
宿題を忘れて先生に怒られてしまったり、夜遅くまでゲームをしすぎて朝起きられなくなってしまったり。
そんな失敗をしてしまったとき、おうちの人や先生から「それは自業自得(じごうじとく)だよ」と、少し呆れたように言われた経験はありませんか?
なんだか難しい漢字が4つも並んでいて、響きだけでも「怒られている」「自分が悪いんだ」という感じがヒシヒシと伝わってきますよね。
きっと多くの人が、この言葉を聞くと少し心がチクッとしたり、反省しなきゃと思ったりするかもしれませんね。
でも、ちょっと待ってください。
実は、この言葉には、みんながまだ知らない「あっと驚くようなヒミツ」が隠されているんです。
悪いことをしたときにバツを受ける言葉、というだけのイメージで終わらせてしまうのは、本当にもったいないんですよ。
もしかしたら、この言葉の本当の姿を知ることで、明日からの生活が少しハッピーになるかもしれませんね。
今日は、この不思議な四字熟語について、小学生のみなさんにもわかりやすく、そして大人の方にも「へぇ〜、そうだったんだ!」と感心していただけるようなお話をしていきたいと思います。
言葉の世界は、まるで宝探しのような大冒険です。
私たちと一緒に、その扉をそっと開いてみましょうね。
自分がやったことの結果は、そっくりそのまま自分に返ってくるということ

まずは、この言葉がそもそもどういう意味なのかを、小学生のみなさんにも一発でパッとイメージできるように、わかりやすくお伝えしますね。
辞書を開いてみると、「自分がおこなった行為の結果や報いを、自分自身が受けること」と書かれています。
少し難しく聞こえるかもしれませんが、とってもシンプルなことなんですよ。
要するに、「自分がやったことの結果は、誰のせいでもなく、そっくりそのまま自分に返ってくるんだよ」ということなんですね。
これって、なんだか鏡みたいで面白いと思いませんか?
たとえば、自分が鏡の前に立って、ニッコリと笑顔を作れば、鏡の中の自分も笑顔になりますよね。
反対に、自分がプンプン怒って怖い顔をすれば、鏡の中の自分も怖い顔になってしまいます。
それと同じように、自分のとった行動が、そのまま「未来の自分の結果」として跳ね返ってくる、ということを表した言葉なんです。
みなさんも、お部屋の片付けをずっとサボっていて、いざお出かけしようとしたときに「ああっ!お気に入りのおもちゃが見つからない!」と大慌てしたことはありませんか?
あれもまさに、自分が「片付けなかった」という行動が、「おもちゃが見つからなくて困る」という結果になって自分に返ってきているんですね。
わかりますよね、実は私たち大人も、こういう失敗をよくやってしまうんです。
誰かのせいにしてしまいそうになることもありますが、「あ、これは自分の行動がつくりだした結果なんだな」と気付かせてくれるのが、この言葉の役割なのかもしれませんね。
でも、この言葉の面白さはこれだけではありません。
次の章からは、もっと深い歴史とヒミツを探るタイムトラベルに出発してみましょう。
漢字に隠されたルーツを探る大冒険漢字を一つずつよーく見てみてください。
「自(じぶん)」「業(ごう)」「自(じぶん)」「得(える)」という4つの漢字でできていますよね。
「自分」と「得る」は普段からよく使うのでなんとなくわかるけれど、「業(ごう)」って一体どんな意味なんでしょうか。
普段の生活ではあまり聞きなれない漢字かもしれませんね。
実はこの「業」という漢字を追いかけていくと、とっても昔の、遠い遠い国のお話にたどり着くんです。
はるか昔のインドからやってきた特別な教え
この四字熟語は、もともとは「仏教(ぶっきょう)」という古い教えの中から生まれた言葉なんです。
仏教というのは、およそ2500年も前のインドで生まれた歴史ある教えなんですね。
2500年前と聞くと、気が遠くなるくらい大昔のことに感じて、なんだかワクワクしてきませんか?
そんな大昔のインドの人たちが大切にしていた考え方が、今の日本の小学生のみなさんの口からも飛び出しているなんて、とってもロマンチックですよね。
そして、さきほど不思議に思った「業(ごう)」という漢字。
これは、古代インドの言葉である「サンスクリット語」の「カルマン(またはカルマ)」という言葉を、昔のえらいお坊さんたちが漢字に翻訳したものだと言われています。
カルマンというのは、ズバリ「自分がおこなった行為」や「行い」そのものを意味している言葉なんです。
もしかしたら、漫画やゲームの中で「カルマ」という言葉を聞いたことがあるお友達もいるかもしれませんね。
つまり、「自業(じごう)」というのは「自分がやった行動」のこと。
そして「自得(じとく)」というのは、「自分がその結果を受け取る、手に入れる」ということです。
これらをガッチャンコしてつなぎ合わせると、「自分の行動が、自分の未来の結果になるよ」という、宇宙の法則のような大きな意味ができあがるんですね。
みんなが勘違いしている最大のヒミツ
ここで、みなさんに一つ、あっと驚くようなお話をしたいと思います。
みなさんはこの言葉を言われると、なんだか「悪いことをしたからバツを受けたんだ」というような、暗くて嫌な気持ちになりませんか?
テレビのニュースや日常の会話でも、「悪い結果がおきたとき」に使われることがほとんどですよね。
でも、実はこれ、もともとの意味からすると半分だけしか合っていないんです。
仏教の本来の教えでは、「良い行いも、悪い行いも、すべての結果は自分の行動から生まれる」という中立な法則のことを指していたんですよ。
つまり、もともとは決して「悪いこと」だけに限った言葉ではなかったんですね。
たとえば、毎日一生懸命に足が速くなるように練習をして、ついに運動会で一等賞をとれたとします。
これも、自分の「がんばって練習した」という行動が、「一等賞」という素晴らしい結果になって返ってきたわけですから、本来の意味で言えば立派な「自業自得」なんです。
「えっ、一等賞をとって褒められているのに、自業自得なの!?」とビックリしちゃいますよね。
お友達に親切にしてあげたら、自分が困っているときにお友達が優しく助けてくれた。
これも、自分が生み出したとってもハッピーな自業自得なんですね。
そこには、「自分の行動次第で、未来の運命はいくらでも良くしていける」という、とても前向きで力強いメッセージが込められているんです。
なんだか、この言葉のイメージがガラッと変わってきませんか?
未来は自分で作れるんだよ、と優しく背中を押してくれているのかもしれませんね。
どうして日本ではネガティブなイメージになったの?
でも、それならどうして、今の日本では「悪い意味」ばかりで使われるようになってしまったのでしょうか。
これってすごく気になりますよね。
実は、日本にこの教えが伝わって長い時間が経つうちに、人々の考え方が少しずつ変わっていったからだと言われています。
「これは自分が過去にやった行動の結果だから、もうあきらめて受け入れるしかないよ」という、少しなぐさめや、相手を突き放すようなニュアンスが強くなっていったんですね。
何か悪いことが起きて落ち込んでいるときに、「自分が悪いことをしたんだから、こうなっても仕方がないよね」と、失敗したときの理由や言い訳として使われることが増えてしまったのです。
言葉というのは、長い年月をかけて使っていくうちに、みんなの使いやすいように意味が少しずつ変化していくものなんですね。
まるで生き物みたいに姿を変えていくなんて、とっても面白いと思いませんか?
だから、現代の日本で「一等賞おめでとう!自業自得だね!」なんてお友達に言ってしまうと、相手は「えっ、私なにか悪いことしたかな…?」と勘違いして悲しくなってしまうかもしれません。
本来は良い意味もあるんだよ、という知識は「言葉のふしぎなヒミツ」として頭の隅っこに大切にしまっておいて、実際の会話では使う場面に少し気をつけるのが良さそうですね。
似ている言葉も知っておくとハカセになれるかも?
言葉のルーツがわかったところで、同じような意味を持つ言葉やことわざも一緒に知っておくと、もっと言葉ハカセになれるかもしれませんよ。
いくつか紹介しますので、ぜひ親子で一緒に声に出して読んでみてくださいね。
因果応報(いんがおうほう)
これも同じく仏教からきている言葉で、「良い行いには良い結果が、悪い行いには悪い結果がやってくるよ」という意味です。
意味としてはそっくりですよね。
でも、こちらの言葉のほうが、少しだけ「運命」みたいな大きな目に見えない力を感じる言葉かもしれませんね。
大人の方でも、よく座右の銘(ざゆうのめい)にしている人がいるくらい、かっこいい響きの言葉です。
身(み)から出たさび
これは日本の有名なことわざです。
刀の「さび」は、もともと刀そのもの(身)から出てきて、そのまま放っておくと刀自身をボロボロにしてしまいますよね。
それと同じように、「自分の悪い行いが原因で、自分が苦しむこと」を表しています。
なんだか少し痛そうな言葉ですが、とてもイメージしやすくて、昔の人の表現力に驚かされますよね。
自分でまいた種は自分で刈(か)り取る
これもよく聞く言葉ですね。
お花や野菜の種をまいたら、お水をあげて大切に育てて、最後は自分で収穫(刈り取る)するのと同じように、「自分が始めたことの責任は、最後まで自分が持つんだよ」ということを教えてくれています。
どれも少しずつニュアンスは違いますが、根っこにある「自分の行動と結果はつながっている」という考え方はみんな同じなんですね。
こんな風に似ている言葉を集めてみるのも、言葉の勉強の楽しいところかもしれませんね。
どんなときに使うの?シチュエーション別の楽しい使い方
さて、言葉の由来や意味がしっかりとわかったところで、次は「じゃあ、実際にどんな風に使えばいいの?」というところを見ていきましょう。
小学生のみなさんの身の回りで起きそうな、3つのシチュエーションを劇の台本のように用意してみました。
ネガティブな(失敗したときの)使い方と、ポジティブな(良い意味での)使い方の両方を紹介するので、どんな風に感じるか一緒に想像しながら読んでみてくださいね。
学校生活でのあるあるシーン
学校では、毎日いろんな事件が起きますよね。
こんな場面、みなさんのクラスでも見たことがありませんか?
ついついやってしまった失敗編
太郎くんは、算数の授業中に先生のお話を聞かずに、ずっと消しゴムをちぎって遊んでいました。
すると、先生が突然「じゃあ太郎くん、この問題の答えを教えてください」と当ててきました。
太郎くんはハッとして立ち上がりましたが、「えっ、どこをやっているかわかりません…」と困って赤くなってしまいました。
その様子を見ていた周りのお友達は、心の中でこう思ったかもしれませんね。
「先生のお話を聞いていなかったんだから、答えられないのは自業自得だよね。」
これは、自分が「お話を聞かないで遊ぶ」という行動をした結果、「答えられなくて恥ずかしい思いをする」という結果を受け取った典型的なパターンですね。
みなさんも、ドキッとした心当たりがあるかもしれませんね。
実は私たち大人も、大事なお話を聞き逃して同じような失敗をしてしまうことがよくあるんですよ。
本来の意味を使ったハッピー編
今度は、さっき学んだ「良い意味」でのパターンを見てみましょう。
花子さんは、毎朝早起きをして、コツコツと漢字の書き取り練習をがんばっていました。
そして迎えた漢字テスト本番。見事に100点を取ることができました!
花子さんはニッコリ笑って、お友達にこう言いました。
「毎日がんばって練習したおかげで100点が取れたわ。これも良い意味での自業自得ね!」
なんだか、とってもかっこよくて大人っぽい言い方ですよね。
自分の努力がしっかり実を結んだことを、自信を持って表現しています。
もちろん、お友達に突然言うとびっくりされるかもしれないので、おうちの人との会話で「今日のテスト、とっても良い自業自得だったよ!」なんて報告してみるのも楽しいかもしれませんね。
おうちの人もきっと、「そんな言葉知ってるの!」と驚いて褒めてくれるはずですよ。
おうちでの日常シーン
おうちの中にも、この言葉がピッタリ当てはまる出来事はたくさん転がっていますよ。
ある家族のやりとりを、少しのぞいてみましょう。
おやつの食べすぎで大ピンチ
日曜日の午後、お兄ちゃんは大好きなポテトチップスとチョコレートを、お母さんに内緒で一人で全部食べてしまいました。
夕方になって、なんだかお腹がギュルギュルと痛くなってきました。
「う〜ん、お腹が痛いよ〜」とベッドで丸くなって苦しむお兄ちゃん。
お母さんは心配しながらも、少しあきれ顔で優しくこう言いました。
「あんなにたくさん一気におやつを食べるからよ。お腹が痛くなるのも自業自得ね。お薬を飲んで少し休みましょう。」
これは「おやつの食べすぎ」という行動が、「お腹が痛くなる」という辛い結果を連れてきたんですね。
先ほど紹介した「身から出たさび」なんていう言葉で言われることもありそうです。
自分の行動が原因で困ったことになっている、という状況がとてもよくわかりますよね。
私たちも、ついつい美味しいものを食べすぎてしまうことがあるので、気をつけないといけませんね。
家族とのお出かけシーン
最後は、休日の家族でのお出かけでの一コマです。
お父さんのちょっとした失敗談を見てみましょう。
お父さんのうっかり忘れ物
今日は、家族みんなで楽しみにしていた遊園地に出かける日です。
朝、お母さんが「お父さん、カメラのバッテリーは充電した?」と聞いたのに、お父さんはテレビに夢中で「大丈夫、大丈夫!あとでやるよ」と言ったまま、すっかり忘れてしまいました。
いざ遊園地に着いて、綺麗なパレードの写真を撮ろうとしたら…なんと、カメラの電源が入りません!
「しまった、充電するのを忘れてた!」と頭を抱えて落ち込むお父さん。
そんなお父さんを見て、子どもたちがクスクス笑いながら言いました。
「お母さんの注意を聞かずに後回しにしたんだから、写真が撮れないのはお父さんの自業自得だよ〜!」
お父さんは「うっ、その通りだ…返す言葉もないよ」とタジタジです。
このように、周りからの注意や優しいアドバイスを無視して失敗してしまったときにも、この言葉はピッタリ当てはまるんですね。
カメラのせいにしたり、遊園地のせいにしたりするのではなく、「自分の行動が原因なんだ」と素直に気付くための、ちょっとした魔法の言葉なのかもしれませんね。
今回のおさらい!自分の行動が未来をつくる
さて、ここまで「自業自得」という言葉について、いろいろな角度から探検してきましたが、いかがでしたか?
最初は難しい漢字が並んでいて、なんだか怒られそうで怖い言葉だと思っていた人も、少しイメージが変わって優しく感じられたのではないでしょうか。
ここで、今日お話ししたとっても大切なポイントを、もう一度一緒におさらいしておきましょう。
・読み方は「じごうじとく」です。
・もともとは2500年前のインドで生まれた仏教の言葉でしたね。
・「業(ごう)」は自分の行い・行動のことでした。
・本来は「良いことも悪いことも、自分の行動が自分の結果になる」という、どちらのことも含んだ中立な意味でした。
・でも、現代の日本では「悪い行いをして、悪い結果になったとき」に使われるのが一般的になっています。
このように言葉の歴史を整理してみると、言葉って本当に奥が深くて面白いですよね。
私たちは毎日、意識していなくてもたくさんの行動をしています。
朝早く起きるか、お布団の中で二度寝するか。
宿題を先にしてしまうか、ゲームを先にしてしまうか。
お友達に優しい言葉をかけるか、ついつい意地悪なことを言ってしまうか。
その一つ一つの小さな行動が、未来の自分へのプレゼント(結果)になって返ってくるんですね。
そう考えると、なんだか「明日からは、未来の自分が喜ぶような行動を少しずつ増やしてみようかな」と思えてきませんか?
もしかしたら、この言葉は「失敗した人を責めて怒るための言葉」ではなく、「より良い未来を自分でつくることができるんだよ」と教えてくれる、温かい応援の言葉なのかもしれませんね。
明日から、言葉の魔法を使ってみよう!
最後まで一緒に言葉の探検にお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
言葉の成り立ちや、誰も知らない本当の意味を知るって、まるで秘密の謎解きみたいでワクワクしますよね。
今回知った「実は良い意味もあるんだよ!」というヒミツは、きっとお友達や学校の先生に話しても、「えっ、本当に!?知らなかった!」と驚かれるような大発見だと思います。
「ねえねえ、自業自得って、もともとは一等賞をとったときや、良いことがあったときにも使える言葉なんだって!」なんて、休み時間に得意げに披露してみるのも楽しそうですよね。
そして、もし自分がちょっと失敗してしまって「あ〜あ、自分のせいだなぁ」と落ち込んだときは、心の中でそっと「これも自業自得!自分の行動を見直して、次は気をつけよう」と唱えてみてください。
誰かのせいにしてモヤモヤするよりも、自分の行動の結果だと素直に受け入れることで、きっと次はもっと上手に行動できるはずです。
反対に、がんばったことが上手くいったときや、嬉しいことがあったときには、「やった!私のがんばりが実った、良い自業自得だ!」と、自分自身のことをたくさん褒めてあげてくださいね。
言葉は、知れば知るほどみなさんの心の中の世界を豊かに広げてくれる、素敵な魔法の杖です。
これからも、親子で一緒にいろいろな言葉との出会いを、笑顔で楽しんでいってくださいね。
みなさんの明日からの毎日が、素晴らしい「良い結果」であふれることを、私たちも心から応援しています!