四字熟語

五分五分(ごぶごぶ)ってどんな意味?

テレビでスポーツの試合を見ているときや、お友達とゲームをして遊んでいるときなどに、「今の勝負は、五分五分(ごぶごぶ)だったね!」なんて言葉を聞いたことはありませんか?

同じ漢字が二回も繰り返されていて、なんだか不思議な響きがする言葉ですよね。

大人たちが普段の会話で何気なく使っている言葉ですが、いざ「どういう意味?」と聞かれると、はっきりと答えるのが難しいかもしれませんね。

もしかしたら、「数字の五が入っているから、5のことかな?」と思うお子さんもいるかもしれません。

実はこの言葉には、毎日の生活の中でとっても使いやすい、便利な意味が隠されているんですね。

今日は、この不思議な言葉の意味や、どうしてこんな漢字を書くのかという秘密を、小学生の皆さんにもわかりやすくお話ししていきたいと思います。

お父さんやお母さんと一緒に、「なるほど、そういうことだったんだ!」と楽しみながら読んでみてくださいね。

それでは、言葉の探検に出発しましょう。

「どちらも同じくらい」と「半分ずつ」という2つの意味があるんです

さっそくですが、この言葉がどんな意味を持っているのかを見ていきましょう。

実は、大きく分けると2つの大切な意味があるんですね。

まず1つ目の意味は、お互いの力や条件にまったく差がないことを表しています。

たとえば、あなたとお友達がかけっこをして、本当に同時にゴールテープを切ったとしますよね。

どちらが速いか決められないくらい、2人の実力が同じだったとき、「2人の力は同じくらいだったね」と言う代わりに使われるんです。

どちらかが特別に強いわけではなく、優劣がつけられない状態のことですね。

そして2つ目の意味は、うまくいくか、いかないかの可能性が半分ずつであることを表しています。

明日の遠足の日に、雨が降るか、それとも晴れるか、どちらになるかまったく予想がつかないことってありますよね。

「晴れるかもしれないし、雨かもしれない。どちらの可能性も同じくらいあるよ」というときに、この言葉がぴたりと当てはまるんです。

どちらの意味にも共通しているのは、「片方に偏っていなくて、バランスがとれている」というイメージかもしれませんね。

天秤(てんびん)の右と左に同じ重さのものを乗せると、釣り合ってまっすぐになりますよね。

あの釣り合っている状態を、言葉で表したものだと想像してもらうと、きっとわかりやすいと思います。

どうして「五」と「分」が2回も繰り返されるの?

意味がわかったところで、今度は漢字の形に注目してみましょう。

「五」という数字と「分」という漢字が、仲良く2回ずつ並んでいますよね。

どうしてこのような不思議な形になったのか、その秘密を探っていきましょう。

「分」という漢字にはどんな意味があるの?

まず、「分」という漢字について一緒に考えてみましょう。

算数の授業で「分数」や「何分の一」という言葉を習ったことがあるかもしれませんね。

「分」という漢字は、包丁で何かを切り分けるような形から生まれたと言われていて、「いくつかに分ける」という意味を持っているんです。

大きなホールケーキを想像してみてください。

そのケーキを、家族みんなで食べるために、同じ大きさに切り分けますよね。

この「全体をいくつかに切り分ける」という考え方が、言葉の成り立ちにとても深く関わっているんですね。

昔から日本では、全体を「10個」に切り分けて考える習慣がありました。

10個に分けたうちの1つを「一分」、2つを「二分」と呼んでいたんですね。

これは、今の私たちがパーセントを使って「100個に分ける」のとは少し違う、昔ながらの素敵な考え方かもしれませんね。

「五」が表すのは全体の半分なんですね

全体を10個に切り分けたということがわかると、「五分」の意味が見えてくる気がしませんか?

そうです、10個に分けたうちの「5個分」ということです。

10個の中の5個ということは、ちょうど「半分」ということになりますよね。

つまり、「五分」という言葉には「半分」という意味が込められているんです。

では、それが2回繰り返されているのはどうしてでしょうか。

それは、「あなたも半分、わたしも半分」というように、2つのものが向き合っている様子を表しているからなんですね。

たとえば、10個のクッキーがあったとします。

それをあなたとお友達で分けるとき、あなたが5個、お友達も5個もらったとしたら、まったく同じ数で不公平がありませんよね。

この「あなたも5個、わたしも5個で、まったく同じ量だよ」という状態を言葉にしたのが、この不思議な言葉の本当の由来だと言われているんです。

そう考えると、同じ漢字が2回繰り返されているのも、なんだかとても自然なことに思えてきますよね。

大人も間違えやすい?5パーセントとの違い

ここで、少しだけ注意しておきたいお話があります。

実は、大人の人でもたまに勘違いしてしまうことがあるんですね。

それは、「五分」という言葉を「5パーセント」のことだと勘違いしてしまうことなんです。

どうしてそんな勘違いが起きるのでしょうか。

野球のニュースなどをテレビで見ていると、「打率3割2分」なんていう言葉を聞くことがありますよね。

このときの「割(わり)」は10分の1(10パーセント)のことなんですが、その下にある「分」は、100分の1(1パーセント)を表しているんです。

だから、「五分ってことは、5パーセントのこと?」と迷ってしまう大人の人がたくさんいるんですね。

でも、今日皆さんが学んだ言葉では、まったく意味が違います。

この言葉で使われているときは、「5パーセント」ではなく、「10個のうちの5個(半分)」という意味で使われているんです。

もしお父さんやお母さんが「これって5パーセントのことかな?」と悩んでいたら、「違うよ、ちょうど半分っこのことだよ!」と教えてあげてくださいね。

きっと、「よく知ってるね!」とびっくりされるかもしれませんよ。

似ている言葉との違いも知っておきましょう

日本語には、同じような意味を持つ別の言葉がたくさんあります。

似ている言葉を知っておくと、お話のなかで上手に使い分けができて、とってもかっこいいですよね。

ここでは、仲間の言葉をいくつか紹介してみたいと思います。

「互角(ごかく)」との違いは?

スポーツの試合などでよく聞く言葉に、「互角(ごかく)」というものがあります。

これも、「どちらの力も同じくらいで、勝負がなかなかつかない状態」を表す言葉なんですね。

牛などの動物のツノ(角)が、右と左でまったく同じ長さでそろっている様子から生まれたと言われているんですよ。

「二人の実力は互角だ」という風に使います。

意味はほとんど同じですが、今日学んでいる言葉のほうが、普段の会話で少し柔らかく、親しみやすい感じで使えるかもしれませんね。

「フィフティフィフティ」と同じ意味なの?

英語にも、まったく同じように作られた言葉があるのをご存知ですか?

それが「フィフティフィフティ」です。

「フィフティ」は英語で「50」という意味ですよね。

全体を100パーセントとしたとき、あなたが50パーセント、わたしも50パーセント。

つまり、日本の「5と5」という考え方が、英語では「50と50」になっているだけで、考え方は世界共通なんですね。

なんだか、昔の日本の人と外国の人が、同じようなことを考えて言葉を作ったと思うと、とっても面白く感じませんか?

「引き分け」や「おっつかっつ」とも似ていますね

ほかにも、勝負が決まらないことを表す「引き分け」という言葉がありますよね。

ゲームをしていて、点数がまったく同じだったときに「引き分けだね!」と言いますよね。

また、少し昔の言葉で「おっつかっつ」という面白い響きの言葉もあります。

「追いつ、追われつ」というように、追いかけたり追いかけられたりして、なかなか差が開かない様子からできた言葉なんです。

日本語には、同じ「力に差がない」という状況を表すだけでも、こんなにたくさんの言葉があるんですね。

状況に合わせていろんな言葉を選べるようになると、お話をするのがもっと楽しくなるかもしれません。

学校やおうちで使ってみよう!楽しい使い方

意味や由来がわかったところで、次は実際にどんな風に使えばいいのかを見ていきましょう。

小学生の皆さんの毎日の生活の中で、思わず使ってみたくなるような場面を3つ用意してみました。

声に出して読んでみて、イメージをふくらませてみてくださいね。

シチュエーション1:学校でのスポーツやゲームのとき

体育の授業や、休み時間のドッジボールでの出来事です。

赤組と白組に分かれて試合をしていますが、どちらもとっても強くて、なかなか点数が入りません。

応援しているお友達も、どっちが勝つかハラハラドキドキしています。

そんなときに、こんな風に言ってみましょう。

「赤組も白組もすごいね!これじゃあ、今日の試合は勝てるかどうかわからない、五分五分の勝負だね!」

どちらかが圧倒的に強いわけではなく、実力がぴったり同じくらいであることを、お友達にうまく伝えることができますよね。

「そうだね、どっちが勝つか最後までわからないね!」と、きっとお友達も共感してくれるはずです。

シチュエーション2:おうちでの天気や結果の予想

明日は待ちに待った家族でのお出かけの日です。

でも、テレビの天気予報を見ると、大きな雲のマークと太陽のマークが並んでいて、降水確率(雨が降る確率)が50パーセントになっています。

晴れるのか、それとも雨が降ってしまうのか、お父さんもお母さんも悩んでいます。

そんなときには、こんな風に使ってみましょう。

「明日の天気は晴れるか雨か、五分五分みたいだね。てるてる坊主を作ってお願いしようよ!」

可能性がちょうど半分ずつであることを、たった一つの言葉で表現できてしまいますね。

おみくじを引いて「大吉が出るか、それ以外が出るか」というような、結果がわからないワクワクする場面でも使うことができるんですよ。

シチュエーション3:家族とのちょっとした交渉ごと

おやつの時間に、とっても美味しいケーキが一つだけ残っていました。

お兄ちゃん(お姉ちゃん)も食べたいし、あなたも食べたいと言っています。

じゃんけんで勝った方が全部食べるのもいいけれど、それだと負けた方が悲しくなってしまいますよね。

お母さんが包丁を持ってきて、「喧嘩しないで、仲良く半分ずつにしようね」と言ってくれました。

そんな優しい場面でも、この言葉の考え方が隠れています。

「お兄ちゃんとおやつのケーキを五分五分に分けたから、二人ともニコニコだよ!」

実は、「お互いが同じ量をもらって満足している状態」を表すときにも、この言葉の仲間が使われることがあるんですね。

半分ずつ分け合うという優しい気持ちが、言葉の中にも込められているような気がしませんか。

今日お話ししたことのおさらいです

さて、ここまで言葉のいろんな秘密を探検してきましたが、いかがでしたか?

ちょっと難しい漢字が並んでいましたが、意味はとてもシンプルでわかりやすかったのではないでしょうか。

最後に、今日学んだ大切なポイントを一緒におさらいしておきましょう。

まず、意味は2つありましたよね。

1つ目は、お互いの力や条件に差がなく、同じくらいであること

2つ目は、うまくいくかどうか、どちらになるかの可能性が半分ずつであることでしたね。

そして、漢字の成り立ちについても学びました。

「分」という漢字は、全体を10個に切り分けるという昔の考え方から来ていて、「五」は10個の半分である5個を表していました。

だから、「5パーセント」のことではなくて、「あなたも半分、わたしも半分でまったく同じ」という素敵な意味が隠されていることもわかりましたよね。

英語の「フィフティフィフティ」や、日本語の「互角」「引き分け」といった仲間の言葉も、一緒に覚えておくととっても便利です。

明日からいろんな場面で使ってみましょう

言葉というものは、辞書や本で意味を覚えるだけでなく、実際に声に出して使ってみることで、本当の意味で自分のものになっていくんですね。

今日学んだ言葉は、大人の人がお仕事の会話で使うこともあれば、小学生の皆さんが遊びのなかで使うこともできる、とても便利な言葉です。

明日、学校でお友達とゲームをしていて勝負がなかなかつかないとき。

または、おうちで「明日のおやつのゼリー、いちご味とぶどう味どっちにする?」と迷ったとき。

ぜひ、「うーん、どっちもいいなあ。今の気持ちは五分五分だよ!」と、元気よく使ってみてください。

言葉を上手に使えるようになると、自分の気持ちや考えを、お友達や家族にもっと正確に、もっと楽しく伝えることができるようになります。

もしお友達に「それってどういう意味?」と聞かれたら、今日学んだケーキを半分こにする話を教えてあげてくださいね。

きっと、「すごい!物知りだね!」と尊敬されてしまうかもしれませんよ。

これからも、身の回りにある不思議な言葉に出会ったら、「どうしてこんな漢字を書くのかな?」「どんな意味が隠れているのかな?」と、好奇心を持って調べてみてください。

言葉の世界は、知れば知るほどワクワクする発見でいっぱいなんですよ。

親子で一緒に言葉のクイズを出し合いながら、楽しい会話の時間を過ごしてみてくださいね。