
本を読んだり、テレビのドラマを見たりしているときに、ふと知らない言葉に出会うことってありますよね。
「あれ?これってどういう意味だろう?」と首をかしげた経験は、きっと誰にでもあると思います。
今日一緒に考えてみたい言葉は、十人並み(じゅうにんなみ)という少し不思議な響きの言葉です。
「十人の人が並んでいるのかな?」「それとも十人分の力があるってこと?」など、いろんな想像が膨らみますよね。
漢字を見ると、なんだかとっても強そうな気もしますし、たくさんの人がワイワイ集まっている様子も浮かんできます。
でも実は、この言葉には私たちが毎日過ごしている「日常」にぴったりの、とても面白い意味が隠されているんですね。
子どもたちも、そして一緒にお読みいただいているおうちの方も、「なるほど、そういうことだったのか!」とスッキリできるはずです。
言葉の意味を知ると、いつもの会話がちょっとだけ豊かになって、毎日がもっと楽しくなるかもしれませんね。
それでは、さっそくこの言葉の本当の姿を探しに、一緒に言葉の冒険へ出発してみましょう!
特別でもなく悪くもない!「普通くらい」を表す言葉

まずは、この言葉がどんな意味を持っているのか、ズバリお伝えしますね。
この言葉は、能力や見た目などが、特に優れてもいなく、劣ってもいない「普通の程度」であることを表しているんですね。
小学生のみなさんに分かりやすく言うと、「クラスの真ん中くらい」や「平均的」というイメージが一番近いです。
たとえば、クラスで走る速さを比べたとき、一番足が速いわけではないけれど、一番遅いわけでもない。
テストの点数も、いつも百点満点というわけではないけれど、赤点でもなく、みんなと同じくらいの点数。
そんなふうに、ずば抜けて目立つわけではないけれど、ちゃんとしていて、ごく普通である状態のことなんですね。
だから、「十人分のすごいパワーがある!」という意味ではないんです。
そう勘違いしていた方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんね。
でも、勘違いするのは全然恥ずかしいことではありませんよ。
漢字の並びだけを見ると、「一人よりも十人の方がすごい!」と思ってしまうのは、とっても自然なことですよね。
このように、見た目の漢字の印象と、本当の意味が少し違う言葉って、日本語にはたくさんあるんですね。
なんで「十人」という数字が使われているの?

意味は「普通くらい」だということがわかりましたね。
でも、ここで一つ疑問が浮かびませんか?
「普通」を表すのに、どうして「十」という数字が選ばれたのでしょうか。
「五人」や「百人」ではダメだったのかな?と気になりますよね。
これには、昔の人たちの面白い考え方が関係しているんですね。
10人集まれば、みんなが持っているような性質
人が10人集まったところを想像してみてください。
その中には、すごく足が速い人もいれば、走るのが苦手な人も1人か2人くらいはいるかもしれませんよね。
でも、残りの大半の人たちは、「だいたい同じくらい」の速さになることが多いんです。
つまり、人が10人いれば、その中の多くの人に一般的に備わっているような普通の性質という意味で、この言葉が説明されることがあります。
これは、言葉の成り立ちとしてとても分かりやすい解釈だと言われているんですね。
「10人並んで比べたときに、大体まん中あたりにいる普通の人たち」と考えると、パッと頭の中に絵が浮かんでくると思いませんか?
昔の人も、世の中の人たちを観察して、「大体の人は、この真ん中あたりに集まるなぁ」と感じていたのかもしれませんね。
そう思うと、なんだか昔の人とも心が通じ合ったような気がして、嬉しくなりますね。
実は江戸時代から使われていた歴史ある言葉
そして、もっと驚くべき秘密があるんです。
この言葉、最近になって誰かが作った言葉ではないんですね。
辞書を引いて調べてみると、なんと今から300年以上も前の、1678年の江戸時代に書かれた『色道大鏡』という本にすでに登場していることがわかるんです。
1678年というと、お侍さんがちょんまげを結って、着物を着て町を歩いていた時代ですよ。
そんな大昔から、人々は「あの子は普通くらいだね」なんて会話で、この言葉を使っていたんですね。
お侍さんや町人たちも、現代の私たちと同じように、人の能力や見た目についておしゃべりしていたのかと思うと、なんだかクスッと笑ってしまいませんか?
何百年という長い時間を超えて、今の私たちの口にも受け継がれていると思うと、言葉って本当に魔法みたいで素敵ですよね。
ちょっと注意!「褒め言葉」にはならないかもしれない?
さて、「普通であること」は決して悪いことではありません。
ですが、この言葉を誰かに直接使うときには、少しだけ気をつけないといけないポイントがあるんですね。
お友達との会話で失敗しないように、ここもしっかりチェックしておきましょう。
直接言うと「目立たない」と思われちゃうかも?
辞書に載っている意味としては、「優れても劣ってもいない」という、とても中立的で公平な意味です。
でも、言われた人の気持ちになって考えてみましょう。
もし、あなたが一生懸命に描いた絵を、お友達から「うーん、十人並みだね!」と言われたら、どう感じますか?
もしかしたら、「えっ、特別上手じゃないってこと?普通すぎて面白くないってことかな?」と、少しがっかりしてしまうかもしれませんよね。
そうです、この言葉には「平均的」という意味がある一方で、相手への評価としては控えめ、または少し否定的に聞こえてしまうことがあるんですね。
ですので、誰かを褒めたいときや、嬉しい気持ちを伝えたいときには、そのまま直接使うのは避けたほうが安心です。
相手のいいところを褒めたいなら、「普通だね」と言うよりも、「ここがすごく上手だね!」「色使いがきれいだね!」と、もっと具体的に伝えてあげるほうが、相手もきっとニコニコ笑顔になってくれますよ。
「十人並み以上」ってどんな意味になるの?
では、もし「普通」よりもっと上だと言いたいときは、どうすればいいのでしょうか。
実は、この言葉の後ろに「以上」という言葉をくっつけて使うことがあるんですね。
本や小説を読んでいると、「十人並み以上」という表現が出てくることがあります。
これはズバリ、平均的な水準をしっかりと上回っている、つまり「普通よりスゴイ!」という意味になるんです。
10人並んだときの真ん中よりも、もっと上のほうにいるというイメージですね。
「彼のピアノの腕前は十人並み以上だ」と言えば、それは「平均よりずっと上手で、素晴らしい!」という褒め言葉として使うことができます。
一つの言葉でも、「以上」がつくかつかないかで、伝わる意味がガラッと変わってしまうんですね。
日本語のパズルみたいで、とっても面白いですよね。
似ている言葉とどう使い分ける?
私たちが普段使っている日本語の中には、似たような意味を持つ言葉がたくさんあります。
この言葉にも、そっくりな仲間の言葉がいくつかあるんですね。
どんな言葉があるのか、一緒に見ていきましょう。
「人並み」との違いは?
一番よく似ているのが「人並み(ひとなみ)」という言葉です。
辞書でも、同じような意味として紹介されていることが多いんですね。
「人並みの生活を送る」や「人並みに頑張る」といった使い方を、聞いたことがある方も多いかもしれませんね。
どちらも「普通」という意味ですが、「十人並み」のほうが、人の容姿(見た目)や能力を客観的に評価するときに、少し特別な言い回しとして使われることが多いという特徴があります。
「人並み」はもっと幅広く、普段の生活の様子や、世間一般の当たり前など、色々な場面で使いやすい言葉なんですね。
ちょっとしたニュアンスの違いですが、使い分けられると「言葉の達人」に一歩近づけそうですね。
「平凡」や「普通」とどう違うの?
他にも、「普通」「平均的」「平凡」といった言葉がありますよね。
「普通」や「平均的」は、とっても中立的で、ただ事実を伝えているだけの言葉です。
たとえば「平均的な体力」と言えば、良くも悪くもなく、データとして真ん中くらいだということがスッキリ伝わります。
一方で「平凡」や「凡庸(ぼんよう)」という言葉になると、少し意味が変わってきます。
これらは「特に目立つところがなくて、つまらない」「ありふれている」という、少しマイナスな評価が含まれやすくなるんです。
今回紹介している言葉は、ちょうど「普通」と「平凡」の間くらいにいるような、絶妙なバランスを持った言葉なんですね。
誰かに向かって使うときは、誤解をされないように、相手のことを思いやりながら言葉を選ぶことが大切ですね。
学校やおうちで使ってみよう!楽しい使い方シチュエーション
言葉の意味や気をつけたいポイントがわかったところで、いよいよ実践編です。
毎日通っている学校や、おうちでの生活の中で、どんなふうに使えるか想像してみましょう。
家族やお友達との会話の中で、クスッと笑えるような楽しい例文をいくつか紹介しますね。
学校生活編:体育の時間の50メートル走
学校で体育の時間があるとします。
今日は50メートル走のタイムを測る日です。
クラスには、風のように速いスポーツ万能な子もいれば、走るのが苦手でゆっくりな子もいますよね。
あなたのタイムは、速くもなく遅くもなく、ちょうどクラスの真ん中くらいでした。
そんなとき、お友達とこんな風に話してみるのはどうでしょうか。
「ぼくの足の速さは十人並みだけど、最後まで絶対に諦めない粘り強さには自信があるんだ!」
なんだか、とってもかっこいいセリフに聞こえませんか?
ただ「普通だよ」と言うよりも、自分の等身大の姿を受け入れつつ、前向きな気持ちを表現できる素敵な使い方ですよね。
おうちでの日常編:新しく買ったゲームの腕前
おうちで、欲しかった新しいゲームを買ってもらって遊んでいるとしましょう。
最初は操作が難しくて、なかなかクリアできませんでした。
でも、毎日少しずつ練習していくうちに、だんだんコツを掴んできました。
世界中のすごいプレイヤーにはまだ敵わないけれど、そこそこ上手になってきたな、と感じたとき。
お母さんやお父さんに、こんな風に自慢してみましょう。
「ねえねえ見て!僕のこのゲームの腕前、もう十人並み以上になったと思わない?」
「平均よりずっと上になれたよ!」という喜びが、しっかり伝わりますよね。
おうちの方も「へえ、すごい言葉を知ってるね!」と、ゲームの腕前と一緒に、言葉の知識まで褒めてくれるかもしれませんよ。
家族との会話編:お父さんの作る週末のチャーハン
週末のお昼ごはん、お父さんが腕まくりをしてチャーハンを作ってくれました。
プロの料理人さんが作るような、パラパラでピカピカのチャーハンではないかもしれません。
具材の大きさもバラバラだったり、少し焦げていたりすることもあるでしょう。
でも、家族みんなで食べると、とっても美味しくて笑顔になれますよね。
そんなとき、お母さんと一緒にこんな風に話してみましょう。
「お父さんの料理の腕は十人並みかもしれないけれど、愛情がたっぷり入っているから、世界一美味しいね!」
「特別すごいわけじゃないけれど、これが一番安心する」という、温かい気持ちが伝わる使い方ですね。
お父さんも、少し照れくさそうに笑ってくれるはずですよ。
「普通」であることって、実はすごいこと!
ここまで、言葉の意味や使い方を一緒に見てきました。
「真ん中くらい」「普通」という意味だと知って、「なんだ、特別すごい意味じゃないのか」と少しがっかりした方もいるかもしれませんね。
でも、ちょっとだけ立ち止まって考えてみてください。
普通でいるための努力
「普通」でいることや「平均的」でいることって、実はとってもすごいことなんです。
たとえば、毎日学校に元気に通うこと。
宿題を忘れずにやること。
お友達と仲良く遊ぶこと。
これらは一見「普通」のことのように思えますが、実は毎日コツコツと頑張り続けているからこそできる、素晴らしいことなんですね。
勉強でもスポーツでも、クラスの真ん中くらいをキープするためには、見えないところで努力が必要です。
だから、「自分は普通だな」と思ったときも、決して落ち込む必要はありません。
自分だけの「特別」を見つけよう
それに、全てにおいて一番になる必要なんてないんです。
あることは十人並みでも、別のことではキラリと光る「特別」な才能を持っているかもしれません。
走る速さは普通でも、絵を描かせたら誰にも負けない!
勉強の成績は平均的でも、お友達を笑わせる優しさはクラスで一番!
そんな風に、人はみんな、普通の部分と特別な部分をバランスよく持って生きているんですね。
この言葉を知ることで、「普通である自分」を優しく認めてあげて、そこからさらに自分らしい「好き」や「得意」を伸ばしていくきっかけになれば、とっても嬉しいです。
今日のおさらい!どんな時に使う言葉だったかな?
さあ、長かった言葉の冒険も、いよいよ終わりに近づいてきました。
今日学んだ大切なポイントを、もう一度しっかりおさらいしておきましょう。
これでお友達に聞かれても、先生に聞かれても、バッチリ答えられますね!
大切なポイントを整理しよう
まず、読み方は「じゅうにんなみ」でしたね。
そして意味は、能力や見た目などが、特に優れてもいなく劣ってもいない「普通の程度」「平均的」であることでした。
「十人分のすごい力」という意味ではないので、注意が必要でしたね。
言葉の成り立ちは、「人が10人いれば、大体みんなが持っているような性質」という分かりやすいイメージから来ていると紹介しました。
そして、なんと江戸時代から使われている、とっても歴史の古い言葉だということも驚きでした。
使うときの注意点としては、直接人に言うと「目立たないね」という風に聞こえてしまうことがあるので、褒め言葉としては使いにくいということでしたね。
もし「普通よりすごい!」と褒めたいときは、「十人並み以上」という形にすると、良い意味で伝えることができました。
これらのポイントを頭の片隅に置いておけば、もうこの言葉のマスターと言っても過言ではありませんね!
さっそく明日、家族やお友達との会話で使ってみよう!
新しい言葉を知ると、世界が少しだけ広がったような気分になりませんか?
今まで何気なく見ていたテレビ番組や、読んでいる本の中にも、今日学んだ言葉が隠れているかもしれませんよ。
「あ!あの言葉だ!」と見つけたときは、きっと宝物を探し当てたような、嬉しい気持ちになれるはずです。
言葉は、頭の中で覚えているだけではもったいないですよね。
ぜひ、おうちでの会話や、学校の休み時間に、実際に口に出して使ってみてください。
「今日の給食のカレー、味は十人並みだけど、みんなで食べると美味しいね!」
なんて言ってみたら、お友達も「えっ、何そのかっこいい言葉!」と驚いてくれるかもしれませんよ。
おうちの方も、お子さんが新しい言葉を一生懸命使おうとしている姿を見たら、きっと成長を感じて微笑ましく思われることでしょう。
言葉を学ぶって、暗記や勉強ではなくて、もっと自由に楽しんでいいコミュニケーションの遊びなんですよね。
これからも、わからない言葉に出会ったら、今日のように親子で一緒に「どういう意味だろう?」と調べてみてくださいね。
きっと、毎日の生活の中に、まだまだ知らない面白い言葉の世界がたくさん広がっていますよ。
さあ、明日はどんな新しい言葉と出会えるでしょうか。
私たちも、みなさんの言葉の冒険をずっと応援しています!