四字熟語

右往左往とは?意味・読み方・由来・使い方と例文をやさしく解説

「あれ? さっきまで持っていた鍵がない!」

出かける直前に大切なものが見つからず、部屋の中をあっちへ行ったり、こっちへ行ったり。そんな経験はありませんか?

このように、どうすればよいかわからず、慌てて動き回る様子を表す四字熟語が、右往左往(うおうさおう)です。

右往左往とは、慌てたり混乱したりして、あちらこちらへ動き回ることを意味します。

この記事では、右往左往の意味や読み方、漢字の成り立ち、古い文学での使われ方、学校や家庭で使える例文、似た言葉との違いをわかりやすく解説します。

目次+

右往左往の意味と読み方

右往左往は、「うおうさおう」と読みます。

意味は、慌てふためいて、あちらこちらへ動き回ること。また、混乱して落ち着かない様子を表します。

例えば、学校の行事の集合場所が突然変わり、みんなが慌てて教室や体育館を行き来している場面を想像してみましょう。

そんなときに、「突然の予定変更で、みんなが右往左往していた」と表現できます。

右往左往は、大勢の人が混乱する場面にも、一人が慌てている場面にも使える言葉です。

ただ行ったり来たりするだけではない

右往左往には、単に右や左へ移動するだけでなく、慌てて混乱しているという意味があります。

例えば、運動のために決まった道を何度も往復している人を、普通は「右往左往している」とは言いません。

一方、忘れ物が見つからず、どこを探せばよいかわからないまま、家の中をあちこち動き回る場合には使えます。

なぜ行ったり来たりしているのかに注目すると、正しく使いやすくなりますね。

「うおうざおう」とも読むの?

現在、一般的な読み方は「うおうさおう」です。

ただし、辞典には「うおうざおう」という読み方も掲載されています。

学校で覚えるときには、まず「うおうさおう」を覚えておきましょう。

右往左往の漢字の意味と成り立ち

右往左往は、漢字を分けて考えると意味がつかみやすくなります。

「右」と「左」は方向を表す

「右」と「左」は、方向を表す漢字です。

右へ行ったと思ったら、今度は左へ。どちらに行けばよいのかわからず、動き回っている姿を想像してみてください。

「往」は「行く」という意味

「往(おう)」には、「行く」「向かう」という意味があります。

行って戻ることを表す「往復(おうふく)」にも使われている漢字です。

右往左往には、この「往」が2回登場します。

  • 右往:右へ行くこと。
  • 左往:左へ行くこと。

右へ行ったり左へ行ったりする様子から、慌てて混乱し、あちこち動き回る意味を表しています。

漢字の意味を知ると、言葉の様子が目に浮かんできますね。

「左往右往」という言葉もある?

「右往左往」のほかに、左右の順番を入れ替えた「左往右往(さおううおう)」という表現もあります。

意味は右往左往とほぼ同じです。

ただし、日常生活では「右往左往」のほうを見聞きすることが多いでしょう。

右往左往の由来と『平治物語』

右往左往は、昔の日本の文学にも登場する言葉です。

小学館『精選版 日本国語大辞典』には、古い使用例として『平治物語(へいじものがたり)』が紹介されています。

『平治物語』はどんなお話?

『平治物語』は、平安時代の終わりごろに起きた平治の乱(へいじのらん)を題材にした軍記物語です。

軍記物語とは、戦いや武士たちの活躍などを描いた文学作品のことです。

『平治物語』が成立したのは、おおむね鎌倉時代と考えられています。

作者や正確な成立年は、はっきりわかっていません。

物語ではどのように使われているの?

『平治物語』には、兵士たちが慌ただしく入り乱れる場面で「右往左往」という表現が登場します。

当時の戦いの様子を想像してみましょう。

大勢の兵士が行き交い、あちらからもこちらからも人が動いてくると、周りは落ち着かない状態になります。

そのような混乱した場面を描くのに、右往左往という言葉が使われています。

ただし、『平治物語』で初めて作られた言葉だと確認できるわけではありません。

ここでは、昔から使われていたことを示す古い用例として覚えておきましょう。

右往左往の使い方と例文

右往左往は、「右往左往する」「右往左往した」「右往左往している」といった形でよく使われます。

例文① 学校で忘れ物に気づいたとき

「図工の授業が始まる直前に絵の具セットがないことに気づき、右往左往してしまった。」

どこに置いたのかわからず、慌てて探し回っている様子です。

例文② 朝の準備で慌てたとき

「寝坊した朝、家族みんなが持ち物を探して右往左往していた。」

時間がなくなり、家族が慌てて動き回っている場面です。

例文③ 待ち合わせ場所がわからないとき

「駅の出口を間違えてしまい、待ち合わせ場所を探して右往左往した。」

どちらへ行けばよいかわからず、慌てて移動している様子です。

例文④ 文化祭の準備をしているとき

「文化祭の直前に使う予定の機材が動かなくなり、実行委員たちは右往左往していた。」

予想外のトラブルが起こり、どう対応すればよいかわからず、混乱している場面です。

例文⑤ 仕事で予定が変更されたとき

「会議の開始時間が突然変更され、担当者たちは準備に右往左往した。」

急な変更に慌てて対応する様子を表しています。

例文⑥ 家の鍵が見つからないとき

「出発する時間なのに鍵が見つからず、家中を右往左往して探した。」

焦りながら、あちこち探し回っている様子です。

このように、一人の行動についても使えます。

右往左往と似た意味の四字熟語

周章狼狽(しゅうしょうろうばい)

周章狼狽は、ひどく慌てて、うろたえることを意味する四字熟語です。

例文:「突然の知らせに周章狼狽した。」

右往左往は、慌ててあちこち動き回る様子に重点があります。

一方、周章狼狽は、ひどく慌てて取り乱す様子を強調します。

東奔西走(とうほんせいそう)

東奔西走は、仕事や用事などのために、あちらこちらを忙しく走り回ることです。

例文:「文化祭を成功させるため、実行委員たちは東奔西走した。」

右往左往と同じく、あちこち動く様子を表しますが、意味は異なります。

東奔西走は、目的のために忙しく活動することを表す言葉です。

そのため、慌てたり混乱したりしているとは限りません。

慌てふためく

慌てふためくとは、ひどく慌てて、落ち着きを失うことです。

例文:「突然のトラブルに慌てふためいた。」

右往左往と似ていますが、必ずしもあちこち動き回る様子を表すわけではありません。

うろたえる

うろたえるとは、思いがけない出来事などに驚き、どうしてよいかわからず慌てることです。

例文:「予想外の質問にうろたえた。」

こちらは、気持ちが動揺している様子を表すときにも使いやすい言葉です。

右往左往は「慌ててあちこち動き回る」、周章狼狽は「ひどく慌てて取り乱す」、東奔西走は「忙しくあちこちを走り回る」という違いがあります。

右往左往と反対の意味に近い言葉

泰然自若(たいぜんじじゃく)

泰然自若は、何が起きても落ち着いていて、動じない様子を表す四字熟語です。

例文:「突然のトラブルにも、先生は泰然自若として対応した。」

右往左往して慌てる姿とは、対照的な様子ですね。

冷静沈着(れいせいちんちゃく)

冷静沈着は、落ち着いていて、物事に動じないことを表す四字熟語です。

例文:「彼女は急な予定変更にも冷静沈着に対応した。」

右往左往が混乱している様子を表すのに対し、冷静沈着は落ち着いて対応する様子を表します。

ただし、どちらも右往左往と完全に一対一で対応する対義語というわけではありません。

右往左往を使うときの注意点

落ち着いて移動しているだけなら使わない

右往左往は、混乱や慌てた様子を含む言葉です。

例えば、健康のために公園を歩き回った場合は、「公園を散歩した」などの表現が自然です。

目的を持って移動しているだけなら、右往左往とは限りません。

一人にも大勢にも使える

右往左往は、大勢の人が混乱する場面にも、一人が慌てる場面にも使えます。

「私は右往左往した」「参加者たちは右往左往した」のどちらも自然な表現です。

慌てた人を責めるための言葉ではない

突然の出来事に驚いて、うまく対応できなくなることは誰にでもあります。

右往左往は、その様子を説明するための言葉です。

相手が困っているときは、からかうのではなく、必要に応じて手助けしたいですね。

右往左往は英語で何という?

右往左往は、英語では場面に合わせて説明できます。

Run around in confusion

混乱して、あちこち走り回るという意味です。

例文:「Everyone was running around in confusion.」

「みんなが混乱して右往左往していました。」

Not know what to do

どうすればよいかわからないという意味です。

例文:「I didn't know what to do.」

「私はどうすればよいかわかりませんでした。」

ただし、こちらは慌てて動き回っている様子まで表すとは限りません。

右往左往を英語にするときは、混乱しているだけなのか、実際に動き回っているのかによって表現を選びましょう。

親子でチャレンジ!右往左往の3択クイズ

問題:右往左往の意味として正しいのはどれ?

  1. 慌てたり混乱したりして、あちらこちらへ動き回ること。
  2. 落ち着いて、決められた道を何度も往復すること。
  3. 大切な目標に向かって、迷わず進み続けること。
答えと解説を見る

正解は①です。

右往左往は、どうすればよいかわからず、慌ててあちこち動き回ることを表します。

②は単に道を往復しているだけなので、混乱した様子がありません。

③は、迷わず目標に向かって進む様子なので、意味が異なります。

右往左往についてよくある質問

Q. 右往左往の読み方は?

「うおうさおう」と読みます。古くは「うおうざおう」という読み方も使われていました。

Q. 右往左往の意味は?

慌てたり混乱したりして、あちらこちらへ動き回ることです。また、混乱して落ち着かない様子も表します。

Q. 右往左往は四字熟語ですか?

はい。四字熟語です。漢字ペディアの四字熟語索引にも掲載されています。

Q. 右往左往の「往」はどんな意味?

「行く」「向かう」という意味です。「往復」の「往」にも使われています。

Q. 右往左往の由来は?

右へ左へと行き来する様子から、混乱してあちこち動き回る意味で使われています。古い用例は『平治物語』などにも見られます。

Q. 右往左往は一人でも使えますか?

はい。一人でも使えます。「鍵が見つからず、家の中を右往左往した」という言い方ができます。

Q. 右往左往と行ったり来たりは同じ意味?

完全に同じではありません。「行ったり来たり」は単なる往復にも使えますが、右往左往には慌てたり混乱したりする意味があります。

Q. 右往左往と東奔西走の違いは?

右往左往は混乱して動き回ること、東奔西走は仕事や用事などのために忙しくあちこちを走り回ることです。

Q. 右往左往の反対の言葉は?

対照的な意味の四字熟語には、泰然自若や冷静沈着があります。

まとめ|右往左往は混乱してあちこち動き回ること

右往左往(うおうさおう)とは、慌てたり混乱したりして、あちらこちらへ動き回ることを意味する四字熟語です。

今回のポイントを振り返りましょう。

  • 読み方は「うおうさおう」。
  • 慌てて混乱し、あちらこちらへ動き回ることを意味する。
  • 「往」は「行く」という意味。
  • 古くは「うおうざおう」とも読まれた。
  • 『平治物語』にも古い使用例がある。
  • 一人にも大勢にも使える。
  • 「周章狼狽」はひどく慌てること、「東奔西走」は忙しく動き回ることを表す。
  • 「泰然自若」「冷静沈着」は対照的な意味の四字熟語。

突然の出来事に驚いて、何をすればよいかわからなくなることは誰にでもあります。

そんなときの様子を「右往左往した」と表現すると、慌てている様子が短い言葉で伝わります。

次に学校や家庭で慌ただしい出来事があったら、この四字熟語を思い出してみてくださいね。

参考資料