四字熟語

百発百中とは?意味・読み方・由来・使い方と例文をやさしく解説

バスケットボールでシュートを打つたびにゴールが決まる人や、クイズに次々と正解する人を見たことはありませんか?

そんなときに使える四字熟語が、百発百中(ひゃっぱつひゃくちゅう)です。

百発百中とは、放った矢などがすべて命中すること。また、予想や計画などがことごとく当たることを意味します。

実はこの言葉、中国の昔の弓の名人にまつわる故事から生まれました。

この記事では、百発百中の意味や読み方、『戦国策』に記された由来、学校や家庭で使える例文、似た四字熟語との違いをわかりやすく解説します。

目次+

百発百中の意味と読み方

百発百中は、「ひゃっぱつひゃくちゅう」と読みます。

意味は、矢などを放つたびに狙ったところへ命中させることです。

そこから意味が広がり、予想や判断、計画などがことごとく当たることも表すようになりました。

例えば、バスケットボールで何本もシュートを打ち、一本も外さなかったとします。

そんなときは「あの選手のシュートは百発百中だった」と表現できます。

ほかにも、家族の予想が何度も当たったときに「お母さんの予想は百発百中だね」と言うこともできます。

本当に100回当てなければいけないの?

百発百中には、「百」という数字が二回使われています。

しかし、実際に100回挑戦して100回成功した場合にしか使えないわけではありません。

ここでの「百」は、回数の多さや、まったく外さないことを強調する数字です。

例えば、シュートを10本打って10本とも決まったときにも、百発百中と表現できます。

ただし、一回だけ成功した場合には、通常は「見事に決まった」などの言い方が自然です。

百発百中の漢字の意味と成り立ち

百発百中は、「百発」と「百中」に分けると覚えやすくなります。

「百発」は何を意味する?

「発(はつ)」は、矢などを放つことや、放った回数を数えるときに使う漢字です。

「百発」は、矢などを百回放つことを表しています。

「百中」は何を意味する?

「中(ちゅう)」には、狙ったところに当たるという意味があります。

「命中(めいちゅう)」や「的中(てきちゅう)」にも使われていますね。

「百中」は、百回とも命中することを表します。

「百回放って、百回とも命中する」という意味から、何度挑戦しても狙いを外さないことや、予想が次々に当たることを表しています。

百発百中の由来|『戦国策』と弓の名人・養由基

百発百中の由来として知られているのが、中国の古典『戦国策(せんごくさく)』に記された故事です。

その話には、養由基(ようゆうき)という弓の名人が登場します。

養由基はどんな人物?

養由基は、古代中国の春秋時代、楚(そ)という国で弓の名手として知られた人物です。

『戦国策』の「西周策(せいしゅうさく)」には、養由基の驚くような腕前が語られています。

養由基は、百歩も離れたところにある柳の葉を狙って矢を放ち、百回射ても百回とも命中させたというのです。

柳の葉は小さいので、遠くから狙うのは難しそうですよね。

この故事では、養由基が並外れた弓の腕前を持つ人物として描かれています。

なお、これは古典に伝わる故事です。現代に残る競技記録のように、実際の百回の射撃結果を検証できるという意味ではありません。

『戦国策』には「百発百中」の四文字がある

『戦国策・西周策』には、次の一節があります。

「去柳葉者百歩而射之、百発百中」

これは、柳の葉から百歩離れて矢を射たところ、百発百中だったという内容です。

現在使われている四字熟語と同じ「百発百中」の四文字が、古い書物に登場しているのですね。

実は油断しないように注意するお話だった

『戦国策』には、養由基の腕前を褒めるだけでなく、もう一つ大切な話が書かれています。

養由基が百発百中の腕前を披露すると、周りの人たちは感心しました。

ところが、ある人は、成功したからといっていつまでも射続ければ、やがて疲れて失敗するかもしれないと注意します。

たった一度の失敗で、それまでに積み重ねた名声を損なうおそれもある、というのです。

この話は、戦国時代の武将・白起(はくき)に、これ以上むやみに戦いを続けないよう忠告するためのたとえとして語られています。

つまり、もとの故事には、優れた腕前への称賛だけでなく、成功を重ねたときこそ油断しないという戒めも含まれています。

ただし、現在の百発百中は、主に狙いや予想がことごとく当たるという意味で使われます。

百発百中の使い方と例文

百発百中は、スポーツやゲームのほか、予想や判断が次々に当たる場面でも使えます。

例文① バスケットボール

「今日のAくんのシュートは百発百中で、一本も外さなかった。」

シュートがすべて決まったことを表しています。

例文② 輪投げ

「お祭りの輪投げで、お姉ちゃんは百発百中だった。」

何度投げても、狙ったところに輪を入れられた場面です。

例文③ 家族の天気予想

「おじいちゃんの天気予想は百発百中で、今日も雨が降ることを当てた。」

何度も予想を的中させている様子です。

例文④ クイズ

「お兄ちゃんは難しいクイズに次々と正解して、まるで百発百中だった。」

答えを続けて当てている場面で使えます。

例文⑤ 的当てゲーム

「ボールを狙った場所に百発百中で当てることができた。」

狙ったところに何度も命中させた様子です。

例文⑥ 仕事での予測

「あの担当者の予測は百発百中と言われるほど、よく当たっている。」

予測の正確さを高く評価している場面です。

百発百中は、実際の命中だけでなく、予想の的確さにも使えることがわかりますね。

百発百中と似た意味の四字熟語

百歩穿楊(ひゃっぽせんよう)

百歩穿楊は、遠く離れたところから柳の葉を射抜くほど、弓の腕前が優れていることを表す四字熟語です。

「穿楊」は、柳の葉を射抜くという意味です。

この言葉も、養由基の故事と関係しています。

例文:「その選手の正確な射撃は、まさに百歩穿楊の腕前だった。」

百発百中は、何度も放って狙いを外さないことに重点があります。

一方、百歩穿楊は、遠くの小さな的を射抜くほどの高い技術に重点があります。

一発必中(いっぱつひっちゅう)

一発必中は、一回の射撃などで、確実に目標に命中させることを表す四字熟語です。

例文:「一発必中を目指して、的をよく見て投げた。」

百発百中は、繰り返し挑戦しても外さないことを表します。

一方、一発必中は、一回の機会で確実に命中させることに重点があります。

十中八九(じっちゅうはっく)

十中八九は、ほとんど確実であることや、その可能性が非常に高いことを表す四字熟語です。

例文:「空が暗くなってきたので、十中八九、雨が降るだろう。」

百発百中は、結果がすべて当たることを表します。

十中八九は、まだ結果がわからない段階で、ほぼ間違いないと予想するときにも使われます。

百発百中は「何度も当たる」、百歩穿楊は「優れた射撃の技術」、一発必中は「一回で確実に当てる」という違いがあります。

百発百中と反対の意味に近い言葉

的外れ(まとはずれ)

的外れは、狙いが外れることや、考え・意見などが要点からずれていることです。

例文:「昨日の予想は的外れだった。」

予想が当たる百発百中とは、対照的な意味になります。

見当違い(けんとうちがい)

見当違いは、考えや判断の方向が間違っていることを表します。

例文:「探す場所を間違えて、見当違いのところを調べていた。」

百発百中とは対照的ですが、完全に対応する対義語というわけではありません。

百発百中を使うときの注意点

たまたま一度当たっただけなら使わない

百発百中は、何度も狙いを当てることを強調する表現です。

例えば、一回だけシュートが決まった場合は、「見事なシュートだった」という言い方が自然です。

一方、何度も続けて成功しているなら、百発百中という言葉が使えます。

すべての成功を意味するわけではない

百発百中は、狙いが当たることや、予想・判断などが的中することを表します。

例えば、毎日忘れずに宿題をしたというだけでは、普通は百発百中とはいいません。

この場合は、「毎日欠かさず宿題をした」「継続して取り組んだ」という表現が自然です。

実際の成功率を説明するときは数字も大切

百発百中は、すべて当たることを強調する言葉です。

しかし、実際には何度か失敗している場合も、会話では大げさに「百発百中だね」と褒めることがあります。

スポーツの成績や実験結果などを正確に伝えたいときは、「10回中9回成功した」など、実際の数字を使いましょう。

百発百中は英語で何という?

百発百中は、場面によって英語の表現が異なります。

Never miss

「一度も外さない」という意味です。

例文:「She never misses the target.」

「彼女は一度も的を外しません。」

Hit the target every time

「毎回、的に当てる」という意味です。

例文:「He hits the target every time.」

「彼は毎回、的に命中させます。」

Always be right

予想や判断がいつも正しいという意味で使えます。

例文:「Her predictions are always right.」

「彼女の予想はいつも当たります。」

百発百中を英語で伝えるときは、的に当てる話なのか、予想を当てる話なのかによって表現を選びましょう。

親子でチャレンジ!百発百中の3択クイズ

問題:百発百中の意味として正しいのはどれ?

  1. 何度狙っても外さず、すべて命中させること。
  2. 百日間、毎日練習を続けること。
  3. 一度でも成功すれば、必ず名人になれること。
答えと解説を見る

正解は①です。

百発百中は、放った矢などがすべて命中することを意味します。

そこから、予想や判断などがことごとく当たる場合にも使われます。

②は練習の期間を表しているだけなので、意味が違います。

③のように、一度成功すれば名人になれるという意味でもありません。

百発百中についてよくある質問

Q. 百発百中の読み方は?

「ひゃっぱつひゃくちゅう」と読みます。

Q. 百発百中の意味は?

矢などがすべて命中することや、予想・判断などがことごとく当たることです。

Q. 百発百中は四字熟語ですか?

はい。漢字四文字からなる四字熟語です。漢字ペディアなどの辞典にも掲載されています。

Q. 百発百中は本当に100回成功しなければいけませんか?

いいえ。必ずしも実際に100回成功する必要はありません。何度も狙いを外さず成功することを強調する表現です。

Q. 百発百中の由来は?

中国の古典『戦国策・西周策』に登場する、弓の名人・養由基の故事に由来します。

Q. 百発百中と百歩穿楊の違いは?

百発百中は何度放っても当たること、百歩穿楊は遠く離れた小さな的を射抜くほど技術が優れていることを表します。

Q. 百発百中は予想にも使えますか?

はい。天気の予想やクイズの答えなど、予想や判断が何度も当たる場合にも使えます。

Q. 百発百中は褒め言葉ですか?

多くの場合、狙いを外さない技術や予想の正確さを褒める言葉として使われます。ただし、冗談や皮肉として使われる場合もあります。

Q. 百発百中の反対語は何ですか?

対照的な意味の言葉には「的外れ」「見当違い」などがあります。ただし、完全に一対一で対応する対義語というわけではありません。

まとめ|百発百中は狙いがすべて当たること

百発百中(ひゃっぱつひゃくちゅう)とは、放った矢などがすべて命中することや、予想・判断などがことごとく当たることを表す四字熟語です。

今回のポイントを振り返りましょう。

  • 読み方は「ひゃっぱつひゃくちゅう」。
  • 放った矢などがすべて命中することを意味する。
  • 予想や判断などがことごとく当たる場合にも使える。
  • 由来は、中国の弓の名人・養由基の故事。
  • 『戦国策・西周策』に「百発百中」の表現が登場する。
  • 「百」は必ずしも実際の100回を意味しない。
  • 似た四字熟語には「百歩穿楊」「一発必中」がある。
  • 「十中八九」は、ほとんど確実であるという見込みを表す。

何度も狙いを当てる人や、予想を次々に的中させる人を見たときは、「百発百中」という言葉を思い出してみてください。

そして、この言葉の由来にある「成功を重ねても油断しない」という教えも、一緒に覚えておくと面白いですね。

参考資料