
夏の暑い日に、外でいっぱい遊んで汗をかいたあと、冷たいお水をゴクゴクっと飲んだとき。
あるいは、冬の寒い日に、あたたか〜いお味噌汁をひとくち飲んで「ホッ」としたとき。
大人の人が「あ〜、身体の奥まで染みわたるなぁ!」と気持ちよさそうに言っているのを聞いたことはありませんか?
もしかしたら、テレビのグルメ番組などで、美味しいラーメンのスープを飲んだタレントさんが「ごぞうろっぷに染みわたる〜!」なんて叫んでいるのを見たことがあるかもしれませんね。
この「ごぞうろっぷ」という言葉、漢字で書くと少し難しそうな雰囲気がしますが、実は私たちの身体の中にある「生きていくために大切なもの」を全部まとめて呼ぶ、とっても魔法のような言葉なんですね。
いったい私たちの身体のどこにあって、毎日どんな働きをしてくれているのでしょうか?
そもそも、なぜそんな不思議な名前がついているのか、気になりますよね。
今日は、親子で一緒に「へぇ〜!」と驚くような、不思議で面白い身体のひみつを探検していきましょう。
最後まで読んだら、きっと明日から学校やおうちで、誰かにドヤ顔で教えたくなっちゃうはずですよ。
五臓六腑は「私たちの身体の中にある大切な内臓すべて」のこと

五臓六腑(ごぞうろっぷ)とは、ズバリ一言でいうと、人間の内臓全体、または「体の中」「お腹の中」「心の中」すべてを表す言葉なんですね。
「臓」や「腑」という漢字は、心臓(しんぞう)や胃(い)、腸(ちょう)などのお腹の中にある大事な臓器(ぞうき)を表すときに使われる漢字です。
それが5つ(五)と6つ(六)集まっているから、身体の中にある大事なものが「ぜ〜んぶ入っているよ!」という意味になるんですね。
私たちは普段、とってもうれしいことがあったり、とびきり美味しいものを食べたりすると、身体の奥底からポカポカあたたかくなったり、じわ〜っと感動があふれてきたりしますよね。
そんなふうに、ただの胃や腸という「モノ」だけでなく、目には見えない「心」や「深い気持ち」の奥底までを表すときにも使われるとっても素敵な言葉なんですね。
だから、「五臓六腑に染みわたる」というと、「美味しいものやうれしい気持ちが、身体のすみずみまで、そして心の中までい〜っぱい行き渡って、最高な気分だ!」という意味になるんです。
なんだか、とってもスケールが大きくて、かっこいい表現だと思いませんか?
なぜ「5つの臓」と「6つの腑」なの?東洋医学のふしぎな世界

さて、この「五臓」と「六腑」という言葉ですが、いったいどこからやってきたのでしょうか?
なぜ「5」と「6」という数字なのか、そのひみつを探るために、ちょっと歴史のタイムトラベルに出発してみましょう。
はるか昔の中国から伝わってきた「漢方」の考え方
五臓六腑という言葉は、およそ2000年以上も前の古代中国で生まれた「東洋医学(とうよういがく)」という、昔からの医学の考え方からやってきました。
東洋医学というのは、今私たちが風邪をひいたときに飲む「葛根湯(かっこんとう)」などの漢方薬(かんぽうやく)を作る基本になった、とっても歴史のある学問なんですね。
昔のお医者さんたちは、今のようにレントゲンやMRIといった、身体の中が透けて見える便利な機械を持っていませんでした。
だから、「人間が元気で生きているのは、身体の中でどんなチームワークが起きているからだろう?」と、外から顔色を見たり、お腹を触ったりしながら、一生懸命に観察して、想像して、考えたんです。
その結果、「人間の身体の中には、大きく分けて『5つの宝箱の働き(五臓)』と『6つの通り道の働き(六腑)』がある」という大発見をしたんですね。
現代の病院の考え方とはちょっと違うかも?
ここで面白いのが、現代の病院(西洋医学)で私たちが習う「臓器」とは、ちょっと考え方が違うということです。
今の病院では、「胃は食べ物を溶かす袋」「心臓は血液を送り出すポンプ」というように、形あるものを一つずつ分けて考えますよね。
でも、昔の東洋医学では、「形」そのものよりも、「どんな働き(お仕事)をしているか」というチームの役割を大切にしていたんですね。
さらに、昔の人は「木・火・土・金・水」という自然界の5つのパワーが人間の身体の中にもあると考えて、それぞれの臓器を当てはめました。
だから、ただの「モノ」としてだけでなく、「心」や「元気のパワー」も一緒に考えていたんです。
人間の身体を自然のチームワークとして見つめるなんて、とっても優しくてロマンチックな考え方だと思いませんか?
5つの宝箱?「五臓」のゆかいな仲間たち
それでは、いよいよ「五臓(ごぞう)」の5つの仲間を紹介しましょう。
五臓の役割は、ずばり人間の生きるパワーや栄養を「ギュッと蓄えて、全身に巡らせる」ことです。
まるで、大切な宝物をしまっておく「宝箱」のような働きをしているんですね。
1つ目:将軍様のように力強い「肝(かん)」
現代でいう「肝臓(かんぞう)」のことですが、東洋医学では「血(血液)」をたっぷり貯金しておく銀行のような場所だと考えられていました。
それだけでなく、全身のエネルギーをスムーズに動かす「将軍様」のようなお仕事もしているんです。
人間の「怒り」や「ストレス」をコントロールする役割もあるので、イライラしたときは「肝の将軍様が怒っているのかな?」なんて昔の人は考えたんですね。
2つ目:身体のリーダー・ニコニコ王様の「心(しん)」
これは「心臓(しんぞう)」のことです。
全身に血を送り出すだけでなく、私たちの「心」や「精神」そのものが住んでいる一番偉い「王様」のお城だと考えられていました。
楽しいことがあってワクワクしたり、ドキドキしたりするのは、この「心」の王様が元気に働いている証拠なんですね。
3つ目:栄養工場の働き者「脾(ひ)」
現代の「脾臓(ひぞう)」や「胃腸(いちょう)」の働きをまとめたような、お料理上手なお母さんのような存在です。
食べたものから「元気の素」を作り出して全身に届ける、大切なエネルギー工場なんですね。
ここが元気だと、ご飯がとっても美味しく感じられて、すくすくと大きくなれるんですよ。
4つ目:呼吸の達人「肺(はい)」
これは現代の「肺」と同じように、新鮮な空気を身体に取り込むお仕事をしています。
東洋医学では、空気だけでなく「気(き)」と呼ばれる目に見えないエネルギーを身体中にバリアのように広げて、風邪のバイキンから守ってくれる働きがあると考えられていたんですね。
深呼吸をすると気持ちがスッキリするのは、肺のバリアが強くなるからかもしれませんね。
5つ目:生命力のタンク「腎(じん)」
現代の「腎臓(じんぞう)」のことですが、昔の人はここを「人間が生まれつき持っている『命のパワー』が詰まった一番大切なバッテリー」だと考えていました。
ここが元気だと、骨が強くなったり、髪の毛がツヤツヤになったりして、元気に成長できるんですね。
おじいちゃんやおばあちゃんになって少し身体が弱くなるのは、この「腎」のバッテリーが減ってくるからだと考えられていました。
働き者のパイプライン?「六腑」のゆかいな仲間たち
次は「六腑(ろっぷ)」の6つの仲間たちです。
五臓が中身を大切にしまっておく宝箱なら、六腑は食べ物や飲み物を「消化して、栄養を吸収して、いらないものを外に出す(排泄する)」ための通り道です。
いつも中身が入れ替わっている、働き者のパイプラインなんですね。
胃(い)・小腸(しょうちょう)・大腸(だいちょう)
この3つは、皆さんも理科の授業などでよく知っていますよね。
「胃」は食べたものをドロドロのスープに溶かすミキサー係。
「小腸」はそのスープから大切な栄養だけをギュウッと吸い取る仕分け係。
「大腸」は残ったゴミからウンチを作って外に出す準備をするお掃除係です。
とっても分かりやすい、リレーの選手たちですね。
胆(たん)と膀胱(ぼうこう)
「胆」は現代の胆のうのことで、消化を助けるジュース(胆汁)をためておく場所です。昔の人は、ここが「勇気」や「決断力」を生み出す場所だと信じていたので、「肝っ玉(きもったま)が据わっている」なんて言葉もここから来ているんですね。
「膀胱」は、おしっこをためておく水風船のような場所ですよね。いらない水分を外に出す、大切なお手洗い係です。
謎の6つ目!?正体不明の「三焦(さんしょう)」
さて、ここが一番面白いところです。
実は、6つ目の「三焦」という名前の臓器は、現代の手術などで身体の中をいくら探してもどこにも見つからない、架空の臓器なんです!
これって、すごく不思議で気になりますよね。
東洋医学では、三焦は特定の「形」を持たないけれど、「気(エネルギー)や水分が通る、身体全体の大きな通り道」だと考えられていました。
身体を上・真ん中・下の3つのお部屋に分けて、全身の温度や水分のバランスを管理する、見えない秘密の地下通路のようなものなんです。
昔の人の想像力って、目に見えないものまで考えちゃうなんて、本当にすごいですよね。
明日使ってみよう!五臓六腑の楽しい使い方と例文集
言葉の意味や、中国からやってきた不思議な歴史がわかったところで、次は私たちが普段の生活でどんなふうに使えるかを見ていきましょう。
実は、とってもスケールが大きくて面白い響きがある言葉なので、普段の会話に少し混ぜるだけで、周りの人をクスッと笑わせることができる魔法の言葉なんですよ。
小学生の皆さんの生活の中で使える、楽しい例文をシチュエーション別に紹介しますね。
シチュエーション1:おうちでの日常編
おうちでご飯を食べているときや、お風呂に入っているとき、最高にリラックスした瞬間に使ってみましょう。
例文1:冷たい麦茶を飲んだとき
「あ〜、外でいっぱい遊んだあとの冷たい麦茶は、【五臓六腑】に染みわたる〜!」
これは一番オーソドックスで、とっても使いやすい表現ですね。
夏の暑い日に、汗だくで帰ってきて、氷がたっぷり入った麦茶をゴクゴク飲んだときの、あの「プハァーッ!」という気持ちよさを想像してみてください。
ただ「美味しい!」と言うよりも、「身体の中にある将軍様や王様、パイプラインの全部が喜んでるよ!」という感じが、お母さんやお父さんにもしっかり伝わりますよね。
きっとお母さんも「そんなに美味しかったの?」と笑顔になってくれるはずです。
例文2:あたたかいお風呂に入ったとき
「寒い日のあったかいお風呂は、冷えた【五臓六腑】のすみずみまでホカホカにしてくれるね」
これも素敵な使い方ですね。
冬のお風呂に入ったとき、ただ皮膚があたたかいだけじゃなくて、お腹の奥のほうまでジワ〜っとあたたかくなる感覚、わかりますよね。
この言葉を使うことで、身体の芯からリラックスしている様子がよくわかります。
シチュエーション2:学校生活・お友達編
学校での出来事や、お友達との会話でも、ちょっと面白おかしく使うことができますよ。
例文3:給食が最高に美味しかったとき
「今日の給食のカレーライス、美味しすぎて【五臓六腑】に染みわたったよ!」
お友達と一緒に給食を食べているときに、ちょっと大人っぽい言葉を使ってみると、「えっ、なにその言葉?なんかカッコいい!」と注目の的になれるかもしれませんね。
給食のカレーって特別美味しいですが、その感動を大げさに伝えるのにピッタリです。
「お腹いっぱい」と言う代わりに使ってみましょう。
例文4:先生の言葉に感動したとき
「今日の校長先生の優しいお話は、僕の【五臓六腑】にグッと響いたよ」
これは「心の中」「腹の中」という意味を使った、少し高度でかっこいい使い方です。
ただ耳で聞いただけでなく、自分の心の奥底(心臓や肝臓などの一番深いところ)まで響いて感動した、という意味になります。
こんなふうに読書感想文や日記に書いたら、先生も「おっ、すごく深い言葉を知っているね!」とビックリして褒めてくれるかもしれませんね。
シチュエーション3:家族との楽しい会話編
家族の秘密や、ちょっと笑える会話の中にも登場させることができます。
例文5:お父さんの本音を当てるとき
「お父さん、口では『怒ってないよ』って言ってるけど、【五臓六腑】の中ではプンプン怒ってるんでしょ?」
これは「腹の中(心に秘めた本当の気持ち)」という意味を使った、ユーモアのある例文です。
昔の人は、内臓の奥底に「本当の感情」が隠れていると考えていました。
だから、「表面では笑っているけれど、本当のお腹の中はどう思っているのかな?」という使い方なんですね。
ちょっと空気が重いときでも、こんな難しい言葉を使ってツッコミを入れたら、お父さんも思わず笑って許してくれるかもしれませんね。
例文6:おばあちゃんとお茶を飲むとき
「おばあちゃんが淹れてくれた熱いお茶と梅干し、なんだか【五臓六腑】が喜んでる気がするよ」
おじいちゃんやおばあちゃんは、こういう昔からの伝統的な言葉を聞くと、とっても喜んでくれます。
「おや、よくそんな立派な言葉を知っているね」と、感心してくれること間違いなしです。もしかしたら、お小遣いがアップしちゃうかもしれませんよ。
一緒に日本茶をすすりながら、家族でホッコリする時間にピッタリの表現ですね。
五臓六腑のひみつ、おさらいしてみよう
ここまで、ちょっと長くて不思議な東洋医学の旅をしてきましたが、いかがでしたか?
最後に、今日一緒に学んだ大切なポイントを短くおさらいしてみましょう。
- 五臓六腑とは、人間の身体の中にあるすべての内臓や、心の中の深いところを表す言葉でしたね。
- 「五臓」は、肝・心・脾・肺・腎の5つで、【大切なエネルギーを蓄える宝箱】のような働きをしています。
- 「六腑」は、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦の6つで、【食べ物や水を運んで外に出す通り道】の働きをしています。
- 形が見えない「三焦(さんしょう)」という架空の臓器まで考えちゃうくらい、昔の中国の人は想像力が豊かだったんですね。
- 「五臓六腑に染みわたる」と言うと、身体のすみずみにまで美味しいものや感動が行き渡る、最高にハッピーな状態を表現できます。
現代の病院で考える「臓器」とは少し違っていましたが、人間の身体を自然の一部として、大きなチームとして見つめる、とっても優しくて奥深い考え方だということがわかりましたよね。
さあ、明日からドヤ顔で使ってみよう!
漢字がたくさん並んでいて難しそうに見えた言葉ですが、その正体がわかると、なんだか自分のお腹の中にある「五臓さん」や「六腑さん」たちが、毎日一生懸命働いてくれているのが愛おしく思えてきませんか?
私たちが美味しいものを食べて「あ〜、幸せ!」と感じるとき、それはただ舌が美味しいと感じているだけでなく、身体の中の小さな仲間たちがみんなで喜んでくれている証拠なんですね。
さあ、今日からあなたも立派な「五臓六腑」マスターです!
今夜の夕食のときや、お風呂上がりの一杯を飲むときに、ぜひ大きな声で「あ〜、五臓六腑に染みわたる〜!」と元気よく言ってみてください。
ご家族の皆さんが「えっ、何その言葉!?どこで覚えたの?」と驚いてくれたら大成功です。
そこで「実はね、東洋医学っていう昔の考え方でね…」と、今日知った身体のひみつや、見えない臓器の「三焦」のお話を教えてあげたら、きっと家族みんなで「へぇ〜!」と笑顔になれるはずですよ。
私たちの身体の中や、普段何気なく使っている言葉の中には、まだまだ不思議なひみつがいっぱい隠されています。
これからもぜひ一緒に、言葉の面白さや身体の不思議を探検していきましょうね。