
みなさんは、新学期や新しい年が始まったとき、何か目標を立てたことはありますか。
「今年こそは毎日日記を書くぞ」とか、「算数のドリルを毎日1ページやるぞ」といった目標ですよね。
私たちも、最初のころはやる気に満ちあふれていて、「絶対に続けるぞ」と気合が入っているかもしれませんね。
でも、気がつくと三日くらいでやめてしまった……なんてこと、きっと誰にでも経験があるんじゃないでしょうか。
お父さんやお母さんも、「子どものころはよく途中で投げ出しちゃったな」なんて、懐かしく思い出しているかもしれませんね。
そんなふうに、一度決めたことをずっと続けるのって、実はすごく難しくて大変なことなんですよね。
だからこそ、最後までやり遂げたときの喜びは、とっても大きいのだと思います。
そんな「最後までやり抜くかっこいい姿」を表す、素敵な四字熟語(よみがな)があるのをご存知ですか。
それが今回一緒に見ていく「初志貫徹(しょしかんてつ)」という言葉なんですね。
なんだか漢字が四つも並んでいて、少し難しそうに見えるかもしれませんね。
でも、意味を知ると「なるほど、そういうことか」と、きっと好きになる言葉だと思います。
今日は、この言葉の意味や、どうしてこんな漢字が使われているのかを、一緒に楽しくひもといていきましょう。
明日から学校やご家庭で、思わず使ってみたくなるかもしれませんよ。
最初の目標を最後までやり抜くこと
それではさっそく、この言葉の本当の意味を一緒に見ていきましょう。
初志貫徹という言葉には、最初に心に決めた目標を、途中で投げ出さずに最後までやり通すことという意味があるんですね。
途中で「やっぱりやめようかな」とか「今日は疲れちゃったからお休みにしようかな」と思うことがあっても、ぐっとこらえて頑張るまっすぐな姿勢のことなんです。
とても強くて、かっこいい意味が込められていますよね。
ここで、少しだけ気をつけておきたいことがあるんです。
それは、この言葉の読み方なんですね。
正しい読み方は「しょしかんてつ」なのですが、間違えて「しょしけんてつ」と読んでしまう人が案外多いという事実があるんです。
大人でも、うっかり間違えて覚えていることがあるくらいなんですね。
三つ目の漢字の「貫」という字が、「けん」という音に似ているからかもしれませんね。
でも、みなさんはもう正しい読み方を知っているので大丈夫ですよね。
「しょしかんてつ」と、口に出して何度か言ってみると、自然と覚えられそうですね。
目標に向かって一生懸命に頑張っているお友達を見かけたら、「あの人は初志貫徹の心を持っているな」と、心の中で応援したくなるかもしれませんね。
どうして「初志」と「貫徹」がくっついたの?
四字熟語というのは、二つの言葉がくっついてできていることが多いんですね。
初志貫徹も、「初志」という言葉と「貫徹」という言葉が仲良く手をつないでできた言葉なんです。
それぞれの言葉には、どんな秘密が隠されているのでしょうか。
「初志」ってなに?初心との違いは?
まずは、前半の「初志」という言葉から見ていきましょう。
「初志」とは、何かを始めるときに心に決めた「目標」や「こうしたいという強い願い」のことを指しているんです。
「初」は「はじめ」という意味で、「志」は「こころざし」、つまり「こうしようという強い気持ち」のことですよね。
ここで一つ、気になりそうなことがありますよね。
「初志」という言葉は、私たちがよく知っている「初心」という言葉と、とてもよく似ていると思いませんか。
「初心忘るべからず」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
実は、この二つには少しだけ違いがあるんですね。
「初心」は、何かを始めたばかりのころの「純粋な気持ち」や「謙虚な態度」のことを表すことが多いんです。
一方で「初志」は、もっとはっきりとした「目標」や「決意」のことを言っているんですね。
なので、「初心」と間違えて「初心貫徹」と書いてしまうのはよくある間違いなので、気をつけたいですね。
ちょっとした違いですが、これを知っていると「言葉の博士」になれたような気分になりませんか。
「貫徹」の漢字が持つ力強い意味
次は、後半の「貫徹」という言葉について一緒に考えてみましょう。
「貫」という漢字と、「徹」という漢字が並んでいますね。
「貫」には、「つらぬく」という意味があるんです。
実はこの漢字の成り立ちには、面白い秘密があるんですね。
昔のお金は、真ん中に四角い穴が空いていたのをご存知ですか。
昔の人はその穴に一本の紐を通して、お金をひとまとめにして「貫き通した」そうなんです。
そこから、「端から端まで突き通す」という意味が生まれたのだと言われています。
なんだか、当時の人の暮らしが見えてくるようで面白いですよね。
そして「徹」という漢字にも、「端から端まで通り抜ける」という意味があるんです。
「徹底的にやる」という言葉にも使われていますよね。
この二つの漢字が合わさった「貫徹」には、どんな障害があっても乗り越えて、一番最後までやり遂げることという意味が込められているんですね。
「初志」という強い目標を、「貫徹」という力強い気持ちで最後までやり抜く。
漢字の意味を知ると、この言葉がいかにパワフルな言葉かが、じんわりと伝わってくるかもしれませんね。
昔の人の物語から来た言葉じゃないって本当?
四字熟語の中には、昔の中国の王様や将軍たちの物語から生まれた言葉がたくさんあるんですね。
そういう言葉は「故事成語(こじせいご)」と呼ばれたりします。
では、初志貫徹はどうなのでしょうか。
実は、特定の中国の古典や有名な物語に由来するわけではないということが分かっているんです。
これはちょっと驚きかもしれませんね。
特定の誰かが「よし、今日から初志貫徹という言葉を作ろう」と言ってできたわけではないみたいなのです。
昔からあった「初志」という言葉と、「貫徹」という言葉。
この二つの言葉を自然に組み合わせて、意味をより強くした言葉だと考えられているんですね。
私たちの普段の会話の中でも、「スーパー」と「マーケット」を組み合わせて「スーパーマーケット」と呼んだりしますよね。
それと同じように、言葉と言葉が自然に仲良くなって生まれたのだと思うと、なんだか言葉が生き物のように感じられて楽しいかもしれませんね。
こんな風に使ってみよう!楽しい使い方
言葉の意味が分かってくると、「自分でも使ってみたいな」という気持ちがわいてくるかもしれませんね。
ここでは、小学生のみなさんが学校やおうちで、どんな風に初志貫徹を使えるか、具体的なお話を一緒に見ていきましょう。
学校で使うとき:マラソン大会の約束
秋になると、学校でマラソン大会があるかもしれませんね。
マラソンって、最初は元気よく走れるけれど、途中から息が苦しくなって、「もう歩きたいな」と思ってしまうこと、ありますよね。
そんなとき、大会の前に自分の中でこんな目標を立てたとします。
「今年は絶対に、一度も歩かずに最後まで走り切るぞ」
これが、あなたの「初志」ですね。
そして本番の日。グラウンドを何周もして、足も重くなってきました。
周りのお友達が少し歩き始めているのを見ると、「私も少しだけ休もうかな」という気持ちが頭をよぎるかもしれません。
でも、そのときに「いや、最初に決めた目標があるじゃないか」と自分を励まして、最後まで走り切ることができました。
そんなとき、お友達や先生にこんな風に言うことができるんですね。
「今日は途中で苦しかったけれど、初志貫徹の精神で、最後まで歩かずに走れたよ」
こんな風に言えたら、周りの人も「すごいね、頑張ったね」と、きっとたくさん褒めてくれると思いますよ。
おうちで使うとき:ゲームの時間を守るぞ
おうちでの生活の中でも、初志貫徹を使える場面はたくさんあるんです。
たとえば、お母さんと「ゲームは1日1時間まで」というお約束をしたとしますよね。
最初の何日かは、タイマーをかけてしっかり時間を守れていたとします。
でも、ある日、ゲームの中でどうしてもクリアしたいボスが現れました。
「あと少しで倒せるのに、もう時間が来ちゃう。今日だけは特別に時間を延長しちゃおうかな」
そんな誘惑の声が聞こえてきそうですよね。
お母さんが晩ごはんの準備をしていて、見ていないかもしれません。
でも、そこでグッと我慢して、「いかんいかん、自分で決めた約束だから守らなくちゃ」とゲームの電源を切ることができたとします。
このときの行動こそが、まさに誘惑に負けずに最初の約束を守り抜くことなんですね。
晩ごはんのときに、お母さんにこう伝えてみてください。
「今日、ゲームをもう少しやりたかったけど、初志貫徹してちゃんと時間でやめたよ」
お母さんは、難しい言葉を知っていることに驚くと同時に、あなたが約束を守れたことに、とっても喜んでくれるかもしれませんね。
家族の会話で使うとき:お父さんのダイエット
この言葉は、大人の人たちも普段からよく使っている言葉なんですね。
たとえば、お父さんが「よし、最近お腹が出てきたから、今日から毎日腹筋を30回やるぞ」と宣言したとします。
お父さんの「初志」ですね。
でも、お仕事から帰ってきて疲れていると、つい「今日は休もうかな」とソファで横になってしまうかもしれません。
そんなお父さんを見かけたら、みなさんの出番です。
「お父さん、腹筋するって言ってたよね。初志貫徹で頑張って」
と、笑顔で応援してあげるのはどうでしょうか。
お父さんも、「おっ、そんなかっこいい言葉を知っているのか。よし、お父さんも負けずに頑張るぞ」と、起き上がって腹筋を始めてくれるかもしれませんね。
言葉一つで、家族のみんなが笑顔になったり、やる気が出たりするのは、とても素敵なことだと思います。
似ている言葉と反対の言葉も知っておこう
初志貫徹の意味がすっかり分かってきたところで、この言葉のお友達のような似ている言葉や、反対の意味を持つ言葉も一緒に見てみましょう。
言葉の仲間を知ることで、もっともっと言葉の世界が広がっていくかもしれませんね。
似ている言葉はどんなものがあるの?
初志貫徹と似た意味を持つ言葉に、「終始一貫(しゅうしいっかん)」という四字熟語があるんですね。
これも、漢字が四つ並んでいて少しかっこいいですよね。
「終始」は「最初から最後まで」、「一貫」は「一つのことを突き通す」という意味なんです。
つまり、最初から最後まで態度や方針がずっと変わらないことを表しているんですね。
初志貫徹とよく似ていますが、少しだけ違いがあるのにお気づきですか。
初志貫徹は、「最初に決めた目標を、苦労があってもやり遂げる」という、人間の頑張る気持ちにスポットライトが当たっているんです。
一方で終始一貫は、「彼の言うことは最初から最後まで終始一貫している」というように、物事や考え方がブレない様子を表すときによく使われるんですね。
似ているけれど、使う場面が少し違うなんて、言葉って本当に奥が深くて面白いですよね。
反対の言葉はみんなも知っているあれかもしれませんね
では、初志貫徹とは反対の状況を表す言葉には、どんなものがあるのでしょうか。
みなさんも一度は耳にしたことがあるかもしれない、「三日坊主(みっかぼうず)」という言葉があります。
これは、物事が長く続かずに、すぐに飽きてやめてしまうことを表す言葉なんですね。
お坊さんの修行が厳しくて、三日くらいで逃げ出してしまったというお話から来ていると言われています。
初志貫徹できなかったときの姿、と考えると分かりやすいかもしれませんね。
また、少し難しい四字熟語ですが、「朝令暮改(ちょうれいぼかい)」という言葉もあるんです。
これは、朝に出した命令を夕方には変えてしまうくらい、言うことがコロコロ変わることを意味しているんですね。
最初に決めたことを最後まで貫き通す初志貫徹とは、まるで反対の状況だと言えますよね。
反対の言葉を知ることで、「自分は三日坊主にならないように気をつけよう」と、自分の行動を振り返るきっかけになるかもしれませんね。
もしも途中で目標を変えたくなったらどうする?
ここまで、最初に決めた目標を最後までやり通すことの素晴らしさについてお話ししてきました。
初志貫徹は、本当に素晴らしい態度ですよね。
でも、ここで少しだけ、立ち止まって考えてみたいことがあるんです。
それは、「どんなことがあっても、絶対に最初の目標を変えちゃいけないのかな?」ということなんですね。
たとえば、休みの日に「今日は公園でずっとサッカーの練習をするぞ」と目標を立てたとします。
でも、公園に着いた途端に、空から大粒の雨が降ってきて、雷まで鳴り始めてしまいました。
このとき、「初志貫徹しなくちゃいけないから、雷が鳴っていてもサッカーを続けるぞ」というのは、ちょっと危険ですよね。
こんなときは、「今日は雨が降ってきたから、おうちの中でできるリフティングの練習に変えよう」と、作戦を変更するほうが賢い選択かもしれません。
私たちが生活していると、予定していたこととは違うことが起きたり、新しいことに気づいたりすることがたくさんあります。
そんなときは、状況に合わせて柔軟にやり方を変えていくことも、とても大切なんですね。
目標を見直すことは、決して悪いことや失敗ではないということを、どうか忘れないでくださいね。
大切なのは、最初に持っていた「もっと上手になりたい」「自分を成長させたい」という大きな「志」を持ち続けることなのかもしれません。
やり方は途中で変わっても、その大きな志に向かって進んでいれば、それもまた一つの立派な初志貫徹の形だと言えるのではないでしょうか。
ずっと忘れずにいたい言葉のおさらい
さて、今日は初志貫徹という言葉について、たくさんのことを一緒に学んできましたね。
ここで、もう一度大切なポイントをおさらいしてみましょう。
初志貫徹とは、自分が最初に心に決めた志や目標を、途中で投げ出さずに最後まで大切に貫き通すという素敵な姿勢のことでしたね。
漢字の成り立ちを知ると、昔の人がお金を紐で通していたように、一本の筋がスッと通っているような、力強いイメージがわいてきたのではないでしょうか。
そして、「初心」との違いや、「しょしけんてつ」と読み間違えないようにすることなど、ちょっとした豆知識も知ることができました。
似ている言葉の「終始一貫」や、反対の状況を表す「三日坊主」といった言葉も、一緒に覚えることができましたね。
これらの言葉を知ることで、みなさんの言葉の引き出しが、また一つ豊かになったのではないかと思います。
言葉を知るということは、自分の気持ちや考えを、相手にもっと上手に伝えられるようになるということなんですね。
それは、まるで自分の中に新しい道具箱をもらったような、ワクワクする経験だと思いませんか。
明日からどんどん使ってみよう
言葉というのは、本を読んで覚えるだけではなくて、実際に声に出して使ってみることで、本当の意味で自分のものになるんですね。
明日、学校に行ったら、お友達との会話の中でそっと使ってみるのも楽しいかもしれません。
お掃除の時間に、「今日は最後までピカピカにするぞ。初志貫徹だ」とつぶやいてみたり。
宿題が難しくて心が折れそうになったときに、「ここでやめたら三日坊主になっちゃう。初志貫徹で最後まで解こう」と自分を励ましてみたり。
きっと、その言葉がみなさんの背中を優しく、そして力強く押してくれるはずです。
お父さんやお母さんも、お子さんが何かに一生懸命に取り組んでいる姿を見たら、「初志貫徹だね、かっこいいよ」と声をかけてあげてくださいね。
言葉の力が、家族の温かいコミュニケーションをもっともっと素敵なものにしてくれると信じています。
これからも、たくさんの素敵な言葉に出会って、みなさんの毎日がもっと楽しく、もっと豊かになりますように。