
テレビのお笑い番組やYouTubeの動画などを見ていると、「あの人、破天荒(はてんこう)だね!」なんて言葉を聞くことがありますよね。
アニメのキャラクターや、元気いっぱいの芸能人さんに対して使われているのを、きっと一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
これって気になりますよね。
みなさんは、この言葉がどんな意味だと思っていますか?
もしかしたら、「むちゃくちゃなことをして暴れる人」とか「ルールを守らない乱暴で豪快な人」というイメージを持っているかもしれませんね。
実は、多くの大人の人たちも、同じように感じているんですね。
でも、本当の意味は、みんなが思っているのとはちょっと違う、とっても素敵な意味なんです。
大人でも勘違いしていることが多い、この不思議な言葉。
今日は、私たちも一緒に、この言葉の本当の意味や、どこから生まれたのかという歴史のストーリーを探ってみましょう!
きっと、明日学校やおうちで、誰かに「ねえねえ、知ってる?」って自慢げに教えたくなりますよ。
今まで誰もできなかったことを初めてやること!

それではさっそく、言葉の本当の意味をお伝えしますね。
ズバリ、今まで誰も成し遂げられなかったことを、初めてやってのけることという意味なんですね。
ずっと不可能だと思われていたことを達成したときの、大きな拍手や驚きの気持ちがこもった、とっても前向きでかっこいい言葉なんです。
わかりますよね、なんだかピンチを救うヒーローのようで、ワクワクしませんか?
でも、ここでちょっと驚くべき事実があります。
令和2年度に文化庁が行った調査によると、なんと約65.4パーセントもの人が「豪快で大胆な様子」という意味だと答えたそうなんです。
本来の意味である「誰もできなかったことをすること」と正しく答えられた人は、たったの23.3パーセントくらいしかいなかったんですね。
学校のクラスが30人だとしたら、20人くらいのお友達が「豪快なこと」だと間違えてしまう計算になります。
これって、すごく面白いと思いませんか?
時代が変わるにつれて、言葉の意味のイメージが少しずつ変わってきているんですね。
言葉というものは生き物ですから、みんなが使っているうちに新しい意味が生まれてくるのは、決して悪いことではありません。
でも、新聞やニュース、それからきちんとした本の中では、今でも本当の意味で使われることが多いんです。
だからこそ、私たちが破天荒の本来の意味をしっかり知っておくことは、とっても役に立つはずですよ。
本当の意味を知っているだけで、なんだか少し大人になったような気分になれますよね。
言葉のルーツは昔の中国のテストから!

それにしても、どうしてこんなかっこいい言葉が生まれたのでしょうか。
その秘密は、ずっと昔の外国の歴史の中にあるんですね。
昔ばなしの絵本を読むような気持ちで、一緒にタイムスリップしてみましょう!
きっと、その歴史のドラマチックな展開に驚くはずですよ。
「天荒」ってどんな場所のこと?
物語の舞台は、昔の中国・唐(とう)の時代のお話です。
当時の中国には、国のために働くえらい役人さんになるための、ものすごく難しいテストがありました。
これを科挙(かきょ)と呼ぶのですが、今の時代の大学受験よりもずっとずっと難しくて、気が遠くなるようなテストだったんですね。
何日もせまい部屋にこもって、ものすごい量の難しい文章を暗記して書かなければならなかったそうです。
その中国に、「荊州(けいしゅう)」という名前の村のような地域がありました。
荊州の人たちはみんな一生懸命に勉強して、毎年その厳しいテストに挑戦していました。
でも、何度受けても、何年たっても、荊州からは一人も合格者が出なかったんですね。
「今年もだめだった」「また来年がんばろう」と、村中ががっかりする悲しい状態が、何年も何十年も続きました。
そんな誰も受からないさみしい状態が長く続いたので、まわりの人たちは荊州のことを、草木が一本も生えない荒れた土地にたとえるようになりました。
そして、合格者が全くいなくて荒れ果てた状態のことを、「天荒(てんこう)」と呼ぶようになってしまったんです。
「あそこは天荒だから、どうせ誰も受からないよ」なんて、冷たく言われていたのかもしれませんね。
毎日寝る間も惜しんで一生懸命がんばっているのに、そんなふうに呼ばれるなんて、荊州の人たちはきっと、とてもくやしくて悲しかったと思います。
みなさんも、がんばっているのに誰にも認めてもらえなかったら、くやしい気持ちになりますよね。
はじめてテストに合格したすごい人!劉蛻(りゅうぜい)さん
でも、そんな暗くて悲しい状況を打ち破る、ものすごいヒーローがついにあらわれました!
それが、劉蛻(りゅうぜい)さんという男の人です。
劉蛻さんは、「絶対に合格して、村のみんなを喜ばせてやる!」と、毎日毎日、血のにじむような努力をしたのだと思います。
朝早く起きては本を読み、夜はろうそくの明かりが消えるまで、ひたすら文字を書き続けたのかもしれませんね。
そしてついに、そのものすごく難しいテストに、見事合格したんです!
荊州の人たちにとって、初めての合格者が出た瞬間です。
この日はまさに、村の歴史が大きく変わった瞬間だったに違いありません。
村中のみんなが大喜びして、泣いて抱き合って、大きなお祭り騒ぎになったことは、私たちにも簡単に想像できますよね。
このとき、みんなは「劉蛻さんが、とうとう天荒を破ってくれたぞ!」と言って、彼をほめたたえました。
つまり、「天荒」という悲しい状態を「破った」ことから、不可能だと思われていた記録を打ち破ることを意味する言葉が誕生したんですね。
誰もできなかったことを初めてやってのけた劉蛻さんの、とってもかっこいい努力のストーリーが、この言葉の語源なんですね。
諦めずにがんばることのすばらしさを教えてくれる、本当に素敵なお話だと思いませんか?
漢字それぞれの意味を考えてみよう!
さて、ストーリーがわかったところで、今度は漢字そのものに注目してみましょう。
漢字には一つ一つに意味があるので、分解してみるともっとよくわかるんですね。
まず、「天」と「荒」が合わさった天荒という言葉。
「天」は空や大きな自然のことを表し、「荒」は草木が生えずにボロボロに荒れ果てている様子を表しています。
つまり、誰も手入れをしていない、何の結果も出ないさみしい土地のことを意味しているんですね。
そして、そこに「破る」という漢字がくっついています。
この「破る」は、紙をビリビリに破くような悪い意味ではありません。
分厚い壁をドーン!と打ち砕いたり、暗い雲を吹き飛ばして太陽の光を当てたりするような、力強くて前向きな意味なんですね。
ですから、この言葉は全体として、荒れ果てた土地を切り開いて新しい風を吹き込むことを表しているんです。
今から約1200年も前の出来事から生まれた言葉が、海を越えて今の日本でも使われているなんて、歴史のロマンを感じますよね。
昔の人の喜びや感動が、そのまま漢字にぎゅっと詰まっているんですね。
「型破り」と間違えやすいのはなぜ?
でも、どうして今の私たちは「豪快な人」とか「むちゃくちゃな人」という意味で使ってしまうことが多いのでしょうか?
これって、とても気になりますよね。
それはきっと、「破る」という漢字や、「天」という大きなスケールの漢字が使われているからかもしれませんね。
漢字の見た目のド派手なイメージから、「ルールを破る」とか、型破りで乱暴な様子を想像してしまうのだと思います。
実は、文化庁のアンケートでも、65.4パーセントもの人がそういうイメージを持っていることがわかっています。
言葉は生き物なので、みんなが使っているうちに意味が少しずつ広がったり変わったりしていくのは、とても自然なことなんですね。
でも、劉蛻さんの語源を知ると、この言葉には「荒れた状態を希望に変えた」という、とっても前向きで素晴らしい意味が込められていることがわかりますよね。
ただ暴れているわけではなくて、ものすごい努力をして、前例のないすごいことを達成した様子を表す、最高のほめ言葉なんです。
誰かに「君はすごいね!」と伝えるときに、この言葉の本当の重みを知っていると、もっと気持ちが伝わりそうですよね。
似ている言葉「前代未聞」「前人未到」との違いは?
言葉に詳しいみなさんなら、似たような意味の四字熟語を聞いたことがあるかもしれませんね。
たとえば、前代未聞(ぜんだいみもん)や、前人未到(ぜんじんみとう)という言葉です。
これらもなんだか同じような意味に感じますが、少しだけ違いがあるんですね。
せっかくなので、ここで一緒に整理してみましょう!
「前代未聞」というのは、「今まで一度も聞いたことがないくらい、びっくりするほどめずらしいこと」という意味です。
良いことにも悪いことにも使われますが、「聞く」という字が入っている通り、「そんな話、聞いたことないよ!」という驚きがポイントなんですね。
次に「前人未到」は、「今まで誰もたどり着いたことがない、すごい場所やレベル」のことです。
誰も登ったことがない高い山の頂上や、誰も出したことがないスポーツの世界記録など、「まだ誰も到達していない」という状態を表します。
そして今回の主役の言葉は、前例のないことを初めて達成することにポイントがあります。
「前代未聞」のようにただ驚くだけでなく、「前人未到」のようにただ誰もいない場所を指すだけでなく、「誰もできなかったことを、自分の力で初めてやりとげたぞ!」という行動そのものをほめたたえる言葉なんですね。
どれも前代未聞や前人未到のすごいことには変わりありませんが、少しずつ使い分けができると、なんだか国語の先生みたいでカッコいいですよね。
学校やおうちで使ってみよう!楽しい使い方
言葉の意味や歴史、そして似ている言葉との違いがわかったところで、次は私たちが実際にどうやって使えばいいのかを見ていきましょう。
小学生のみなさんの毎日の生活の中で、どんなふうに楽しく使えるか、一緒に想像してみてくださいね!
今回は、思わずクスッと笑ってしまうような、3つのシチュエーションをご用意しました。
どれもみなさんの周りで起きそうなことばかりですよ。
学校生活編:誰も成功しなかった大技を決める!
まずは、体育の時間や休み時間の出来事を想像してみてください。
体育館に、ずっと誰も跳べなかった8段のすごく高い跳び箱があったとします。
クラスのみんなが次々と挑戦しますが、ドスンとぶつかってしまったり、怖くて立ち止まってしまったり。
「これはもう、うちのクラスでは誰にも無理だよね」と、みんながあきらめかけていました。
でも、そのときです!
あなたのお友達が、「僕(私)がやってみる!」と言って、ものすごいスピードで走ってきました。
タターン!と力強く踏み切って、空高くジャンプし、その高い跳び箱を見事にフワッと跳び越えて、マットにピタッと着地したんです!
こんなときこそ、この言葉の出番なんですね。
「わあ!あんな高い跳び箱を跳べるなんて、まさに破天荒な大成功だね!」
このように使えば、今まで誰もできなかったすごい成功であることが、バッチリ伝わりますよね。
ただ「すごいね!」と言うよりも、なんだか知的な感じがします。
言われたお友達も、クラスで初めての大記録を作ったことをほめられて、きっと鼻高々だと思いますよ。
みんなで拍手しながら、大きな声で言ってあげたくなりますね。
おうちでの日常編:家族の誰もできなかったお手伝い!
今度は、おうちの中での何気ない出来事を想像してみましょう。
たとえば、お母さんがジャムのビンのフタを開けようとしていたとします。
でも、ものすごく固くて、うんうんとうなって力を入れても、全くビクともしません。
「お父さん、ちょっと開けてくれない?」と頼んで、お父さんが顔を真っ赤にして挑戦しても、やっぱり開きません。
「これはもう、お湯で温めたりしないと無理かなあ」と、家族みんながあきらめていたときです。
あなたが、「僕(私)にもちょっと貸してみて!」と言って、フタをしっかり持って、えいっ!と軽く力を入れました。
すると、ポンッ!といういい音とともに、いとも簡単に見事にフタが開いたんです。
こんなとき、おうちの人は目を丸くして、きっとこう言うはずです。
「家族の誰も開けられなかったのに開けちゃうなんて、大金星の快挙だね!」
つまり、家族の誰もできなかったことを初めて解決したことをほめているんですね。
これって、とっても嬉しいですよね。
誰もできなかったことを自分が解決できたとき、おうちの人と一緒に笑いながら使ってみるのも、今日一番のサプライズになって楽しいかもしれませんね。
お手伝いがもっと楽しくなりそうです。
家族との会話編:お父さんのすごい挑戦!
最後は、家族みんなで囲む食卓の会話の中で使う例です。
たとえば、お父さんが急に「今度のお休みの日に、家族全員分の豪華なフルコース料理を作るぞ!」と言い出したとします。
実はお父さん、今までカップラーメンしか作ったことがないくらい、お料理をしたことがなかったんですね。
お母さんもあなたも、「ええ?本当においしくできるの?」と少し心配そうです。
でも、お父さんは何日も前から図書館でレシピ本を借りてきて勉強し、当日は朝から晩までエプロンをして一生懸命がんばりました。
そして夜、テーブルに並んだのは、まるで高級レストランのような素晴らしい料理の数々!
食べてみると、ほっぺたが落ちるくらい、ほっぺたが落ちるくらいおいしかったんです。
こんなとき、みんなでニコニコしながらこう言ってみましょう。
「お料理をしたことがなかったお父さんがこんなすごい料理を作るなんて、まさに大挑戦だね!」
これも、これまでの常識を覆すようなすばらしい挑戦をたたえる素晴らしい使い方です。
お父さんも、人生で初めての大成功をほめられて、きっと照れくさそうに笑ってくれるはずです。
もしかしたら、また次のお休みの日も、もっとおいしいご飯を作ってくれるかもしれませんね。
家族の絆が深まる、とても温かい言葉の使い方ですね。
破天荒の本当の意味をおさらいしましょう
ここまで、言葉の本当の意味や不思議な歴史、そして学校やおうちでの楽しい使い方を一緒に見てきましたね。
みなさん、いかがでしたか?
最初は「乱暴でむちゃくちゃなこと」だと思っていた言葉が、実はとっても前向きで、がんばる人を応援するかっこいい言葉だったことがわかっていただけたのではないでしょうか。
ここで、もう一度だけ、大切なポイントをおさらいしておきましょう。
この言葉の本当の意味は、今まで誰も成し得なかったことを初めて行うことでしたね。
そして、そのルーツは、中国の唐の時代に行われていた難しいテストに、村から初めて合格したすごい人のお話から生まれたのでした。
漢字の豪快なイメージから、「ルールを無視する」とか「むちゃくちゃな人」という意味で使う人が増えていますが、本来は「大きな努力の末に新しい道を切り開いたすごいこと」を表すんですね。
これを知っているだけで、なんだか言葉の魔法使いになったような気がしませんか?
言葉の背景にある物語や歴史を知ることで、毎日の何気ない会話がもっともっと深く、そして楽しくなるはずですよ。
これからも、わからない言葉に出会ったら、「どんな歴史があるのかな?」と調べてみると、新しい発見がたくさんあると思います。
破天荒な行動は、周りの人を驚かせ、そして幸せにしてくれる素晴らしい力を持っているんですね。
明日、まわりのみんなに教えてあげよう!
さあ、これであなたも、この言葉の秘密と使い方を完全にマスターしましたね!
こんなに面白くてためになるお話を知ってしまったら、きっと誰かに話したくてウズウズしているのではないでしょうか。
明日の学校の休み時間や、おうちでの晩ごはんのときに、「ねえねえ、この言葉の本当の意味って知ってる?」って、ぜひみんなにクイズを出してみてください。
きっと、お友達やお父さんお母さんが「豪快なことでしょ?」とか「むちゃくちゃに暴れることでしょ?」と答えるはずです。
そうしたら、しめしめです。
「実はね、昔の中国のテストの話からきていて、新しいことにチャレンジして道を切り開くことっていう、すごい意味なんだよ!」と、優しく教えてあげてくださいね。
みんなから「へえ〜!すごい!よく知ってるね!」って感心されること間違いなしですよ。
言葉が持っている本当の優しさやパワーを感じながら、これからもたくさんの素敵な言葉と仲良くなっていってくださいね。
私たちも、みなさんが新しい言葉に出会って、毎日がもっとワクワクして楽しくなることを、心から応援しています!
みなさんの明日からの新しい挑戦も、きっと破天荒な大成功につながるはずですよ!