になりますよね。
「十」は「たくさん」を表す数字
まず「十」という数字についてです。
日本語では、「十」という数字は「たくさん」や「いろいろ」という意味で使われることがあるんです。
たとえば、「十分(じゅうぶん)」という言葉がありますよね。
これは「足りている」「たくさんある」という意味で使われます。
「十人十色」の「十」も、「ちょうど10人」という意味ではなく、「たくさんの人」を表しているんですね。
昔の中国では「十」という数字は完全な数、つまり「すべて」を表す特別な数字だったそうです。
だから「十人」は「すべての人」「どんな人でも」という意味が込められているんですね。
「色」は見た目の色だけじゃない
次に「色」についてです。
「色」というと、赤や青、黄色などの見た目の色を思い浮かべますよね。
でも、日本語の「色」には、もっと深い意味があるんです。
「色」には「種類」や「タイプ」「性格」という意味もあるんですね。
たとえば、「いろいろ」という言葉がありますよね。
漢字で書くと「色々」になります。
これは「さまざまな種類の」という意味で使われます。
だから「十色」は「十種類の色」ではなく、「たくさんの種類」「さまざまなタイプ」という意味になるんです。
合わせると「たくさんの人にはたくさんの種類がある」
「十人」と「十色」を合わせると、「たくさんの人には、たくさんの種類(考え方や好み)がある」という意味になります。
つまり、「人の数だけ、考え方や好みの種類がある」ということですね。
シンプルだけど、とても深い意味を持った四字熟語だと思いませんか?
この言葉はいつ頃から使われているの?
「十人十色」という言葉が日本でいつ頃から使われ始めたのか、正確な記録は残っていないそうです。
ただ、江戸時代(今から約400年前)にはすでに使われていたと言われています。
江戸時代の人たちも、「人はみんな違う」ということを大切にしていたんですね。
また、似たような言葉は世界中にあるんですよ。
英語では「Different strokes for different folks(人それぞれ好みが違う)」という言い方があります。
「人はみんな違う」という考え方は、日本だけでなく、世界中で大切にされてきたんですね。
「蓼食う虫も好き好き」との違い
「十人十色」と似た意味を持つ言葉に、「蓼食う虫も好き好き(たでくうむしもすきずき)」ということわざがあります。
「蓼」というのは、とても辛い植物のことです。
普通はだれも好んで食べないような辛いものでも、それを好んで食べる虫がいるという意味ですね。
「十人十色」と「蓼食う虫も好き好き」は、どちらも「人の好みはそれぞれ違う」という意味では同じです。
でも、ちょっとしたニュアンスの違いがあるんです。
「蓼食う虫も好き好き」は、「変わった好みの人もいるものだ」という驚きのニュアンスが含まれています。
一方、「十人十色」は、「みんな違っていて当たり前」という、もっと肯定的なニュアンスがあるんですね。
だから、相手の好みや意見を尊重したいときは、「十人十色」を使うのがおすすめですよ。
学校生活で使える十人十色の例文
ここからは、実際に「十人十色」を使った例文を見ていきましょう。
まずは、学校生活で使えるシチュエーションからです。
図工の時間に絵の描き方が違ったとき
図工の時間に「海の絵を描きましょう」と先生が言いました。
みんなが描いた絵を見てみると、青い海を描いた人もいれば、夕焼けでオレンジ色の海を描いた人もいます。
魚をたくさん描いた人もいれば、船を大きく描いた人もいますね。
そんなとき、先生がこう言いました。
「みんなの絵は十人十色で、どれもとっても素敵だね。同じ『海』なのに、こんなにいろいろな表現があるなんて、すごいことだよ」
このように、みんなが同じテーマで作品を作っても、出来上がりが違うときに「十人十色」が使えますね。
好きな教科がみんな違うとき
休み時間に友達と話していたら、好きな教科の話になりました。
「ぼくは算数が好き!」
「わたしは国語が好きかな」
「えー、ぼくは体育が一番!」
みんなの好きな教科がバラバラです。
そんなとき、こう言えます。
「好きな教科って、十人十色だね。だからクラスっていろいろな人がいて楽しいんだよね」
好みが違うことをポジティブに受け止められる、素敵な使い方ですね。
班活動で意見が分かれたとき
学級会で、遠足のお弁当の時間に何をして遊ぶか話し合っています。
「ドッジボールがいい!」
「だるまさんがころんだがしたい!」
「自由に遊びたいな」
意見がなかなかまとまりません。
そんなとき、班長さんがこう言いました。
「やりたいことは十人十色だから、みんなの意見を聞いて、どうやったらみんなが楽しめるか考えようよ」
意見が違うことを認めた上で、解決策を探すときにも「十人十色」は使えるんですね。
おうちでの日常で使える十人十色の例文
次は、おうちでの毎日の生活で使える例文を見ていきましょう。
ごはんの好みが家族と違うとき
夕ごはんの時間です。
今日のメニューはカレーライス。
お父さんは「辛口がいいな」と言い、お母さんは「中辛がちょうどいい」と言います。
妹は「甘口じゃないと食べられない」と言っています。
そんなとき、おばあちゃんがこう言いました。
「カレーの辛さの好みは十人十色だねぇ。だから今日は甘口を作って、辛いのが好きな人はスパイスを足せばいいわね」
家族の中でも好みが違うことを、「十人十色」で表現できますね。
休日の過ごし方が違うとき
日曜日の朝、家族で「今日は何をする?」と話し合っています。
お父さんは「映画を見たい」
お母さんは「買い物に行きたい」
お兄ちゃんは「ゲームがしたい」
自分は「公園で遊びたい」
みんなの希望がバラバラです。
「やりたいことが十人十色だね。じゃあ午前中は公園に行って、午後から買い物して、夜は家で映画を見ようか」
このように、みんなの希望を組み合わせて計画を立てるときにも使えますよ。
兄弟姉妹の性格が違うとき
お母さんが友達と電話で話しています。
「うちの子どもたちは、同じように育てたのに全然性格が違うのよ。上の子はおとなしくて本が好きだけど、下の子は元気いっぱいで外で遊ぶのが大好きなの」
すると、電話の向こうの友達がこう言いました。
「子どもの性格って十人十色よね。それぞれの良さがあるから、楽しいじゃない」
同じ家族でも、一人ひとり違う個性があることを表現するのにぴったりですね。
家族との会話で使える十人十色の例文
最後に、家族との会話の中で使える例文を見ていきましょう。
将来の夢を話すとき
夕ごはんを食べながら、家族で将来の夢について話しています。
「ぼくは宇宙飛行士になりたい!」
「お姉ちゃんはパティシエになりたいんだ」
「お父さんが子どものころは、サッカー選手になりたかったな」
お母さんがニコニコしながら言いました。
「夢は十人十色だね。みんな自分らしい夢を持っていて素敵だわ」
それぞれが違う夢を持っていることを応援するときに使える表現ですね。
テストの点数について話すとき
テストが返ってきました。
自分は国語が良くて、算数はあまり良くありませんでした。
友達は算数が良くて、国語はあまり良くなかったそうです。
ちょっと落ち込んでいたら、お父さんがこう言ってくれました。
「得意なことや苦手なことは十人十色だよ。全部できる必要はないんだ。自分の得意なことを伸ばしていけばいいんだよ」
苦手なことがあっても落ち込まなくていいと励ますときに使えますね。
友達と意見が合わなかったとき
学校から帰ってきて、少し元気がありません。
お母さんが「どうしたの?」と聞いてくれました。
「友達と好きなアニメの話をしていたら、『そのアニメはつまらない』って言われて、ちょっと悲しかったんだ」
お母さんは優しく言いました。
「そっか、悲しかったね。でも、好きなものは十人十色だから、友達と違っても気にしなくていいんだよ。あなたが好きなら、それでいいの」
自分の好きなものに自信を持っていいと伝えるときに、「十人十色」はとても役立つ言葉ですね。
十人十色の使い方のコツ
ここまでいろいろな例文を見てきましたね。
「十人十色」を上手に使うコツをまとめておきましょう。
ポジティブな場面で使おう
「十人十色」は、「違いを認める」「違いを楽しむ」というポジティブな意味で使うのがおすすめです。
「あの人は変わってるね」という否定的な意味ではなく、「みんな違っていて素敵だね」という肯定的な意味で使いましょう。
意見が分かれたときに使おう
クラスや家族で意見が分かれたとき、「十人十色だから仕方ないね」で終わらせるのではなく、「十人十色だから、みんなの意見を聞いてみよう」という形で使うと、もっと良いですね。
違いを認めた上で、どうやったらみんなが納得できるかを考えるきっかけにしましょう。
自分を励ますときにも使える
「みんなと違う自分はおかしいのかな」と思ったとき、「十人十色だから、自分は自分でいいんだ」と自分を励ますのにも使えますよ。
違うことは恥ずかしいことではありません。
むしろ、自分だけの個性なんですね。
十人十色のまとめ
さて、ここまで「十人十色」について詳しく見てきましたね。
最後に、大切なポイントをおさらいしておきましょう。
十人十色の意味
「十人十色」は、「10人いれば10通りの考え方や好みがある」という意味です。
「人はみんなそれぞれ違っていて、それでいい」という、とても大切なことを教えてくれる四字熟語ですね。
十人十色の由来
「十」は「たくさん」を表す数字で、「色」は「種類」や「タイプ」という意味があります。
合わせると「たくさんの人には、たくさんの種類の考え方や好みがある」という意味になるんですね。
江戸時代(約400年前)から使われていた、歴史のある言葉です。
十人十色の使い方
「十人十色」は、こんな場面で使えます。
・みんなの意見や好みが違うとき
・違いを認めて、尊重したいとき
・自分と違う人がいても、それでいいと思うとき
・自分の個性を大切にしたいとき
ポジティブな意味で使うのがポイントですよ。
さあ、明日から「十人十色」を使ってみよう
今日は「十人十色」という言葉について、一緒に学んできましたね。
きっと、「へぇ〜、そういう意味だったんだ!」と思った人も多いのではないでしょうか。
明日から、ぜひ学校やおうちで使ってみてくださいね。
友達と意見が違ったとき、「十人十色だから、いろいろな意見があっていいよね」と言ってみてください。
家族と好みが違ったとき、「十人十色だから、みんな違って当たり前だよね」と言ってみてください。
そして、自分と違う人がいても、「十人十色だから、それでいいんだ」と思えるようになると、きっと毎日がもっと楽しくなりますよ。
この言葉を知っているだけで、ちょっと優しい気持ちになれるかもしれませんね。
みなさんも、自分らしさを大切にしながら、周りの人の「十人十色」も認められる、素敵な人になってくださいね。
きっと、そんなあなたの周りには、たくさんの素敵な友達が集まってくるはずですよ。