
例えば、同じクラスでも、サッカーが好きな人もいれば、絵を描くことが好きな人もいますよね。
そんな人それぞれの違いを表す四字熟語が、十人十色(じゅうにんといろ)です。
十人十色とは、人によって好みや考え方、性格などがそれぞれ違うことを意味します。
この記事では、十人十色の意味・読み方・由来や、学校や家庭で使える例文、似た言葉との違いを、小学生にもわかりやすく紹介します。
十人十色の意味と読み方
十人十色は、「じゅうにんといろ」と読みます。
「十人の人がいれば、十通りの好みや考え方がある」というたとえから、人それぞれ違うことを表しています。
例えば、同じクラスでも好きな教科や得意なスポーツ、将来の夢は人によって違いますよね。
同じ映画を見ても、「面白かった」と感じる人もいれば、「少し難しかった」と感じる人もいます。
そのような好みや考え方の違いを「十人十色」と表現します。
「みんな違ってみんないい」と同じ意味?
十人十色は、人それぞれ違うという事実や様子を表す言葉です。
一方、「みんな違ってみんないい」は、違いを肯定的に受け止める考え方を表しています。
似た場面で使われることがありますが、意味はまったく同じではありません。
十人十色という言葉自体には、「すべての違いが必ずよい」という評価までは含まれていないのです。
十人十色は褒め言葉なの?
十人十色は、人によって違いがあることを表す言葉なので、必ずしも褒め言葉というわけではありません。
ただし、「作品が十人十色で面白いね」「みんなの意見が十人十色だから、新しい発見があるね」というように、違いを前向きに伝える場面でも使えます。
十人十色の由来と漢字の意味
十人十色は、「十人」と「十色」という言葉を組み合わせた四字熟語です。
それぞれの漢字の意味を知ると、言葉のイメージがつかみやすくなります。
「十人」はさまざまな人を表す
「十人」は、文字どおり十人の人を表します。
ただし、十人十色では、実際に十人いなければならないわけではありません。
十人いれば、それぞれ違う好みや考え方があるということを、わかりやすく表現しています。
「十色」はさまざまな違いを表す
「色」は、赤や青などの色彩だけでなく、物事の特色や様子を表す場合もあります。
例えば、「その人らしい色が出ている」というときの「色」は、絵の具の色だけを意味するわけではありませんよね。
十人十色でも、色の違いにたとえて、人の好みや考え方などがそれぞれ異なることを表しています。
「十人いれば十通りの色がある」というイメージから、人それぞれの違いを表しているのです。
十人十色はいつから使われているの?
十人十色は、いつごろから使われているのでしょうか。
小学館『精選版 日本国語大辞典』では、19世紀中ごろの人情本『清談若緑(せいだんわかみどり)』に見られる使用例が紹介されています。
つまり、少なくともそのころには、日本で十人十色という表現が使われていたことがわかります。
ただし、これが言葉の最初の使用例であると断定することはできません。
特定の人物が作った言葉や、中国のある歴史上の出来事に由来するといった説明も、今回確認した資料からは判断できません。
そのため、十人十色は、漢字の意味と実際の使われ方を中心に覚えておきましょう。
十人十色の使い方と例文
十人十色は、人によって意見や好み、個性が違うことを説明するときに使います。
学校・家庭・仕事の場面に分けて見ていきましょう。
例文① 学校の図工の時間
「同じテーマで絵を描いたのに、完成した作品は十人十色で面白かった。」
同じテーマでも、一人ひとり違う色や形、アイデアの絵ができあがった場面です。
例文② 将来の夢について話すとき
「将来なりたい職業は十人十色だね。」
先生になりたい人もいれば、料理人や研究者になりたい人もいるでしょう。
人によって目標や夢が違うことを表しています。
例文③ 友達との会話
「好きな音楽は十人十色だから、友達と好みが違っても不思議じゃないよ。」
自分と友達の好みが違うことを、自然に説明する表現です。
例文④ 家族で休日の予定を決めるとき
「同じ家族でも、休日の過ごし方は十人十色だね。」
公園で遊びたい人や、家で読書を楽しみたい人など、好みが分かれている場面です。
そんなときは、お互いの希望を聞いて、みんなが楽しめる方法を考えてみるのもよいですね。
例文⑤ 仕事での使い方
「働きやすいと感じる環境は十人十色なので、さまざまな意見を聞くことが大切です。」
仕事の進め方や働き方について、人によって希望が違うことを説明しています。
十人十色を使うときの注意点
何でも許されるという意味ではない
「人それぞれ違う」ということと、「どんな行動でもよい」ということは別です。
例えば、友達の好きな食べ物が自分と違うのは、十人十色と表現できる場面です。
しかし、人を傷つける行動まで「十人十色だから仕方ない」と正当化するのは適切ではありません。
見た目だけでなく考え方の違いにも使える
十人十色は、見た目の違いだけを表す言葉ではありません。
考え方、性格、価値観、好みなど、さまざまな違いを表現できます。
十人十色を使うときは、「何が人によって違うのか」を具体的にすると、より伝わりやすくなります。
二人だけの場合でも使える?
十人十色は、文字どおりの人数が十人でなくても使えます。
例えば、二人の好みが違うことに気づいたときに、「人の好みは十人十色だね」と一般的な違いを表すこともできます。
ただし、二人だけの違いを具体的に伝えたいなら、「私たちは好みが違うね」と言った方が自然な場面もあります。
十人十色と似た意味の言葉
人それぞれ
「人それぞれ」は、考え方や感じ方などが人によって違うことを表す日常的な表現です。
例文:「幸せの感じ方は人それぞれだ。」
十人十色と近い意味で、日常会話でも気軽に使えます。
多種多様(たしゅたよう)
「多種多様」は、種類や性質などがさまざまであることを意味する四字熟語です。
例文:「図書館には多種多様な本が並んでいる。」
十人十色は主に人の好みや考え方などの違いを表しますが、多種多様は物事の種類が多い場合にも広く使えます。
蓼食う虫も好き好き(たでくうむしもすきずき)
「蓼食う虫も好き好き」は、人の好みはさまざまであるという意味のことわざです。
「蓼(たで)」は、種類によって辛みのある植物です。
その辛い葉を好んで食べる虫もいることから、人の好みは一様ではないことを表しています。
例文:「私は辛い食べ物が苦手だけど、好きな人もいるんだね。好みは人それぞれだ。」
このような好みの違いを、ことわざでは「蓼食う虫も好き好き」と表すことがあります。
ただし、相手の好みを変わっていると評価するときにも使われるため、直接相手に言うと失礼になる場合があります。
十人十色が考え方や性格なども含む広い違いを表すのに対し、蓼食う虫も好き好きは特に好みの違いを表す言葉です。
千差万別(せんさばんべつ)
「千差万別」は、さまざまなものに多くの違いがあり、一つとして同じではないほど種類が多いことを意味します。
例文:「旅行の楽しみ方は千差万別だ。」
十人十色と似ていますが、千差万別は人の考え方だけでなく、物事のさまざまな違いについても使われます。
十人十色に反対の意味の言葉はある?
十人十色に、必ず一つだけ対応する決まった対義語があるわけではありません。
反対の意味に近い表現としては、「みんな同じ」「画一的(かくいつてき)」などが考えられます。
画一的(かくいつてき)
「画一的」は、さまざまなものを一つの型に当てはめ、違いが少ない様子を表します。
例文:「全員に画一的な方法を当てはめるのではなく、一人ひとりに合う方法を考えよう。」
十人十色とは対照的な場面で使える言葉ですが、厳密な対義語というわけではありません。
親子でチャレンジ!十人十色の3択クイズ
問題:十人十色の意味として正しいのはどれ?
- 十人が集まって、同じ色の服を着ること。
- 人によって好みや考え方などがそれぞれ違うこと。
- 十種類の色を使って絵を描くこと。
答えと解説を見る
正解は②です。
十人十色は、十人の人がいれば十通りの好みや考え方があるように、人それぞれ違うことを意味します。
「色」は実際の色だけでなく、人の特色や違いをたとえているのがポイントです。
十人十色についてよくある質問
Q. 十人十色の読み方は?
「じゅうにんといろ」と読みます。
Q. 十人十色の意味は?
人それぞれ好みや考え方、性格などが違うことです。
Q. 十人十色は褒め言葉ですか?
十人十色そのものは、人によって違いがあることを表す言葉です。違いを尊重する前向きな場面でも使われますが、必ずしも褒め言葉というわけではありません。
Q. 十人十色は十人いないと使えませんか?
いいえ。実際に十人いる必要はありません。人によって好みや考え方が違うことを表す言葉です。
Q. 十人十色は人の性格にも使えますか?
はい。好みや考え方だけでなく、性格など人によるさまざまな違いを表すときにも使えます。
Q. 十人十色の由来は?
「十人」と「十色」を組み合わせて、人それぞれ違いがあることを表した言葉です。19世紀中ごろの日本の文献にも使用例がありますが、最初に生まれた時期や作者は特定できません。
Q. 十人十色と多種多様の違いは?
十人十色は主に人の好みや考え方などの違い、多種多様は人や物事の種類・性質がさまざまであることを表します。
Q. 十人十色と蓼食う虫も好き好きの違いは?
十人十色は好みや考え方、性格などの違いを広く表します。一方、蓼食う虫も好き好きは特に人の好みの違いを表すことわざです。
まとめ|十人十色は人それぞれ違うこと
十人十色(じゅうにんといろ)とは、人それぞれ好みや考え方、性格などが違うことを表す四字熟語です。
今回のポイントを振り返りましょう。
- 読み方は「じゅうにんといろ」。
- 人によって好みや考え方などが異なることを意味する。
- 「十人」「十色」で人それぞれの違いを表している。
- 19世紀中ごろの日本の文献にも使用例がある。
- 学校や家庭、仕事など、さまざまな場面で使える。
- 「多種多様」「千差万別」は、物事の違いにも広く使われる。
- 「蓼食う虫も好き好き」は、特に好みの違いを表すことわざ。
同じものを見ても、感じ方は人によって違います。
友達や家族と意見が違ったときは、「十人十色」という言葉を思い出してみてくださいね。
自分の考えを大切にしながら、相手がどう感じているのかにも耳を傾けてみましょう。