四字熟語

一長一短(いっちょういったん)の意味とは?由来・例文・類語との違いを解説

一長一短(いっちょういったん)の意味・由来・使い方をわかりやすく解説

「どちらにも良いところがあるけれど、気になるところもあるな……」

学校で係を選ぶときや、買い物で商品を比較するとき、そんなふうに迷ったことはありませんか?

例えば、二つの自転車を比べたとします。

一方は軽くて乗りやすいけれど値段が高く、もう一方は安いけれど少し重い。

このように、良いところと悪いところの両方があることを表す四字熟語が、「一長一短(いっちょういったん)」です。

この記事では、一長一短の意味や読み方、漢字の成り立ち、由来と歴史、学校や家庭で使える例文、似た言葉との違いを、小学生にもわかりやすく解説します。

目次+

一長一短(いっちょういったん)の意味とは?

一長一短とは、物事に長所と短所の両方があり、良いところもあれば悪いところもあることです。

読み方は「いっちょういったん」です。

例えば、二つの自転車について考えてみましょう。

  • Aの自転車:軽くて乗りやすいけれど、値段が高い。
  • Bの自転車:値段は安いけれど、少し重い。

どちらにも良いところと気になるところがありますね。

そんなとき、「二つの自転車には、それぞれ一長一短がある」と表現できます。

また、一長一短は、二つ以上のものを比べる場合だけに使うわけではありません。

「この勉強方法には一長一短がある」のように、一つの物事についても使えます。

小学生向けにひと言で説明すると?

一長一短とは、「良いところもあれば、悪いところもあること」です。

例えば、次のような場面で使えます。

  • 自転車は便利だけれど、雨の日は使いにくい。
  • オンライン授業は自宅で受けられるけれど、友達と直接話しにくい。
  • 図書係は本に詳しくなれるけれど、休み時間に仕事がある。
  • タブレットは動画で学習できるけれど、充電が必要になる。

一長一短は、単に「決められない」「迷っている」という意味ではありません。

長所と短所が両方あることを表す言葉です。

一長一短の漢字にはどんな意味がある?

一長一短は、「一長」と「一短」に分けると意味を理解しやすくなります。

「長」は良いところを表す

「長」という漢字には、長さを表す意味のほかに、優れているところという意味があります。

例えば、「長所(ちょうしょ)」という言葉にも使われています。

長所とは、人や物の良いところ、優れているところのことです。

「短」は足りないところを表す

「短」という漢字には、短さを表す意味のほかに、劣っているところや足りないところという意味があります。

例えば、「短所(たんしょ)」という言葉にも使われています。

短所とは、人や物の弱いところや、十分でないところのことです。

二つの「一」はどんな意味?

一長一短には、「一」という漢字が二回使われています。

ここでは、長所が必ず一つ、短所も必ず一つという意味ではありません。

「良い面もあれば悪い面もある」というように、対照的な二つの面があることを表しています。

一長一短は、「長所の長」と「短所の短」を組み合わせ、良いところと悪いところの両方があることを表しています。

一長一短の由来と歴史

一長一短は、「長い」と「短い」という反対の意味を持つ漢字を組み合わせた言葉です。

現在では、主に長所と短所の両方があるという意味で使われています。

しかし、古い文献には、文字どおり「長くなったり短くなったりする」という意味の用例もあります。

中国の古典『論衡』との関係は?

一長一短については、中国の古典『論衡(ろんこう)』に見られる、竜が長くなったり短くなったりするという記述が紹介されることがあります。

ただし、このような記述は、物の長さが変わることを表したものです。

現在の「良いところもあれば悪いところもある」という意味が、そこから直接生まれたと断定することはできません。

古い文献に同じ表現が登場することと、現在の意味の語源であることは、必ずしも同じではないためです。

日本では平安時代にも使われていた

小学館『精選版 日本国語大辞典』には、814年の漢詩集『凌雲集(りょううんしゅう)』に見られる「一長一短」の使用例が掲載されています。

ただし、この用例は、現在の「長所と短所がある」という意味とは異なり、「長くなったり短くなったりする」という意味です。

つまり、少なくとも平安時代には、日本の漢詩でもこの表現が使われていたことがわかります。

現在の意味で使われた記録もある

同じ辞典には、1890年の『国文学緒言(こくぶんがくしょげん)』に、長所も短所もあるという意味で使われた例が掲載されています。

このように、一長一短は、古い文献での用法と現在の用法を区別して考えると、言葉の歴史が理解しやすくなります。

なお、現在の意味がいつ生まれたのかについては、これらの用例だけで断定することはできません。

一長一短の使い方と例文

一長一短は、学校や家庭、仕事など、さまざまな場面で使えます。

特に、良い面と悪い面を整理したり、複数の選択肢を比較したりするときに便利な言葉です。

「一長一短がある」「どちらも一長一短だ」「それぞれ一長一短がある」などが代表的な使い方です。

学校生活で使える例文

  • 「図書係と飼育係には、それぞれ一長一短があるので迷っている。」
  • 「二つの勉強方法には一長一短があるので、自分に合う方法を選ぼう。」
  • 「紙のノートとタブレットには、それぞれ一長一短がある。」
  • 「クラスで出た二つの案は、どちらも一長一短だった。」

家庭や日常生活で使える例文

  • 「自転車とバスには一長一短があるから、天気によって使い分けよう。」
  • 「二つの掃除機は一長一短なので、使いやすさを比べて選んだ。」
  • 「一戸建てとマンションには、それぞれ一長一短がある。」
  • 「この料理方法には一長一短があり、簡単だけれど仕上がりに時間がかかる。」

大人の会話や仕事で使える例文

  • 「新しいシステムには一長一短があるため、導入前に検討する必要がある。」
  • 「在宅勤務と出社勤務には、それぞれ一長一短がある。」
  • 「二つの企画案は一長一短なので、目的に合う方を選びたい。」

親子の会話で一長一短を覚えてみよう

例文1:自転車を選ぶとき

子ども:「青い自転車はかっこいいけれど、少し高いね。」

お母さん:「黄色い自転車は安いけれど、少し重いね。」

子ども:「どっちも一長一短だね。」

お母さん:「そうだね。何を大切にしたいか考えて選ぼうね。」

例文2:勉強方法を考えるとき

子ども:「紙のドリルとタブレット、どっちで勉強するのがいいかな?」

お父さん:「紙のドリルは書く練習がしやすいし、タブレットは動画でも学べるね。」

子ども:「でも、どちらにも不便なところはあるね。」

お父さん:「そうだね。一長一短があるから、勉強する内容に合わせて選ぶといいよ。」

一長一短を使うときの注意点

一長一短は、良い面と悪い面の両方があるときに使う言葉です。

そのため、どちらか一方だけの特徴を述べる場面には適していません。

例えば、「この自転車は軽くて便利だから一長一短だ」という文章では、短所が示されていないため、不自然に感じられます。

一方、「この自転車は軽くて便利だけれど、値段が高いので一長一短だ」とすれば自然です。

また、長所と短所の数が同じである必要もありません。

大切なのは、良い面と悪い面の両方が存在することです。

一長一短と一得一失・一利一害の違い

一長一短と似た四字熟語には、「一得一失(いっとくいっしつ)」や「一利一害(いちりいちがい)」があります。

どれも良い面と悪い面があることを表しますが、意味の重点が少し異なります。

言葉 意味のポイント
一長一短 長所と短所の両方があること。
一得一失 得になる面と損になる面があること。
一利一害 利益がある一方で、害や不利益もあること。

一得一失(いっとくいっしつ)

一得一失とは、一方で利益を得ると同時に、他方では損失が生じることです。

例文:「作業時間は短くなったが、費用が増えたので一得一失だ。」

一利一害(いちりいちがい)

一利一害とは、利益もあるけれど、害や不利益もあることです。

例文:「この方法は便利になる一方で負担も増えるので、一利一害だ。」

これらの言葉は意味が重なることもありますが、一長一短は長所と短所に広く注目する表現です。

一長一短と一朝一夕の違いは?

読み方が似ていて間違えやすい言葉に、「一朝一夕(いっちょういっせき)」があります。

しかし、意味はまったく異なります。

一長一短は良い面と悪い面を表す

一長一短は、長所と短所の両方があることです。

例文:「二つの勉強方法には一長一短がある。」

一朝一夕は短い時間を表す

一朝一夕は、わずかな時間や短い期間のことです。

「一朝一夕にはできない」のように、短期間では簡単にできないことを表すときによく使われます。

例文:「漢字を上手に書く力は、一朝一夕には身につかない。」

一長一短は長所と短所、一朝一夕は時間についての言葉だと覚えましょう。

「帯に短し、たすきに長し」との違いは?

「帯に短し、たすきに長し」ということわざも、「長い」「短い」という言葉が使われています。

これは、帯にするには短すぎ、たすきにするには長すぎることから、中途半端でどちらの用途にも適さないことを意味します。

例文:「この箱は小物を入れるには大きすぎて、本を入れるには小さすぎる。帯に短し、たすきに長しだね。」

一長一短は、良いところと悪いところの両方があることです。

一方、「帯に短し、たすきに長し」は、中途半端で用途に合わないことを表します。

一長一短の反対語はある?

一長一短には、一般的に決まった反対語はありません。

ただし、「欠点もある」という意味に対し、欠点がない様子を表す言葉は対照的です。

完全無欠(かんぜんむけつ)

欠点や不足がなく、完全であることです。

例文:「完全無欠に見える計画でも、実行する前に確認することが大切だ。」

一長一短は長所と短所が両方あることを表し、完全無欠は欠点がないことを表します。

ただし、厳密に決まった反対語というわけではありません。

一長一短を英語で表すと?

一長一短を英語で表すときには、advantages and disadvantagesという言葉が使えます。

「長所と短所」「利点と欠点」という意味です。

Both methods have advantages and disadvantages.

意味:「どちらの方法にも一長一短があります。」

また、pros and consという表現もあります。

これは「賛成する理由と反対する理由」や「良い面と悪い面」を表すときに使われます。

Let's consider the pros and cons.

意味:「良い面と悪い面を考えてみましょう。」

一長一短の意味を3択クイズで確認しよう!

問題:「一長一短」の意味として、最も適切なのはどれでしょう?

  1. 一つのことをすると、二つの利益が得られること。
  2. 良いところもあれば、悪いところもあること。
  3. わずかな時間で、物事を完成させること。
答えと解説を見る

正解は②です!

一長一短は、長所と短所の両方があることを表します。

①は「一挙両得」や「一石二鳥」に近い説明です。

③は短い時間についての説明で、一長一短の意味ではありません。

「長所の長」と「短所の短」を思い浮かべて覚えましょう。

一長一短についてのよくある質問(FAQ)

Q1. 一長一短の読み方は?

「いっちょういったん」と読みます。

Q2. 一長一短は四字熟語なの?

はい。小学館『四字熟語を知る辞典』などにも収録されている四字熟語です。

Q3. 一長一短は悪い意味の言葉なの?

必ずしも悪い意味ではありません。良いところと悪いところの両方があることを表すため、中立的な意味で使われることもあります。

Q4. 一長一短は二つのものを比べるときだけに使うの?

いいえ。一つの物事に長所と短所の両方がある場合にも使えます。

Q5. 一長一短と一朝一夕は同じ意味?

いいえ。一長一短は長所と短所、一朝一夕は短い時間を表します。

Q6. 一長一短の反対語は?

一般的に決まった反対語はありませんが、欠点がないことを表す「完全無欠」は対照的な意味を持つ言葉です。

まとめ|一長一短とは良い面と悪い面の両方があること

一長一短の意味と使い方を振り返ってみましょう。

  • 読み方は「いっちょういったん」。
  • 意味は、長所と短所の両方があること。
  • 「長」は良いところ、「短」は悪いところや足りないところを表す。
  • 古くは「長くなったり短くなったりする」という意味でも使われた。
  • 一つの物事についても、複数のものを比較するときにも使える。
  • 「一長一短がある」「それぞれ一長一短だ」などの形で使う。
  • 似た言葉には「一得一失」「一利一害」などがある。
  • 「一朝一夕」とは読み方が似ているが、意味は異なる。

一長一短を覚えるポイントは、「良いところもあれば、悪いところもあること」です。

何かを選ぶときには、一つの面だけで判断せず、それぞれの長所と短所を比べることが大切です。

学校の係や勉強方法、買い物など、身近な場面で迷ったときには、ぜひ「一長一短」という言葉を使ってみてください。

参考資料