
毎日、いろいろなことに頑張っている小学生のみなさん。
そして、お子さんを優しく見守っているお父さん、お母さん。
いつも本当にお疲れ様です。
一生懸命やっているのに、「あれ? なんだか違う方向に行っちゃったかも?」って思うこと、ありませんか。
たとえば、漢字の宿題をきれいに書こうと頑張りすぎて、消しゴムで何度も消していたら、ノートが破れてしまって、結局宿題が終わらなくなってしまった……。
そんな経験、きっと一度はあるのではないでしょうか。
実は、そういう状態にぴったりの四字熟語があるんですね。
それが、今回一緒に見ていく本末転倒(ほんまつてんとう)という言葉です。
言葉の響きだけを聞くと、少し難しそうに感じるかもしれませんね。
でも、安心してくださいね。
中身を知ると、「あ! それって私のことかも!」って、きっと親近感が湧いてくるはずです。
今日は、この言葉の本当の意味や、面白い成り立ちについて、親子で一緒に楽しく探っていきましょう。
本当に大切なことを忘れてしまうことです

辞書を引くと、「重要なことと、そうでないことを取り違えること」や「目的と手段が逆になること」なんて書いてありますよね。
でも、これだと少し難しくて、ピンとこないかもしれませんね。
小学生のみなさんにも一発でイメージできるように、もっと簡単な言葉で言い換えてみますね。
本末転倒とは、ズバリ「一番大切な目的を忘れて、やり方ばかりにこだわってしまうこと」なんですね。
何かを始めるとき、私たちは必ず「こうなりたいな」「これを達成したいな」という【一番大切な目的】を持っていますよね。
でも、一生懸命やっているうちに、いつの間にか「どうやってやるか」という【やり方】のほうにばかり夢中になってしまうことがあるんです。
そして、気がついたら、最初の目的がどこかへ行ってしまって、ちっともうまくいかなくなってしまう……。
こういう、「あーあ、せっかく頑張ったのに、何のためにやってたのかわからなくなっちゃった」という残念な状態を、本末転倒と呼ぶのですね。
実は、大人になってもこの失敗をしてしまう人は世界中にたくさんいると言われています。
毎日忙しく働いているお父さんやお母さんも、「あるある!」と深くうなずいているかもしれませんね。
私たち人間は、ついつい目の前のことに夢中になりすぎてしまう生き物なんですね。
だからこそ、この言葉を知っておくと、「はっ! 今、大切なことを忘れていたかも!」と気づくことができるんです。
そう思いませんか?
言葉のルーツと漢字の秘密を探ってみましょう

どうして「本」「末」「転」「倒」という4つの漢字が組み合わさっているのでしょうか。
気になりますよね。
漢字の一つ一つには、昔の人たちが込めた深い意味や、面白いストーリーが隠されているんですね。
一緒に、その秘密を解き明かしていきましょう。
木に例えて考えるとわかりやすいんです
まずは、「本末」という部分について見ていきましょう。
「本」という漢字と、「末」という漢字。
どちらも、学校で習う親しみやすい漢字ですよね。
でも、この言葉の中では、普段使っている「本(読書の本)」や「週末」という意味とは少し違っているんですね。
実は、この2つの漢字は、自然の中にある「木」の姿を表しているんです。
そう言われると、なんだかワクワクしてきませんか?
「本」は木の根っこを表しています
「本」という漢字の成り立ちを思い浮かべてみてくださいね。
木の根元の部分にしるしをつけた形から生まれた漢字だと言われているんです。
つまり、「本」は物事の根本や一番重要な部分を表しているんですね。
大きな木が倒れないようにしっかりと支え、土の中から栄養を吸い上げる、一番大切な「根っこ」や「幹」のことです。
私たちの生活に当てはめると、「絶対に忘れてはいけない、一番の目的」ということになりますよね。
「末」は木の枝の先っぽを表しています
次に、「末」という漢字です。
これも、木の枝の先っぽのほうに、細い線を引いてしるしをつけた形からできたと言われています。
つまり、「末」は物事の枝葉や、それほど重要ではない些細な部分を意味しているんですね。
木の根っこに比べたら、枝の先っぽの葉っぱは、風で飛んでいってしまっても、また新しい葉っぱが生えてきますよね。
生活の中で言えば、「目的を叶えるための、ちょっとしたやり方や道具」のことなんですね。
もともと中国の古い教えで、およそ2500年も前の中国の思想書の中にも、物事の根本(本)と枝葉(末)を正しく見分けることが大切だという考え方が書かれているそうです。
はるか昔から、人は「何が一番大切か」を真剣に考えていたんですね。
転倒ってどういう状態?
では、後半の「転倒」という言葉には、どんな意味があるのでしょうか。
「転んで倒れる」と書きますから、なんとなくイメージが湧くかもしれませんね。
そうなんです。
そのままの意味で、ひっくり返ってしまうことを表しています。
大切なことと、どうでもいいことが逆さまに
「本末」と「転倒」がくっつくと、どうなるでしょうか。
木の根っこ(一番大切なこと)と、枝の先っぽ(やり方や、ささいなこと)の立場が、ぐるんとひっくり返ってしまうんですね。
本来なら、一番大切な目的をしっかり持った上で、やり方を考えるべきですよね。
それなのに、やり方にばかりこだわって、大切な目的がどこかへ吹き飛んでしまう。
まるで、木が根っこを空に向けて、細い枝先だけで地面に立とうとしているような、すごく不安定で不思議な状態になってしまうんです。
想像してみると、ちょっと面白いですよね。
でも、実際の生活でこれをやってしまうと、全然うまくいかなくて、がっかりしてしまうんです。
もしかしたら、昔の人も、何かに夢中になりすぎて大切なことを忘れてしまったときに、「ああ、これじゃあ木の根っこがお空を向いているみたいだ!」なんて反省していたのかもしれませんね。
人間の失敗しやすいところは、大昔からあまり変わっていないのかもしれません。
そう思うと、昔の人たちにも少し親近感が湧いてきませんか?
毎日の生活でよくある場面を見てみましょう
言葉の意味や成り立ちがわかってくると、次は「じゃあ、どんなときに使うの?」って気になりますよね。
実は、私たちの身の回りには、本末転倒な出来事がいっぱいあふれているんです。
小学生のみなさんの学校生活や、おうちの中での出来事から、クスッと笑えるような例をいくつか紹介しますね。
「あ、これ私かも!」とか、「お母さん、この前やってたよね!」なんて、家族でお話ししながら読んでみてくださいね。
学校生活でのあるある
学校では、毎日いろんなお勉強や活動がありますよね。
一生懸命頑張ろうとするあまり、ついつい目的を忘れてしまうことって、本当によくあるんです。
どんなシチュエーションがあるでしょうか。
ノートをデコレーションすることに夢中?
たとえば、明日は社会のテストがあるとしますよね。
先生が「ノートをしっかりまとめて、テスト勉強をしておいてくださいね」と言いました。
ここで一番大切な目的は、もちろん「テストの点数を上げるために、内容を覚えること」ですよね。
ところが、ある女の子は、ノートをきれいにまとめることに夢中になってしまいました。
「タイトルはピンクのペンで書いて、ここは黄色のマーカーを引いて……あ、ここにはかわいいイラストも描いちゃおう!」
なんてやっているうちに、あっという間に夜の10時になってしまいました。
ノートはキラキラでとってもきれいになったけれど、肝心の内容はちっとも頭に入っていません。
そして次の日のテストでは、全然問題が解けなくて、がっかり……。
これって、まさに点数を取るという本来の目的を見失っている状態ですよね。
こんなときには、こう言えるんです。
「ノートをきれいにすることばかり気にして、テストの点数が悪かったら、本末転倒だよね。」
どうですか?
きっと、心当たりがある人も多いのではないでしょうか。
きれいに書くことは素晴らしいことですが、一番大切な目的を忘れないようにしたいですよね。
おうちでの日常のひとコマ
おうちの中でも、お父さんやお母さんから「〇〇しなさい!」と言われて、頑張る場面がありますよね。
でも、やり方を間違えて、逆におこられちゃうこともあるかもしれません。
お片付けのはずが、おもちゃで遊んじゃう?
日曜日のお昼。お母さんが言いました。
「お部屋が散らかっているから、きれいにお片付けしてね。終わったら一緒におやつを食べようね。」
ここでの一番大切な目的は、「お部屋をきれいにして、楽しくおやつを食べること」ですよね。
あなたは、「よし、やるぞ!」と張り切って、おもちゃ箱の整理を始めました。
ところが、箱の奥から、ずっと探していたお気に入りのミニカーが出てきたんです。
「あ! こんなところにあったんだ! ちょっとだけ走らせてみようかな……」
ブー、ブー、ガシャン!
「あ、このブロックと組み合わせたら、かっこいいコースができるかも!」
気がつくと、お片付けをするどころか、お部屋中にブロックやミニカーを広げて、さっきよりもっと散らかってしまいました。
そこへお母さんがやってきて、「もう! お片付けしなさいって言ったのに、どうして前より散らかってるの!」とプンプン。
おやつへの道は遠のいてしまいました。
もともとはおやつを食べるために始めたはずの行動が、完全に逆効果になってしまったんですね。
こういうときも、こんなふうに使えますよ。
「お部屋をきれいにするはずが、おもちゃで遊んで前より散らかしちゃうなんて、完全に本末転倒だよ。」
私たちも、ついつい誘惑に負けて、こんな失敗をしてしまうことがありますよね。
お父さんやお母さんも、子どもの頃にはきっと同じようなことをしていたはずですよ。
もしかしたら、大人になった今でも、お掃除の途中で昔のマンガを見つけて読みふけってしまう……なんてことがあるかもしれませんね。
家族との会話から
お金の使い方や、健康のための運動などでも、この言葉はよく登場するんです。
家族みんなで目標を決めたのに、いつの間にかずれてしまうこと、ありますよね。
お小遣いを貯める目的を忘れちゃう?
あなたは、どうしても欲しいゲームソフトがあって、お小遣いを貯めることにしました。
「毎月のお小遣いを節約して、絶対あのゲームを買うんだ!」と固く決心したんですね。
ここでの一番大切な目的は、「欲しいゲームソフトを買うこと」です。
あなたは、お小遣い帳を買ってきて、毎日きっちりと記録をつけ始めました。
ところが、お小遣い帳に数字を書くことがだんだん楽しくなってきて、「もっといろんな色のペンでお小遣い帳を書きたいな」と思い始めました。
そして、せっかく貯めたお金を使って、高いカラーペンのセットや、お小遣い帳に貼るかわいいシールをたくさん買ってしまったんです。
結果として、お金はすっかりなくなってしまい、肝心のゲームソフトは買えなくなってしまいました。
せっかくの努力が、目的と手段を取り違えたせいで無駄になってしまったというわけです。
こんな場面では、お父さんから優しくこう言われるかもしれません。
「お小遣い帳をつけるためにお金を使っちゃって、ゲームが買えないんじゃ、本末転倒じゃないか。」
目的を叶えるための「お小遣い帳(手段)」にお金を使ってしまうなんて、ちょっと笑ってしまいますが、本当によくある話なんですよね。
目的を見失わないようにするのは、大人にとっても子どもにとっても、なかなか難しいことなのかもしれませんね。
もう一度おさらいしてみましょう
ここまで、いろんなお話をしてきましたが、いかがでしたか?
「本末転倒」という言葉が、すっかり身近に感じられるようになったのではないでしょうか。
最後に、もう一度、大切なポイントを優しく整理しておきましょう。
・「本」は、木の根っこ。一番大切な目的や、一番重要なことを表しています。
・「末」は、木の枝先。やり方や、それほど重要ではない些細なことを表しています。
・それが「転倒(ひっくり返る)」してしまうので、「目的とやり方が逆になってしまうこと」を意味するんですね。
・一生懸命やっているのに、なぜか逆効果になってしまうような残念な場面でよく使われます。
意味を知る前は、ただの難しい四字熟語に見えたかもしれませんが、今なら「あ、あの木の根っこがひっくり返っちゃうやつね!」と、頭の中に映像が浮かんでくるかもしれませんね。
言葉の意味をただ暗記するのではなくて、こうやってイメージと一緒に覚えると、ずっと心に残るはずですよ。
そう思いませんか?
親子で一緒に、いろんな「ひっくり返りエピソード」を話し合ってみるのも、とても楽しい時間になりそうですね。
明日から楽しく使ってみましょう
言葉は、実際に使ってみることで、もっともっと自分のものになっていくんですね。
今日一緒に学んだ言葉も、ぜひ明日から、学校やおうちで使ってみてください。
たとえば、お友達が消しゴムのカスを集めるのに夢中になって、ノートを取るのを忘れていたら。
「〇〇ちゃん、それじゃあ本末転倒になっちゃうよ〜!」って、笑顔で教えてあげられるかもしれませんね。
お母さんが、晩ごはんのカレーを美味しくしようと隠し味をたくさん入れすぎて、変な味になってしまったら。
「お母さん、美味しくしようとしてマズくなるのは、本末転倒だよ!」なんて、ちょっとからかってみるのも面白いかもしれません。
(もちろん、お母さんが怒らないように、優しく言ってあげてくださいね!)
言葉を知るって、本当に素敵なことですよね。
自分の気持ちや、今起きている状況を、ぴったりの言葉で表現できるようになると、毎日がもっと楽しくなるはずです。
もしかしたら、これからも生活の中で、「あ、これって本末転倒かも!」と気づく瞬間がたくさんあるかもしれませんね。
そんなときは、立ち止まって、「私の一番大切な目的は何だったかな?」と思い出してみてくださいね。
そうすれば、きっと素敵な結果にたどり着けるはずですよ。
私たちも、この言葉をお守りにして、大切なことを忘れずに毎日を過ごしていけたらいいですね。
一緒に、毎日の生活を工夫していきましょうね!