四字熟語

正々堂々とは?意味・読み方・『孫子』の由来と例文を解説

運動会やスポーツ大会で、「正々堂々と戦うことを誓います!」という言葉を聞いたことはありませんか?

「正々堂々(せいせいどうどう)」は、スポーツだけでなく、学校生活や毎日の行動にも使える四字熟語です。

例えば、ゲームで負けそうになってもルールを破らず、自分の力で勝負すること。そんな行動にも「正々堂々」という言葉がぴったりです。

正々堂々とは、卑怯なことをせず、態度や行動が正しく立派であることを表す四字熟語です。

実はこの言葉、もともとは古代中国の兵法書『孫子(そんし)』に登場する、軍隊の様子を表した言葉に由来しています。

この記事では、正々堂々の意味や読み方、漢字の意味、『孫子』との関係、学校や家庭での例文、似た四字熟語との違いを、小学生にもわかりやすく解説します。

目次+

正々堂々の意味と読み方

正々堂々は、「せいせいどうどう」と読みます。

現在では、主に次のような意味で使われます。

  • 卑怯な手段を使わず、正しい態度で行動すること。
  • ごまかしや不正をせず、公平に物事に取り組むこと。
  • 態度や行動が立派で、堂々としていること。

例えば、運動会のかけっこで、ルールを守りながら最後まで走ることは、正々堂々とした行動です。

また、テストでほかの人の答えを見ず、自分の力で問題を解くことも、正々堂々とした態度といえるでしょう。

大切なのは、必ず勝つことや、いつも成功することではありません。

正しい方法で物事に取り組むことが、正々堂々の大きなポイントです。

小学生向けにひと言で説明すると?

正々堂々とは、「ずるいことをせず、正しいやり方で堂々と行動すること」です。

例えば、次のような行動が当てはまります。

  • スポーツでルールを守って勝負する。
  • テストでカンニングをしない。
  • 自分が反則したときには、隠さず認める。
  • 相手の道具を隠すなど、不正な方法で勝とうとしない。

正々堂々は、勝った人だけをほめる言葉ではありません。

負けたとしても、ルールを守って公正に競い合ったなら、「正々堂々と戦った」と表現できます。

正々堂々の漢字の意味と成り立ち

正々堂々は、「正々(せいせい)」と「堂々(どうどう)」に分けて考えると、意味を理解しやすくなります。

「正々」の意味

「正」には、正しい、整っているという意味があります。

『孫子』に登場する「正正」は、軍隊の旗や隊列がきちんと整っている様子を表しています。

なお、現在の表記では「正々」と書きますが、漢文の原文では「正正」と表されています。

「堂々」の意味

「堂々」は、立派で威厳がある様子や、勢いが盛んな様子を表します。

『孫子』では、軍隊の陣形が立派に整い、勢いのある様子を表しています。

現在でも、「堂々と発表する」「堂々とした態度」のように使われますね。

「正々堂々」と「正正堂堂」は同じ?

辞典では、「正正堂堂」という表記も使われています。

現在の文章では、同じ漢字を繰り返すときに「々」を使い、「正々堂々」と書くのが一般的です。

「正正堂堂」と「正々堂々」は、基本的に同じ言葉を表しています。

学校の作文や日常の文章では、「正々堂々」と覚えておくとよいでしょう。

正々堂々の由来は『孫子』という中国の兵法書

正々堂々の由来は、古代中国の兵法書『孫子(そんし)』の「軍争篇(ぐんそうへん)」にあります。

兵法書とは、戦いの作戦や軍隊の動かし方などについて書かれた本です。

『孫子』の軍争篇には、次の文章が見られます。

「無邀正正之旗、勿撃堂堂之陣」

書き下し文では、「正々の旗を邀(むか)うること無かれ、堂々の陣を撃つこと勿(な)かれ」と読みます。

「邀」は迎え撃つこと、「勿」は「〜してはいけない」という意味です。

この文章は、隊列が整い、勢いのある敵の軍隊を、むやみに迎え撃ったり攻撃したりしないよう説いています。

正々堂々は、もともと軍隊の旗や陣形が整い、勢いが盛んな様子を表す言葉に由来しています。

そこから意味が広がり、現在では「態度や手段が正しく立派で、卑怯なことをしない様子」を表すようになりました。

『孫子』ではなぜ強い敵を攻撃しないの?

今の「正々堂々」には、正しい方法で勝負するという意味があります。

しかし、『孫子』の軍争篇では、相手の軍隊が整い、勢いも強いときには、むやみに攻撃を仕掛けないよう説いています。

これは、敵の状態をよく見て、戦い方を判断するという戦術上の考え方です。

例えば、十分に準備された相手へ無理に攻撃を仕掛ければ、味方が不利になる可能性があります。

そのため、相手の様子や戦いの状況を冷静に判断することが大切だと考えられていました。

ただし、「正々堂々」という言葉そのものが「戦わずに逃げること」を意味するわけではありません。

言葉のもとになった文章の意味と、現在使われている意味は区別して覚えましょう。

正々堂々の使い方と例文

正々堂々は、スポーツや競争、学校生活、仕事など、さまざまな場面で使われます。

よく使う表現は、「正々堂々と戦う」「正々堂々と勝負する」「正々堂々とした態度」などです。

例文① 運動会

「私たちはルールを守り、正々堂々と競い合うことを誓います。」

運動会の選手宣誓などで使われる、代表的な表現です。

例文② サッカーの試合

「反則をせず、正々堂々と試合を戦った。」

勝ち負けに関係なく、正しい方法で試合に臨んだことを表しています。

例文③ 学校のテスト

「答えがわからない問題もあったけれど、カンニングをせず、正々堂々と自分の力で解いた。」

ごまかさず、自分の力で取り組んだ場面です。

例文④ 友達とのゲーム

「ゲームで負けそうになってもルールを変えず、正々堂々と勝負した。」

ずるい方法で勝とうとせず、ルールを守ったことを表します。

例文⑤ 学級委員の選挙

「相手の悪口を言わず、自分の考えを伝えて正々堂々と選挙に臨んだ。」

公正な態度で競い合う場面にも使えます。

例文⑥ 仕事

「彼は間違いを隠さず、正々堂々とした態度で説明した。」

不正をせず、立派な態度で物事に向き合う様子です。

正々堂々と似た意味の四字熟語

公明正大(こうめいせいだい)

公明正大は、公平で、良心に恥じるところがなく、正しいことを表します。

例文:「審判は公明正大な態度で判定した。」

正々堂々と意味が近い言葉ですが、公明正大は特に公平さや私心のなさに重点があります。

光明磊落(こうめいらいらく)

光明磊落は、心が明るく、隠し事や後ろめたいことがない様子を表します。

例文:「彼は光明磊落な人柄で、周囲から信頼されている。」

正々堂々が態度や行動の立派さを表すのに対して、光明磊落は人の心や性格の開けた様子を表すことが多い言葉です。

威風堂々(いふうどうどう)

威風堂々は、態度や姿が立派で、威厳がある様子を表します。

例文:「選手たちは威風堂々と入場した。」

正々堂々と同じく「堂々」という言葉が含まれますが、意味は異なります。

正々堂々は、正しく公正な態度。威風堂々は、立派で威厳のある姿や態度。

威風堂々には、必ずしも「卑怯なことをしない」という意味は含まれません。

正々堂々と反対の意味に近い言葉

卑怯(ひきょう)

卑怯は、ずるい方法を使ったり、正しくない手段で物事を行ったりすることです。

例文:「相手の道具を隠して勝とうとするのは卑怯な行動だ。」

不正(ふせい)

不正は、決められたルールや正しい方法に反することです。

例文:「大会では不正をせず、公平に競い合うことが大切だ。」

不公平(ふこうへい)

不公平は、人によって扱いに差があり、公平でないことです。

例文:「一人だけ有利になるようにルールを変えるのは不公平だ。」

これらは正々堂々と対照的な意味を表しますが、四字熟語として一対一に対応する対義語とは限りません。

正々堂々は英語で何という?

正々堂々に近い英語表現として、fair and squareがあります。

「公平に」「正当な方法で」という意味です。

Fair and square

例文:「We won fair and square.」

「私たちは正々堂々と勝った。」

ずるい方法を使わず、正しく勝ったことを表す自然な英語表現です。

Play fair

スポーツやゲームでは、「Play fair.(フェアにプレーしよう)」という表現も使われます。

例文:「Let's play fair.」

「正々堂々とプレーしよう。」

日本語の四字熟語と英語の表現は完全に一対一で対応するわけではないため、場面に合わせて使い分けましょう。

正々堂々と行動するために大切なこと

正々堂々という言葉には、勝負するときだけでなく、毎日の生活でも役立つ考え方があります。

例えば、自分が失敗したとき、ごまかさずに事実を伝えること。

友達と意見が違うときに、相手の悪口を言わず、自分の考えを落ち着いて話すこと。

どちらも、正しい態度で物事に向き合うために大切なことです。

ただし、正々堂々だからといって、いつも一人で問題を解決しなければならないわけではありません。

不公平な扱いを受けたり、困ったことが起きたりしたときには、先生や家族など、信頼できる大人に相談してもよいのです。

正々堂々と行動するために大切なのは、勝ち負けだけにこだわらず、自分も相手も尊重し、卑怯な手段を使わないことです。

親子でチャレンジ!正々堂々の3択クイズ

問題:正々堂々の意味として正しいのはどれ?

  1. 卑怯なことをせず、正しい態度で堂々と行動すること。
  2. 勝負に勝つためなら、どんな方法を使ってもよいこと。
  3. 相手に負けないよう、いつも大きな声を出すこと。
答えと解説を見る

正解は①です。

正々堂々は、卑怯な手段を使わず、正しい態度で行動することを表します。

②のように、勝つためなら何をしてもよいという意味ではありません。

③のように、声の大きさや態度の強さを表す言葉でもありません。

大切なのは、ルールを守り、公正な態度で物事に取り組むことです。

正々堂々についてよくある質問

Q. 正々堂々の読み方は?

「せいせいどうどう」と読みます。

Q. 正々堂々の意味は?

卑怯なことをせず、態度や行動が正しく立派であることです。もともとは、軍隊の陣容が整い、勢いが盛んな様子を表す言葉に由来します。

Q. 正々堂々はどの本に由来しますか?

古代中国の兵法書『孫子』の軍争篇にある、「正正之旗」「堂堂之陣」という表現に由来します。

Q. 正々堂々は勝負のときだけ使いますか?

いいえ。学校生活や仕事、普段の行動などにも使えます。

Q. 正々堂々と戦って負けてもよいのですか?

はい。正々堂々は、勝つことそのものではなく、公正な態度で勝負することを表します。

Q. 正々堂々と公明正大の違いは?

どちらも正しく立派な態度を表しますが、公明正大は特に、公平で私心のないことに重点があります。

Q. 正々堂々と威風堂々は同じ意味ですか?

同じではありません。正々堂々は卑怯なことをせず正しく行動すること、威風堂々は態度や姿が立派で威厳があることです。

Q. 「正正堂堂」と書いてもよいですか?

「正正堂堂」も辞典に掲載される表記です。日常の文章では「正々堂々」と書くのが一般的です。

Q. 正々堂々は英語で何といいますか?

場面によって、「fair and square」や「play fair」などと表現できます。

まとめ|正々堂々は卑怯なことをせず立派に行動すること

正々堂々(せいせいどうどう)は、卑怯なことをせず、正しい態度で堂々と行動することを表す四字熟語です。

今回のポイントを振り返りましょう。

  • 読み方は「せいせいどうどう」。
  • 現在では、卑怯な手段を使わず、態度や行動が正しく立派であることを意味する。
  • 由来は、古代中国の兵法書『孫子』の軍争篇。
  • もともとは、軍隊の旗や陣形が整い、勢いが盛んな様子を表していた。
  • 運動会やスポーツ、学校生活、仕事など、さまざまな場面で使える。
  • 「公明正大」は公平さ、「威風堂々」は立派で威厳のある姿や態度に重点がある。
  • 正々堂々と戦うことは、必ず勝つことを意味しない。

運動会やゲームで勝負するとき、そして毎日の学校生活でも、「正々堂々」という言葉を思い出してみましょう。

勝ち負けだけでなく、自分がどんな方法で行動したかを大切にしたいですね。

参考資料